一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

「談話室 滝沢」の閉店

2005-03-07 | よしなしごと
談話室滝沢が閉店するらしい。

2回くらいしか行った事がないが、独特の雰囲気を持つ喫茶店、というよりは飲み物サービスつき打ち合わせ用スペース。
昔の高級旅館のロビーのようなしつらえ、というのだろうか、塗り壁に木のテーブル、薄緑のやわらかい椅子という昭和40年代の「高級」の文法を踏襲した造り。
コーヒー・紅茶全て1000円で何時間いてもOK
地下なので携帯はつながらないが、電話の呼び出しをしてくれる(というよりは携帯電話が普及する前からサービスをしていただったのだろう)。

とても地味な制服を着た店員が、丁寧な接客をする。
初老の客が軽く手を上げて「おう」とか呼ぶと、すすっと近づいて「何か御用でしょうか?」と静かに聞くような感じ。

利用客は、ゆっくり本を読んでいるご老人や、打ち合わせをしている怪しげな不動産業者風の人とか、和服の中年女性と意味ありげな待ち合わせしている老人とか、
要するに僕よりはるかに大人の世界=人生の大先輩)の人々が集う場所という印象がある。

記事によれば、かつてはウエイトレスは地方の高校卒業生を採用し、全寮制で接客をきっちり仕込んでいた。
ところが最近は寮生活をいやがる女性が増えたりで、8割がアルバイトになった。
これ以上はサービスの質を維持できないということで、閉店にしたという。

古きよき時代のものがまた一つ消えた、ということか。


考えてみると、「リタイヤしたが比較的元気な高齢者が自宅以外で時間をつぶす場所」というのはけっこうニーズがあるかもしれない。

「○○会館」とか「○○協会」の建物の上の方には、必ず喫茶店やサロン風の場所がある。
そもそも「○○協会」自体が業界団体の天下り先だったりするので、たいした仕事もないのだろう。
おそらく「理事」とか「顧問」という肩書と思われる人々が、所在投げに談笑したりしていて、時間がゆっくり流れている。

彼らはその昔大企業の取締役とかで、天下り先での給料や年金で不自由ないのだろうが、居場所がないのであろう。

何となく象の墓場(死期を悟った象はひっそりと臨終の時を迎える場所に向かう)を思い出させる。
コメント
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