佛は医王
2023-05-04 | 諸経
以下に引用するように諸経典には仏様は医者に喩えられています。つまり病気になるのは衆生の側の事情で仏は事前には如何ともし難く、事後に救いの手を差し伸べて下さるにすぎない、ということを説いていることになります。無盡の因果の連鎖で人生苦に苦しむようになった衆生にその苦を癒す方法を教えるのが仏様ということを経典は言っているのです。しかし御大師様が秘蔵宝鑰でおしゃっているようにその医王のおっしゃるとおりに養生するかどうかは病人たる衆生の責任なのです。
また病気はその進捗状況や遺伝子の状態、気候等の外部環境等無数の原因により治ったり治らなかったりする訳で若し病状(苦悩)が治癒しなくても、すべてが医者(仏)の責任として医者(仏)を責めるのはお門違いといえます。
むしろ一生懸命寄り添ってくださっている仏様を逆恨みしていることになります。
・「凡そ身病を治するには必ず三つの法に資(よ)るなり。一つには医人、二つには方経、三つには妙薬なり。如来衆生の心病を治したまふことも亦復かくの如し。佛は医王の如く、教えは方経の如く、理は妙薬の如し。理の如く思惟するは猶し薬を服するが如し。法に依って薬を服すれば罪を滅し果を証す。妙薬は病を悲しんで興り、佛法は障を愍んで顕る。この故に聖人の世に出ること必ず慈悲によるなり。(秘蔵宝鑰)」
・「一には善く病を知り、二には善く病源を知り、三には善く病の対治を知り、四には善く治病を知る」(『雑阿含経』一五)。
・悲華經 「諸苦惱を除くこと 大醫王の如し」