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日々の恐怖 12月29日 ビジネスホテル(5)

2020-12-29 19:07:20 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 12月29日 ビジネスホテル(5)





 髪の毛はだらんと下にたれ、顔は確認できませんでした。
私は何が起きたのか把握できず、しばし、ぼ~っと眺めてしまいました。
 やっと少し我にかえって、Sに、

「 な~、俺、今とんでもないもの見ちゃってるよ・・・。」

と素っ頓狂なことを口にしてしまいました。
 するとSは、

「 おまえもか?
実は俺もさっきからそうなんだ。
ここの部屋、確かベランダなんか無かったよな。
だけどカ-テンの隙間、窓の外から女の子が俺を睨んでるんだ。
 おい、絶対振り向くなよ!
俺はさっきから目を合わせちゃいけないと思って、目をそらしてるんだけど・・・・。」

と言いました。
 私が、

「 でもちょっとやばいかも・・・、あの女近づいて来てるよ。」

と言うと、Sが、

「 やばいな・・・。
とにかく、さり気なく、ここを出よう・・・。」

と提案して来たので、

「 それじゃ、そう言うことで・・・。」
「 うん。」

と、何も無かったようなそぶりで、ゆっくりと2人でドアに向かい部屋を出ました。
 あの時はよく2人とも冷静に行動できたと、今でも不思議です。
部屋を出るなり、我ら2人は転げるように走って先輩の部屋に逃げ込んだのです。
 翌朝フロントに散々文句を言い、2度とそのホテルを利用しなかったことは言うまでもありません。

” あの時、あの女が来ることに気づかず、私たちのすぐ近くまできてしまっていたら・・・。”

と思うと、今でもゾッとします。
 まさか東京のど真ん中、しかも銀座であんな体験をするとは思いませんでした。
それに、あのホテルに無性に腹が立ちました。







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