畑仕事が一区切りついて父はゆっくり一週間ほど休んでいるので晴れが続いている時に一年分静養したほうが良いと思っていたが三日前足腰が痛いと言って歩き姿も腰が曲がって急に痛々しくなった。4月のような数日おきの最低気温の低下などないのだからなぜおかしくなるのかわからなかった。
通常は暖房冷房なしで冬の氷つく寒い日の12,3℃でスイッチが入るような、最低気温、最高気温に対応してエアコンスイッチがはいる徹底した断熱構造の部屋を作ることを考えている。最低と最高のピークをカットすれば体がおかしくなるようなことはない、と思っているからだ。
しかし、今回はだれもやらない土いじりが終わったのは一週間前だ。膝間接から音が出るようになった経験のある人間に聞くと無理をした翌日には音が出ていたということなので、父は三日前に何かをしてるはずだと考えることができるのでーーーーー
父は猫のひたいよりももっと小さな猫の鼻、それよりもっと小さい猫の爪ぐらいの畑を人力で雑草一本もなくたがやしている。畑から取れたものはそれにもかかわらず一度たりとも販売したことがない。すべてプレゼント用だ。ようするに誰からも頼まれない無償の仕事をしている。膝間接から音の出たことのある人間はそいういう究極の無償の労力に対し絶対に近寄らない。自分の体をトコトン酷使することになると父母のもとで働いた経験から恐怖感を感じているようだ。このようなことは本人以外に誰もわからない。本当にそのような無償労働とでも呼べるようなものに恐怖感を持っているのかもわからない。体をなるべく使わないでやろうということはわかる。
ずうっと母といっしょにごくわずかの面積の畑仕事をしてきた父には体を使えば使うほど実りがよくなるという信念があるのだろう。一人になるのは最初から予想できたことだ。
父が三日前にやったことは、殺虫剤をまいたことだ。絶対に農薬など使うなといっても絶対に使うのでかってにしろ、となっているが、マスクと目がね、手袋ぐらいはつけろ、と言っても守ったことが無い。いつものように盛大に噴霧してそこへ突入するようなまきかたをしたのだろう。頭は正常か、と面と向かって聞いたそうだが、殺虫剤だから心配ない、といつもの答えが返ってきたらしい。除草剤をまいても除草剤だから心配ない、と答えがかえってくる。
殺虫剤は虫の体をどのようにいためつけるのかわからないが、現代の虫には耐性ができている。現代の最先端の殺虫剤でまいるのは大昔の虫ぐらいのものだ。しかし、そういうものを吸い込む人のほうには耐性などない。もし、虫の関節を攻撃するものならまいている人もたいへんな影響を受け、同じように関節をやられるかもしれない。生物を殺すためのものを吸い込んでいるのだから治す薬はない。小さな面積に応じて吸い込む量も限られているのでなんとかなっているのだろう。
いつ、気がつくのか。何度言ってもわからない。このまま気がつかないでーーーー
人工的なものには嫌気のさす人間は十代の若いときすでに農薬嫌いになった。父と農薬をまくときは必ず風下に回ったそうだ。それで一週間は頭がフラフラしていたらしい。なんという親思いだったのだろう。
自分の体を犠牲にしてーーーそのものずばり、無償の極致だ。だが、何やら方向違いのような気がしたので、正常な方向に舵をとったということらしい。
通常は暖房冷房なしで冬の氷つく寒い日の12,3℃でスイッチが入るような、最低気温、最高気温に対応してエアコンスイッチがはいる徹底した断熱構造の部屋を作ることを考えている。最低と最高のピークをカットすれば体がおかしくなるようなことはない、と思っているからだ。
しかし、今回はだれもやらない土いじりが終わったのは一週間前だ。膝間接から音が出るようになった経験のある人間に聞くと無理をした翌日には音が出ていたということなので、父は三日前に何かをしてるはずだと考えることができるのでーーーーー
父は猫のひたいよりももっと小さな猫の鼻、それよりもっと小さい猫の爪ぐらいの畑を人力で雑草一本もなくたがやしている。畑から取れたものはそれにもかかわらず一度たりとも販売したことがない。すべてプレゼント用だ。ようするに誰からも頼まれない無償の仕事をしている。膝間接から音の出たことのある人間はそいういう究極の無償の労力に対し絶対に近寄らない。自分の体をトコトン酷使することになると父母のもとで働いた経験から恐怖感を感じているようだ。このようなことは本人以外に誰もわからない。本当にそのような無償労働とでも呼べるようなものに恐怖感を持っているのかもわからない。体をなるべく使わないでやろうということはわかる。
ずうっと母といっしょにごくわずかの面積の畑仕事をしてきた父には体を使えば使うほど実りがよくなるという信念があるのだろう。一人になるのは最初から予想できたことだ。
父が三日前にやったことは、殺虫剤をまいたことだ。絶対に農薬など使うなといっても絶対に使うのでかってにしろ、となっているが、マスクと目がね、手袋ぐらいはつけろ、と言っても守ったことが無い。いつものように盛大に噴霧してそこへ突入するようなまきかたをしたのだろう。頭は正常か、と面と向かって聞いたそうだが、殺虫剤だから心配ない、といつもの答えが返ってきたらしい。除草剤をまいても除草剤だから心配ない、と答えがかえってくる。
殺虫剤は虫の体をどのようにいためつけるのかわからないが、現代の虫には耐性ができている。現代の最先端の殺虫剤でまいるのは大昔の虫ぐらいのものだ。しかし、そういうものを吸い込む人のほうには耐性などない。もし、虫の関節を攻撃するものならまいている人もたいへんな影響を受け、同じように関節をやられるかもしれない。生物を殺すためのものを吸い込んでいるのだから治す薬はない。小さな面積に応じて吸い込む量も限られているのでなんとかなっているのだろう。
いつ、気がつくのか。何度言ってもわからない。このまま気がつかないでーーーー
人工的なものには嫌気のさす人間は十代の若いときすでに農薬嫌いになった。父と農薬をまくときは必ず風下に回ったそうだ。それで一週間は頭がフラフラしていたらしい。なんという親思いだったのだろう。
自分の体を犠牲にしてーーーそのものずばり、無償の極致だ。だが、何やら方向違いのような気がしたので、正常な方向に舵をとったということらしい。