monologue
夜明けに向けて
 

素顔  


 70年代に、ジグソーの「スカイ・ハイ」を入場テーマ曲にして一世を風靡した、
「千の顔を持つ男」、ミル・マスカラス(MIL MASCARAS)というメキシコの覆面プロレスラーがいた。
毎試合マスクを変えるのでそう呼ばれたのであった。

ふと考えると現代はほとんどが千の顔を持つ男、女なのではないかと思えてくる。
だれもがその場その場で仮面を変えて生きている。
ネットの世界では実名をさらしている人は少ないだろう。
お互いに変なハンドルネーム同士でどこのだれとも知らないまま普通につきあっている。

すべての仮面を脱ぎ捨てたとき現れるのが素顔のはずだが
自分の知っている素顔と他者の見ている素顔は違っている。
そして、その素顔も脱ぎ捨てて脱ぎ捨ててその一番奥に潜んでいるのが素。
「素」とはもとのもと、それがだれにも具(そな)わっている神性なのである。
わたしたちはその素に次から次へといっぱい仮面をかぶってきた。
耳を澄ませば「これでいいのか、これでいいのか」と心の奥でなにかがつぶやくのが聞こえる。
今、だれもが「素」の本来の目的に目覚めようとしている。
fumio
  
 
    <素顔のマスカレード>

1.26時に舞台がはねて 長い一日 終わりを告げる
  シャワーを浴びて 繰り出せば 星も見えない 街灯かり

  ボトルに詰めた 時間の砂が こぼれて 尽きても 気づかぬそぶり
  その場かぎりの 嘘に酔い その場かぎりの 恋に舞う
 
  あそこでひとつ  ここでもひとつ
  愛がもつれ 愛がふるえ 仮面を塗り替える
  素顔のUhh-uhh-uhh-uhh-uhh マスカレード

2. 涙ぐむたび 仮面が剥げて 心の底まで 透かしてしまう
   熱い 視線を 避けながら 少し濃いめのサングラス
    
   やっぱりひとつ 今またひとつ 
   夢が醒めて 愛が冷めて 明日を振り返る
   素顔のUhh-uhh-uhh-uhh-uhh マスカレード 

     ***************************

      Uhh-uhh-uhh-uhh-uhh
      それでもひとつ ひそかにひとつ
      愛がこぼれ 愛が壊れ 鏡に笑い合う
     素顔のUhh-uhh-uhh-uhh-uhh マスカレード


素顔のマスカレードを聴く
       

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