最近また録溜映画が沢山、少し憂鬱になってきた。
そんな中で本格的な西部劇を何本かみたので印象に残ったのを。
「ララミーからきた男」
これは得した気分になれた。
・撮影が素晴らしく、シネスコ画面にマッチして素晴らしい風景を見せてくれる。
・主人公(J・スチュアート)がおよそ西部劇ヒーロと掛け晴れたキャラクターでこれも良い。
(以前「リバティ・バランスを撃った男」も良かったが)
・アパッチが悪役で登場するが、あまり露出をさせないので今見ても良心さを感じる。(1955年製作だから結構意外な感じ)
・ラスト(ハッピーエンド)も良い。
〔内容〕
ラミーからやって来た元騎兵隊大尉ロックハートは運送業の配達で、アパッチによって弟が命を落とした土地に近い、地主ワグマン支配下の町にやってくる。その老人はかなり強引にのしてきた暴君ではあったが、目を病んで病気になり引退を考えていた。東部出身の妻の虚栄のうちに育てられた息子デイヴはわがままで乱暴で手に負えず、実子のように目をかけているヴィク(ケネディ)が頼みの綱だが、いざとなると息子が可愛い。デイヴに襲われ馬車を焼かれ、ラバを何頭も撃たれ廃業やむなしとなったロックハートは、ヴィクの恋人でデイヴとは従姉妹同士のバーバラに魅かれたこともあり、しばし当地に留まることにした。そのうち、密偵に雇った老人からの情報で、アパッチに通じる者の姿が浮かびあがってくる。彼はデイヴの度重なる嫌がらせに耐え、ワグマンに譲らず自分の小さな牧場を守り続ける老女ケイトを手伝いながら、真相解明の機会を待つが……。
この時代の映画は、やはり娯楽の王様らしい風格を感じる。
ちなみにジェームズ・スチュワートを映画館で観た経験は一度だけ、その映画は「飛べフェニックス」。
もの心付いたときには既に過去の名優となっていた。
「去り行く男」
地味なグレン・フォードと子悪党が似合うアーネスト・ボーグナイン、それに渋く若いチャールズ・ブロンソン等々が絡まって見事なカウボーイ映画だった。
〔内容〕
G・フォード扮する放浪のカウボーイは崖から落下し怪我したところを、気だてのいい牧場主(A・ボーグナイン)に救われ、彼のもとで働くことになる。だが、その妻(V・フレンチ)に言い寄られ、それを快く思わない牧童頭(R・スタイガー)に何かとからまれ、結局、果たし合いとなる。
あまり派手なドンパチは無いが、カウボーイの日常生活が良く分かる映画らしい一作だった。
印象に残る俳優はアーネスト・ボーグナインで今回は善人を演じている、「ポセイドン・アドベンチャー」、「コンボイ」、「北国の帝王」とかで憎たらしい役を演じさせたら天下一品。
面白い映画には必ずこういう灰汁の強い悪役が欠かせなくて、邦画の金子信夫さんなんかはその最たるもんだろうと思う。