久々に映画館に足を運んだ、観たのは「パリのちいさなオーケストラ」という実話を元にした音楽題材物語。
知っている俳優が皆無ながら知ったクラシック音楽が挿入されているのでとても親しみやすかった。
実話をベースにしているせいか脚本が少しダルイ、でも最後はとても感動的なもので、この最後のシーンはそれまでのだるさをすべて吹き飛ばしてくれる。
その結果として大いに楽しめた。
(どうやら本日が本邦初公開、封切だった様だ)
〔内容〕
移民の子でありながら巨匠にその才能を見出され、巨匠の元でレッスンを受ける一方でコンクールへの挑戦をしたり、オーケストラを結成したり、そして挫折を味わいながらも一流指揮者への道に挑戦するヒロインの姿を描く。家族愛や友情や師弟愛をからめてたんたんと物語は進み印象的なエピソードも数多く挿入されているが、残念ながら少し纏まりを欠いている。
そして失意のヒロインを奮起させる出来事が、、、、
最後のシーンはとても素晴らしくて、これを観るためには最初から見なければならない、そんな作品。
そしてヒロインの表情がとても豊で素晴らしい、これは女優の才と監督の力量だろうと、さらに音楽映画として音の使い方が秀逸、これは映画館の音響設備の腕の見せ所でTVセットではとても良さが伝わらないと思う。
『パリのちいさなオーケストラ』予告
とうとう映画館で岡本喜八監督の「殺人狂時代」を観た。
結論を言えば期待値以上では無かった、この監督の作品としてはちょっと物足りないし思ったほどのブラックさは感じなかったが、そこそこ面白くて仕事を抜け出して観た価値はあった。
〔内容〕
ある日突然殺し屋から狙われることになった大学教員の桔梗信治(仲代)、どたばた逃げ回りながら追手の殺し屋たちを次々にやっつけてしまう。追手は殺人を請け負う秘密結社で元締めはマッドサイエンティストの溝呂木(天本英世)、依頼人は元ゲシュタポのドイツ人で、展開が進むにつれて桔梗の秘密が段々と判明することになる。
天本英世氏はこういうマッド・サイエンティストを演じさせたら天下一品、そういえば岸田森氏もこんな感じで好きだったが。
偶然とは言え神の啓示かという話はさておき、アマプラ映画「フォードvsフェラーリ」これが良く出来ていて面白かった。
動機はクリスチャン・ベイルとマット・デイモンの組み合わせということなのでハズレは無いだろうと思っていたら大当たり。
友情やら家族愛やら理想とビジネスとの葛藤とか、に加えて1960年代のカッコいいレーサーが目白押しと言った具合で、ともかく出来の良い映画だった。
〔内容〕
1950年代後半にレーサーとして活躍するも心臓を患い引退を余儀なくされたキャロル・シェルビー。今はスポーツカーの製造会社を立ち上げ、気鋭のカー・デザイナーとして活躍していた。その頃、アメリカ最大の自動車メーカー、フォード・モーター社では、ル・マン24時間耐久レースで絶対王者に君臨していたイタリアのフェラーリ社との買収交渉が進められていた。ところが契約成立を目前にして創業者のエンツォ・フェラーリが態度を急変させ、交渉は決裂。小バカにされた会長のヘンリー・フォード2世は激怒し、レースでの打倒フェラーリを誓うのだった。こうしてシェルビーのもとに絶対王者フェラーリに勝てる車を作ってほしいとの不可能とも思える依頼が舞い込むことに。さっそくシェルビーはイギリス人ドライバーのケン・マイルズを口説き、2人でレーシングカー、フォードGT40の改良を進めていく。しかしマイルズはレーサーとしての腕前は超一流ながら、その言動はあまりにも破天荒で、企業イメージを大事にするフォード社幹部の反感を買ってしまうのだったが…。
(出典:全洋画オンライン)
この映画でのクリスチャン・ベイルは期待通りの曲者レーサーを演じておりシェルビー役のマット・ディモンとの対比も良かった。
なおフォード・ムスタング新車発表会のシーンがあり、このムスタングこそ「ブリット」で活躍したこれぞ米社と言ったクーペ・モデルで間違っても手の届かない憧れの車だったが、それを主人公は一目見て駄作と判断するとこなんぞは結構嬉しいシーンではある。
それとクライマックスのル・マンで登場するフォードGTは、昔のスロットレーシングでもフェラーリと並んで定番モデルだった様な気がする。
そんな昔懐かしい車たちに遭遇できてノスタルジアをくすぐる映画でもあった。
なお、先日買った「シェルビー・コブラ」はこの映画を知る前に偶然に入手した物で、まさかこの映画で実物(らしき車が登場)を拝めるとは思わなった。
この映画の開始10分で「シェルビー」という人名が出てびっくりした位、というのが今回の”神の啓示”の内訳。
またまたこんな季節がやってきた、もはやこの季節のマイ風物詩の様な「日本の一番ながい日」鑑賞。
昨年の8月にも見ていた。
何回みても良いものは良いし、毎回見るたびの新しい感動を味わえる、今回は編集の見事さに感心。
〔内容〕
広島と長崎への原爆投下やソ連の参戦など、日本の敗戦が決定的となった昭和二十年八月、特別御前会議でポツダム宣言の受諾が正式に決定した。だが終戦に反対する陸軍将校たちはクーデターを計画、一方、終戦処理を進める政府は天皇陛下による玉音放送を閣議決定する。終戦反対派は各部隊ごとにバラバラに行動を開始、やがて終戦を受け入れようとする近衛師団:師団長を射殺したり、玉音放送を中止すべく録音物を奪取しようとするなど、その行動が徐々にエスカレートしていく。
