日々の恐怖 11月9日 解体屋さんの見たもの(2)
見た目、普通の木造のでかい古民家だし、
「 なんで石の家なん?
医師の家?
お医者さんが住んでたの?」
って聞くと婆さんは、
「 いや、石があるんだよ。」
って言った。
俺は、
「 なにそれ?
壊すと祟られたりしちゃうの?」
って冗談で聞いたら婆さんは、
「 知らないよ、ただ単に不思議な石があるみたいだよ。」
って笑って答えてくれた。
興味の出た俺は、その家に入って社長たちを探すことにした。
門から入ると母屋と荒れてはいるが広い庭があった。
そして、その庭の片隅には蔵が三つ並んでいた。
ちょうど、そこに社長の息子の姿があったから、俺は蔵の方に歩いて行った。
社長と息子がいたのは、三つの蔵のうち真ん中の蔵だった。
社長はその中にいたんだけど、その蔵の中が変わっていた。
その真ん中の蔵だけ正方形で、その中央に土俵みたいに円の形で、白い石が埋め込まれてて、そのまた円の中央に1m真っ角くらいの黒い石の板と直径1mくらいの白い石の板が、向かい合うように立ってて、社長はそれをずっと眺めていた。
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