「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

裁判員制度での 死刑判断

2009年05月15日 22時35分42秒 | 死刑制度と癒し
 
 自供の信用性, 責任能力の有無など、 判断が難しい問題を 抱えながら、

 裁判員が 死刑を選択するかもしれない 事態に直面します。

 裁判員制度では、 裁判員と裁判官 計9人の意見が 一致しないときは、

 多数決で判決を決めます。

 制度設計の段階では、 日本弁護士連合会は

 「 死刑は全員一致 」と 求めていましたが、

 制度実施の延期を 懸念され、 議論は広がりませんでした。

 プロの裁判官でも、 死刑を選択するときだけは

 「 3人のうち一人でも 疑問を持てば、 死刑は回避してきた 」

 という人が多くいます。

 陪審員制度は 全員一致がルールですが、 裁判員制度では死刑であっても、

 まとまらなければ 多数決を採らざるを得ないだろう、 とも予想されています。

 裁判員の精神的負担も 重大になるでしょう。

 「 絶対死刑を選ばない 」と 決めている裁判員候補は、

 面接の段階で 排除される可能性があります。

 法律に従わないことになり、 不公正な裁判をする 恐れがあるからです。

 「 死刑に反対 」というだけでは 裁判員辞退は認められませんが、

 死刑を適用すべきか 議論することすら 精神的な苦痛に 感じる人については、

 認めることもありそうです。

 ただし 裁判員になりたくない人が、

 「 死刑を選ばない 」と 口実に使うことも考えられます。

 裁判長が面接で 質問を重ねることにより、

 ウソを見破っていくしか ないようです。

 なぜ市民が、 死刑に関わるかもしれない 重大な裁判に

 参加しなければならないのか、 という疑問も呈されます。

 法務省は、 「 重大事件ほど 社会正義が大きく損なわれ、

 社会の主人公である国民に 正義を回復してもらうことに 意義がある 」

 と説明しています。

 裁判員制度が始まっても、 幅広く議論していくことが 欠かせないでしょう。

〔朝日新聞・読売新聞より〕 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする