「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

陪審員による冤罪死刑

2009年05月26日 14時58分16秒 | 死刑制度と癒し
 
 TBSの 「報道特集NEXT」 で、

 アメリカの陪審員制度での 冤罪について放送していました。

 この25年間に、130人が 冤罪で死刑判決を 下されているというのです。

( 5月14日の記事には、

 「71~02年に125件 (31年間)」 と書きましたが、

 近年のほうが 増えていることになります。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/58779610.html )


 23年前、 二人組の強盗が 住人二人を 射殺した事件。

 被告の一人 ウィリアムズの衣服に、

 被害者の血痕が 付いていたという証拠を 検察は提出していました。

 陪審員のグナイエフさんは これを殺人の証拠と確信し、

反対する他の陪審員を説得し、 有罪に導きました。

 ところが17年後、 最新のDNA鑑定によって、

 血痕は被害者のものではない ということが判明しました。

 ウィリアムズは 強盗と発砲の 事実はあるものの、

 殺害の証拠はなくなりました。

 グナイエフさんは一転して、 死刑執行の停止運動に 奔走します。

 州知事によって 死刑停止が実現したのは、 執行のわずか数日前でした。

( もっとも、 被害者の血痕が付いていても 殺害の証拠にはなりませんし、

 付いていなくても 殺していないという証拠にも ならないでしょう。

 これだけでは 事実は分かりませんが、

 疑わしきは被告人の利益に ということです。

 まして 死刑の場合には。)

 また、 被害者の証言が 冤罪を生む場合もあります。

 レイプ事件の被害者・ バーンツェンさんは、

 警察から 9人の男の 写真を見せられ、

 そのうちの一人を 犯人だと証言しました。

 ところが17年後、 やはりDNA鑑定で この男性の無実が判明します。

 バーンツェンさんは 写真の中に 犯人がいると思い込み、

 男性を選んでしまったのです。

 捕まった真犯人の顔は、 この男性とは 全く別人でした。

 この間に真犯人は、 10件のレイプ事件を起こし、

 被害者の人生を 狂わせています。

 刑の執行前に 助かった人はまだしも、

 真証拠が見つかったときには 既に処刑されてしまった 人もいるのです。

 そして今も 真実が分からないままの冤罪が、

 一体どれほどあるのか 分かりません。

(次の記事に続く)

〔 「報道特集NEXT」 より 〕
 
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