昨日録溜映画の天日干しで観た「天国と地獄」、これはもう世界に通じる超一級のサスペンス。
この映画は約40年前に(既に)リバイバル上映で観て、それからレンタルビデオや放送で何回か見ているが、見るたびに面白い。
誘拐事件の起こり、身代金受け渡し、犯人特定後の追跡、最後の最後での犯人の独白、全編が緊張感に満ちている。
それに色の使い方が見事、「オズの魔法使い」と双璧。
〔内容〕
優秀な知能犯に刑事たちが挑む。ナショナル・シューズの権藤専務は、自分の息子と間違えられて運転手の息子が誘拐され、身代金3千万円を要求される。苦悩の末、権藤は運転手のために全財産を投げ出して3千万円を用意する。無事子どもは取り戻したが、犯人は巧みに金を奪い逃走してしまい、権藤自身は会社を追われてしまう……。
この映画が作られた時代はどの映画でも真剣さが画面からにじみ出ている、出ている役者たちや製作側や現場もプロ意識に徹している様子がよく分かる。
今の映画特に邦画に欠けている点で、この映画のシナリオを元にリメークしてもこれだけの役者は集まらんだろうし、まとめ上げる監督もいないだろう、だから絶対にリメークなどはしないで欲しい。
山崎務も名優だとは思うが近頃の出演作品は結構情けない。
なおエド・マクベインの87分署シリーズはこの映画の後で興味を持って面白く読んだが、この映画の原作短編「キングの身代金」よりははるかに映画の方が上。