初めて叔父がほめてくれた。いい店を作ったと。

おばの葬儀の後の御斎を店でやった。
おばは父の兄弟で子供がいなかったので叔父の親戚から養子を迎え今まで頑張ってきた。
子供の頃母が病気がちだったり、農家の仕事が忙しかったりしたときおば夫婦が面倒を見てくれた。
いろいろお世話になったのに何もお返しが出来なくて今まで来てしまった。
叔父が店を出るとき、良い店を作ったとほめてくれた。
今までほめられた事など無かったように記憶していたのと、突然の言葉に動揺した。
謙遜してみんな借金なんですと答えると、そうじゃないのだ、働いている人たちが皆素晴らしい、だから良い店なのだと言った。
叔父は商人だったから、その言葉は嬉しかった。
そしておばが一生懸命叔父につくしたり、僕に教えてくれたことで、もしかしたら無くなったおばに感謝する言葉を僕に預けたかもしれないと感じた。
出棺のとき最後のお別れの人達の多さに驚き挨拶が出来なかったと話が伝わってきたことで想像してみた。
あまりほめない叔父の言葉に驚き、嬉しくてすぐスタッフの前で報告した。
良い店を作ったと誉められた、良い店地とは店で働いている人たちが素晴らしい店のことだよと叔父に言われたと。
てれた板長が、判らなかったのは親父だけだよと言いながら刺身を作っていた。

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