SMOKE、およそ15年前に見てえらく気に入り、最近ようやく再会を果たした。
なにしろ当時は禁煙を始めて3カ月目位の時で、レンタル・ビデオ屋(当時は未だVHSが全盛の時代)で、題名に惹かれて撰んだ。
題名通り1カットに1回は喫煙シーンが登場するので(タバコ屋が舞台なので当然か)、当時はよくも喫煙習慣復活とならなかったもんだと感心。
(因みにこの映画は何回か本ブログでも触れていて、よほどに印象が強かった様だ)
さて、内容はニューヨークの下町を舞台の人情劇、淡々と大きな起伏も無く物語が進行する、そして観終わってから時間の経過とともに良さがジワ~と湧き上がってきて、10年位経つと頭の中では素晴らしい名画として確立してしまう、そんな映画。
ハーヴェイ・カイテルがお人好しのたばこ屋の主人を演じていてともかく渋い渋い、ウイリアム・ハートとフォレスト・ウィテカ―がそれに見事なまでに絡み合って、最後にはほのぼのとさせてくれる。
極めつけはエンドロールで、こんな名画面(名曲をバックに)を見せてくれる。
Smoke by Wayne Wang & Paul Auster
一言で言えば、演出と役者と演技の冴え、加えて脚本の良さを堪能できる映画。
「14年間毎朝同じ時刻に店の前で写真を撮り続けている煙草屋の店長オーギー、彼の馴染みの客で突然の事故により出産まもない妻を失って以来ペンを持てずにいる作家のポール、彼が車に跳ねられそうになった所を助けた黒人少年ラシードの3人を軸に、ブルックリンのとある煙草屋に集まる男達女達の日常を、過去と現在を、嘘と本当を巧みに交差させながら進んでゆく。 」