(出典:全洋画オンライン)
この映画の畑中少佐(陸軍省軍事課員:黒沢年男)と椎崎中佐(陸軍省軍事課員:)の狂気は凄い!、それと高橋悦史は名優だなぁと感心。
8月中旬までは、岡本喜八監督の特集をしているのでまたぞろ繰り出そうかと思っている。やはり戦中派の人達はあの戦争の描き方が見事。
もし2015年版のを見て感動した人たちは、是非こちらで本物を知って欲しい、比較にならないことに驚くと思う。
ちなみに上映まじかの空席状況。(毎年上映していてもこれだけ集まるのはやはり傑作という事かも)
何気なく観たらこれが面白かった。
ほとんど記憶が無いけれども、1960年代に「ゴヤ」の名画が盗難にあった事件をベースにしている。
この主人公は社会活動家なんだけれども自分の生活すらままならない、そんな主人公が話題となっているゴヤの名画を盗難してしまった事から発展する喜劇。
社会風刺のきいたコメディとしてなかなか面白い、とりわけクライマックスの法廷シーンは傑作。
〔内容〕
1961年、イギリス。60歳のケンプトン・バントンは理想主義で楽天家。その性格ゆえかなかなか仕事が長続きせず、家計はもっぱら妻ドロシーの稼ぎに頼っていた。
にもかかわらず、ケンプトンは孤独な高齢者のために公共放送(BBC)の受信料無料化を求める活動に熱心に取り組んでいた。そんな中、イギリスが誇る美術館“ロンドン・ナショナル・ギャラリー”からゴヤ作“ウェリントン公爵の肖像”が盗まれる前代未聞の大事件が発生する。
なんと盗んだのはケンプトンで彼は名画を人質に、高齢者の受信料を無料にするよう政府に要求するのだったが…。
(出典:全洋画オンライン)
良く出来た奥さんを演じていたのは「ヘレン・ミレン」だった、ただ一人知っている役者。
とうとう映画館で「マイ・フェア・レディ」をみることが出来た、素晴らしい!
以前TV画面では見たが、今回は綺麗な大画面(4kデジタルリマスター)で上質な音響で本当に古き良きミュージカルを堪能した。
ストーリは少女漫画の世界ながら歌曲は今でもスタンダードとなっている様な名曲揃いで迫力もなかなか、オードリーの楽曲シーンはもちろん良いが、今回は父親の歌と踊りがすごく印象に残った、「♪運さえあれば~」とか「♪時間になったら協会で式を挙げなきゃ~」。
(正式なタイトルは知らない)
〔内容〕
ロンドンの下町で花を売り歩いていた女性イライザは、通りすがりの言語学教授ヒギンズに言葉の訛りを指摘され、彼の提案で訛りの矯正と淑女になるための礼儀作法を教わることになる。そして、本人の努力とヒギンズ教授の熱心さもあってとりあえず話言葉は見事に矯正に成功する。彼女は最初上流階級の貴婦人として競馬場へ赴き失敗するが、大使館のパーティに出て社交界に華々しくデビューし成功を納める。ところが、、、・
この映画の教授とイライザの距離感の表現は見事だと思う、それにホームズ役者のジェレミー・ブレットの若い姿をじっくりと拝むことが出来た、実に男前で歌が上手い。
今後も古き良き時代のンミュージカルが掛かったら是非観に行こうかと思う。
2022年7月の記事
ユーチューブにスタンリー・ホロウェイの動画があった。
With A Little Bit Of Luck - Stanley Holloway (My fair Lady)
Stanley Holloway: Get Me to Church, Little Bit of Luck '71
随分昔にNHKーBSで放映されてみたことがある「かくも長き不在」と言う映画、名画座に掛かったので早速観に行った。
暗くてテンポが悪くて盛り上がりに欠ける内容ながら主演の二人の演技力に圧倒された、そしてラストシーンはかなり鮮烈。
以前観た時に印象深い物を感じていたが映画館で観てようやく納得、カフェの女主人の鬼気迫る表情は忘れられない。
また戦争の傷跡をこんな風に描くというのも映画作家(監督なのか脚本家なのか製作者なのか)の力量だろうと思う。
〔内容〕
パリの庶民的なカフェ、女主人はテキパキと店を切り盛りして周囲の客たちからも好意的にみられていた。
ある日、店の前を通りかかった浮浪者を観て驚愕する女主人、彼は戦中ドイツ軍に捕らわれたまま行方知れずとなっていた元夫に似ていた。
やがて彼女はその浮浪者が記憶喪失であることを知り元夫と固く信じるようになり、ある日彼を自宅の夕食に誘うこととした。
夕食後に雑談をしながら懸命に記憶を取り戻そうと努力を続ける女主人、、、
この女主人の凛とした美しさと元夫の微妙な心理を映し出す表情は本当に見ごたえ充分で、これのリメークはこんな役者をそろえることが一番の障壁だろうと思う。
なおモノクロ・ワイドスクリーンの本作はデジタル・リマスターされていて充分に綺麗だった。
ちょっと気になった映画「またヴィンセントは襲われる」を観てきた。
結論から言えばまぁ面白かったけれども、人に勧めるにはちょっと、そんな感じ。
内容はSF的に進むが最後は哲学的で少々無責任な終わり方、それがちょっと気に入らなかった。
〔内容〕
ヴィンセントはある日、職場で突然暴行を受ける。
ケガが癒える間もなく、今度は別の同僚にも襲われたが、加害者たちは襲撃時の記憶がないと言う。
「事件の原因は被害者の方にあるのでは」と疑われるヴィンセント。
しかし彼に対して殺意を抱く者は後を絶たなくなり、見ず知らずの他人ですら命を狙ってくるように。
「自分と目線が合った瞬間に、人々は襲いかかってくる」....
