一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

「ミエミエ」vs「バレバレ」 (フジテレビvsライブドアその12)

2005-03-19 | M&A
朝日新聞によると「ライブドアがフジテレビジョン買収に向けて、レバレッジド・バイアウト(LBO)と呼ばれる手法を使って、3000億円の資金調達を検討していることが17日分かった。」らしいです。

LBOは「買収先の資産(と買収者の株)を担保にして借り入れた資金で行う企業買収の手法」といわれています。

要するに「これから買う資産」を担保に金を借りるわけです。つまり自動車ローンや住宅ローンと同じです。
* 具体的なスキームとかストラクチャーのはそんなに簡単ではないと思うのですが(株を買う資金の借金は株主が負う一方で、その返済にあてるのは買った会社のキャッシュフローであり、法人税課税後の配当だと効率悪いので、株式保有者と合併するとか、100%子会社にして連結納税にするとかしないといけないと思います。この辺は僕自身まったくの勉強不足ですので信憑性ゼロです詳しくはisologさんの分析などを参考にしてください。)

ただ、売買契約1本ですむ住宅ローンと違うのは、会社の支配権は1個の所有権ではなく、株を最低でも過半数、できれば(合併・会社分割など、組織再編をするなら)2/3超の株式を取得しないといけないところです。
一方で、1/3をまたいで市場外で株を買い付けるには、TOBによらなければいけない、という今や有名となったTOB規制があります。


一方でLOBになじむ買収対象というのは、借入金が少なく、不要な資産が多い等リストラクチャリング(「会社の切り売り」とも言われますが。)の余地が多い企業です。(フジテレビがまさに好適であることはisologさんのblogをご参照ください。)

でも、こういう会社は、自らリストラをして配当を増やすことも出来るし、ライブドア以外の他の会社が買って同じことをできるわけです。
(ライブドアならでは、というフジテレビとのシナジーがあれば別ですが、今のところそういうものはなさそうですしね)

ということは、もしライブドアがフジテレビをLBOを使って買収するなら、上記朝日新聞の記事が出る前に(株価が上がる前に)、まずは大株主に打診して例の時間外取引で一気に過半数くらい(ニッポン放送保有分の議決権が回復すれば30%でいい)まで買ってしまうか、買わないまでも、ある程度の票読みをもとにとっととTOBをかけたほうがいいわけです。

そもそもニッポン放送株を過半数買った時点でみんな「次はフジテレビ」と思ったわけで、そこで株価が高騰したところで、後手にまわってしまったといえると思います。

さらに、どこからか知らないけどLBOなんて具体的資金調達方法(本当に可能なのかな?ということはさておき)までリークしてしまうとなると、ライブドアの情報管理体制はかなりお粗末といわざるを得ないですね。

昨日になって堀江社長、フジ買収検討を「妄想」と否定してますが、ちょいと遅い。


逆に深読みすれば、ここまでノーガードにいろいろリークするってことは、フジテレビの買収は考えておらず、①ニッポン放送を諦めさせる陽動作戦②連結子会社となるニッポン放送の保有するフジテレビ株式の時価をあげて、ニッポン放送の資産評価を上昇させる、という狙いがあるのかもしれない。

でも、それって証券取引法で禁止されている風説の流布にあたらないか?
だから、ホリエモンが今頃否定して見せてたんだったりして・・・


何かと「新しいスタイル」が売りのホリエモンだけど、選択肢はバレバレの状況で次の手を打つにしては、ちょっとガードが甘すぎると思う。




まあ、相手方のフジテレビ・ニッポン放送側の打つ手も「企業価値の維持」と言いながら「支配権の維持」目的がミエミエの無理筋ばっかりなのに救われている感もありますね。

民放連、M&A対策を検討=ライブドアの買収念頭に-日枝会長というニュースを見ると、「M&Aによって総務省の審査を経ずに放送業に参入することになる」なんて言ってるけど、一度免許を取ってしまえば総務省の審査なんて形式的なものだろうから(一度として免許停止とかになった放送局がない)、結局既得権益擁護としか見られない、ってことがわからないんだろうか。
だいたい、鹿内家からの支配権の異動だって総務省の審査なかったんだろうにねぇ。




相変わらず、どっちもどっち、という状態ですね。



ということは、次の第2ラウンドで先手を取れば、フジテレビ側にも逆襲のチャンスがあるかもしれない、ということでしょうか。
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"Nipple Enhancer" と 「つけ乳首」の差

2005-03-19 | ネタ
シャラポアで一躍有名になった”Nipple Enhancer"
テニスプレーヤーとしては、激しい運動から保護するという意味合いもあるのでしょうが、アメリカではノーブラの胸をsexyに見せるための小道具として人気のようです。

enhance:
vt 1 a<質・能力・魅力などを>高める,増す;《天》〔コンピュータにより〕<写真>の画質を向上させる。
    b<価格を>上げる
  2 《古》誇張する
  3 《廃》〔堰の水量などを〕上げる
(リーダーズ英和辞典 第2版)

直訳すれば「乳首強調器」とでも言うのでしょうか。
「乳首を魅力的にアピールする」というニュアンスがあるようですね。


一方で日本でもさっそく通販で売られているようですが、
何と名称が「つけ乳首」


ベタなネーミング、というだけでなく、何か「ニセモノ」「ごまかし」というマイナスのイメージのある言葉じゃないですか?



ネーミングだけをとっても、アメリカ人の何かにつけpositiveな姿勢(無理にでもpositiveにしていないといけないのかもしれないですが)と、人工物に対する日本人のちょっと引け目を感じる姿勢がそれぞれ出ているようで面白いですね




美容整形に抵抗がないと言われる韓国ではどうなんだろう?ちょっと興味のあるところです。







ところで上の写真は、実はnipple enhancerではなく、
「アルガード目すっきり洗眼薬」に付属している「ぷにょカップ」。

下向きでも洗眼できるスグレモノ。花粉症の季節の必需品です。


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