「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

被告の行為 見合う責任を -- 選択の重さ (4)

2009年05月25日 21時55分02秒 | 死刑制度と癒し
 
 07年 東京高裁。

 高橋裁判長は 書き終えた判決文を 机の引き出しにしまい、 鍵をかけました。

 言い渡しは 2週間後。

 時間を置き、 判決直前に冷めた頭で 最終確認をします。

 通常の事件は 1週間ほど。

 重大事件は それより長めに 寝かすことにしています。

 過去に7回服役した 熊谷被告は 出所翌月に、

 横浜の料理店主の顔面に 銃を押しつけて射殺し、 現金40万円を強奪。

 さらに 地下鉄渋谷駅で、売上金を奪うため 駅員を銃撃し、

 右足が動けなくなる 後遺症を負わせました。

「 刑事事件というのは、 被告の行為に見合う責任を 判断することに尽きる 」

 高橋裁判長は そう思っています。

 2件の犯行とも、 至近距離から発砲しています。

「 死者は一人でも、 限りなく 二人殺害に近い。

 拳銃を使った残虐性も 見逃せなかった 」

 一審の無期懲役を破棄し、 死刑判決を出したのでした。

「 いったん 無期とされた被告に、 死刑を言い渡すのは 重かった。

 だが、 死刑を選択せざるを得ない 事件はある 」

〔読売新聞より〕
 
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