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日々の恐怖 9月30日 家に出る(3)

2019-09-30 10:52:47 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 9月30日 家に出る(3)



 兄が24~26歳まで住んでた曰わく付き物件がある。
台所にはお婆さん、居間には影の集合体が家の中を徘徊する、よく分からない物体のいた一軒家だ。
 一軒家なのに家賃は3万だ。
本当に気持ちの悪い家だった。
 引っ越した当初、耳鳴りと金縛りにしばしば襲われたらしいが、兄は、

「 共存して行こうぜ!」

と訴え続けたらしい。
 次第になくなる耳鳴りと金縛り。
最終的には、兄は、

「 見えない家族みたいなもんだよ♪」

と言い放った。
 自作のお仏壇みたいのを作って、朝晩にごはんを上げていた。
引っ越す時、非常に寂しそうだったのが印象的だった。
 兄は、

「 寂しがり屋の俺が一人暮らしできたのは、あいつらのお陰だ。」

って言っていた。
 
 実家での話に戻る。
先にも書いた建て替えた家、あまりにも気持ちが悪いので、結局みんな自然ともう一軒の家に移ってしまった。
 だかしかし、曰わく付き物件から帰った兄は、ここぞとばかりにその家で生活を始めた。
この家でも金縛りにあったらしいが、やはり、

「 共存しよう!」

で言いくるめたらしく、何事もなく暮らしてる。








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