華厳経巻三十一佛不思議品第二十八の一
「・・一切諸仏はすべては不生不滅でそれを受け取る存在と云うものはないことを知り、色受想行識も不生不滅であり、すべては皆悉く実体はなく知覚もないと知る。宇宙の所有者はなしと知って而もまた一切のものの姿を壊すのでもない。一切はそれを起す者があるのでもなく、悉く虚空の如く、一切のものは実体がなく従って業の報いがあることもなく、学ぶものも無く、成就ということも無く、数も無く、数がないことも無く、有に非ず無にあらず、生に非ず滅に非ず、垢に非ず浄に非ず、來るということも無く去ることも無く、また住あることなく、衆生というのもも無く、衆生が無いということもなく、また教化するということも無く、命も無く、命が無いこともなく、因縁も無く、因縁無がないことも無く、縁起無く、縁起無きに非ず、しかも善く成仏できる衆生・出来ない衆生・決まってない衆生を分別して、十力(処非処(理と非理を弁別する)、業異熟(業と因果を知る)、静慮解脱等持等至(三昧などの深浅を知る)、根上下(衆生の資質を知る)、種種勝解(衆の望みを知る)、種種界(衆生の本性を知る)、遍趣行(衆生が諸世界へ赴く行因を知る)、宿住随念(自他の過去世を思い起こす)、死生(衆生の死後善悪などを知る)、漏尽(涅槃に至る方途を知る))
と四無所畏(正等覚無畏・漏永尽無畏・説障法無畏・説出道無畏)と最上の智慧とを成就し、大衆の中に於いて如来の境界を大獅子吼するのである。これは一切諸仏の衆生を済度するための巧妙な方便なり。
(原文・・一切諸仏は一切の法は不生にして受者あることなきを知り、色も不生なり、受想行識も不生なり、一切諸法は皆悉く寂滅にして入なく、界なく、法界は所有なしと知りて而もまた一切法の相を壊せず。一切諸法は起者あることなく、悉く虚空の如く、一切法は寂滅にして業報あることなく、所学無く、成就無く、数無く、非数なく、有に非ず無にあらず、生に非ず滅に非ず、垢に非ず浄に非ず、來無く去無く、また住あることなく、衆生無く、衆生無きに非ず、また教化無く、命無く、命無きに非ず、因縁無く、因縁無きに非ず、縁起無く、縁起無きに非ず、しかも善く正定・邪定・不定の衆生を分別して、十力と四無所畏と一切種智とを成就し、大衆の中に於いて如来の境界を大獅子吼す。これは一切諸仏の巧妙方便なり)
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