終わらない襲撃の法則をかろうじて発見したヴィンセント。
(出典:公式ページ)
昔、小松左京の短編SFで「牙の時代」というのがあったが、この映画を観ていてそれを思い出した。
「スティング」、本日映画館で見ることが出来た、往復2時間掛けて日曜の午後をしっかり費やして、しっかりとお釣り貰った位の価値ある作品だった。
この間(2018年11月)観たのはBSPの放送だったけれども今度は本物の映画館、大画面で見るポール・ニューマン、R・レッドフォード、ロバート・ショー、そして軽快なテンポで進む脚本、1930年代のアメリカ・シカゴの再現された街並み、どれもがともかく素晴らしいの一言。
そしてこの映画を初めて観た時には見事に騙された、、、、
〔内容〕
1936年。シカゴの下町で、詐欺師の3人組が通り掛かりの男をヒッカケて金をだまし取る。しかし彼らが手にしたその金は、いつもとは段違いの思わぬ金額だった。悪い予感は的中。その金は、ニューヨークの大物ロネガンの手下が、賭博の上がりをシカゴへ届ける為の金だったのだ。怒った組織は、仲間の一人であるルーサーを殺害。彼の復讐を誓ったフッカーは、助けを求めて、賭博師ゴンドルフを訪ねた。最初は嫌がっていたものの、ロネガンの名を聞いて目を光らせるゴンドルフ。2人は、ロネガン相手に一世一代の大バクチを企てるが……。
(出展:全洋画オンライン)
(たまたま1970年代のリバイバル上映時のパンフレットを持っていた。)
この映画の面白い所は、映画の中で見事なチームプレイを披露しつつも、この映画製作自体も並行して見事なチームプレイが進行していただろうと思われること。
何年たっても何回観てもこの見事な詐欺には関心する。
これの続編も作られていいて、以前ビデオだかDVDで観たがとんと記憶にないからそれだけのものだったろと思う。
因みに本日は日曜の午後と言うこともあって結構な込み具合だった。
(朝9:00の予約状況)
Marvin Hamlisch 映画「スティング」
コロナ闘病生活のおともに寝転がってみた「大魔神」、これがなかなか面白かった。
過去一度見ているが細部はすっかり忘れていたので、また楽しめた次第。
ただ、これと「~怒る」「~逆襲」と立て続けるに観る勇気と根性はちょっと無い。
〔内容〕
戦国の世、丹波の国で謀反が起こった。前主を弑して新しく領主の座にのぼった左馬之助は、過酷な労役を領民に課し、さらには村の守り神たる魔神像をも破壊しようとした。だが、額にくいを打ち込んだ途端、突如として山崩れが起こり、作業にあたっていた人足たちは土砂に呑み込まれてしまう。
左馬之助は魔神像の破壊をあきらめたが、前主の係累に対する追及はやめなかった。ついに遺子・忠文を捕らえた彼は、忠臣とともに磔刑に処することを決定する。忠文の妹・小笹は、唯一の心の拠り所、魔神像に助けを求めるのだったが……。(出典:全洋画オンライン)
この映画の特撮シーンは見事、たぶん最後の15分位の大魔神が大暴れシーンは日本の特撮史に残る物だと思う。
ただ時代劇のドラマ造りの甘さがこの映画を中途半端にしている様な気がする、それは観客ターゲットが曖昧な感じが原因かも。
この映画は記憶によれば「ガメラ」と併映だった様な気がするが、大型カメが足から火の粉を吹いてぐるぐる回転する様とかカメが二足歩行するとかどうしてもこちらは好きになれなかった。
なおこの「大魔神」リメークしたら面白いと思うが、安手のCGでアニメみたいな画面になってどうしょも無い代物になりそうな気がする。
「大魔神」三部作予告篇