日々の恐怖 6月19日 固定電話
引っ越して来てから8年。
自宅電話に渋~いオジサマの声で、
『 あ、ともちゃん?』
といきなり尋ねる電話が月1程度で続いてます。
ナンバーディスプレイで相手の番号はわかっています。
「 いいえ、違います。」
と答えると、
『 ああ、失礼しました。』
とあっさり切るのです。
ちなみに夫が出ると、
『 ともちゃん、いらっしゃるかな?』
と尋ねるそうです。
夫がその電話を受けた時は、
「 うちにはともちゃんはいませんよ。」
と言うのですが、やはり
『 ああ、それは失礼しました。』
とあっさり切れるそうです。
気になった私と夫は、ある日とうとうその電話番号にかけてみました。
どうせ知られているのだし、と、番号通知で。
でも受話器から聞こえてきたのは、
“ お客様がおかけになった電話番号は、現在使われておりません。”
それでもオジサマからの電話は相変わらず月1程度でかかってきます。
最近は、
『 あ、ともちゃん?』
「 はい。」
と答えたらどうなるのかな~と、好奇心が芽生えてきてしまいました。
答えませんけど、ね。
その後、例の電話への対応パターンを夫とあれこれ想定したりしていました。
そして昨日、かかってきました、例の電話。
まずはナンバーディスプレイの画面表示で番号を確認し、夫が電話をとります。
かねてよりの想定通り、受話器を上げた直後に電話機内蔵の機能で録音し始めました。
以下は通話の内容です。
夫 「 もしもし。」
相手『 ともちゃん、いますか?』
無言で私に受話器を渡す夫。
私 「 もしもし。」
相手『 あ、ともちゃん?』
私 「 どちらさまですか?」
相手『 ともちゃんじゃないのかな?』
私 「 そちらはどなた?」
相手『 ともちゃんと、話がしたいんですが。』
私 「 どなたさまでしょう?」
相手『 ともちゃんなのかな?ともちゃんじゃないのかな?』
そばにあったメモに【ラチがあかない】と走り書きして夫に見せると、夫が無言で受話器を取りました。
夫 「 もしもし。」
相手『 あ、ともちゃん、います?』
夫 「 あんた、前から何度もかけてきてますけどね、いったいなんなんですか?」
相手『 ともちゃんと、話がしたいんです。』
夫 「 そっちの番号はわかってるんですよ、****ー****ですよね?」
相手『 ともちゃん、いないのかな?』
夫 「 番号を、しっかりと確認してみたらどうですか?」
相手『 ΧΧΧΧーΧΧΧΧにかけているんですが。』
夫 「 それは確かにうちの番号です。
前から何度も言っていますが、うちにはともちゃんはいません!」
相手『 そうですか、それは、大変、失礼しました。あの・・・。』
夫 「 はい?」
相手『 ご存知ないですか?ともちゃんの』
そこで唐突に通話は切れました。
すぐに表示されていた番号に電話をかけてみましたが、
“ おかけになった電話は、現在使われておりません。”
でした。
今日、番号変更の手続きをしようと思います。
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