(前の記事からの続き)
「誰でもよかった」
そんな言葉が 犯人の口から語られる、 無差別殺傷事件が相次ぎました。
そこには 幾つかの動機があるようです。
JR下関駅殺傷事件の上部被告は、 社会の 不特定多数に対する恨み。
一昨年、 北海道で女性を刺殺した 佐藤清隆受刑者は、
職場の人間関係で ムシャクシャしたうっぷん晴らしが 動機だったといいます。
大阪の公園で 男児をハンマーで殴った少年は、
西鉄バスジャック事件の少年を 英雄視し、 アンチヒーローに憧れていました。
秋葉原事件の加藤容疑者は、 現実でもネットの世界でも 孤独になり、
自分の存在を 気付かせるため、
できるだけ大きな事件を 起こそうと考えました。
土浦JR駅殺傷事件の 金川被告,
鹿児島で タクシー運転手を刺殺した 少年は、
人を殺して死刑になりたかった と語っています。
少年は、 人を殺したら どういう気持ちになるのか 知りたかった、
とも述べました。
自分で死ねないための、 形を変えた自己破壊願望、 間接自殺です。
秋葉原事件の加藤容疑者も、 自殺願望を抱えていた 可能性があります。
注目を集めたい、 あるいは、 死にたい。
その手段としての 無差別殺人。
「 誰でもよかった 」という理由で 繰り返された悲劇の連鎖を、
私たちは 断ち切ることができるでしょうか。
〔朝日新聞より〕
(次の記事に続く)