一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

「不動産屋にでもおなりなさい」

2008-06-22 | よしなしごと
巡回先で話題になっているNHKドラマ「監査法人」の第二回を遅ればせながら見ました。
タイトルは、主人公が「飛ばし」先の会社の会計士(主人公の監査法人のTOPの兄弟子)に問い詰めたときに言われたせりふです。

ドラマの舞台は2002年ということなので、アドバイスにしたがって不動産ファンドに転職(実際にそういう会計士も結構います)した方が稼ぎという点では当たりだったかも知れないなぁとドラマの筋からは関係なく突っ込みたくなってしまいました(苦笑)。


ドラマ自体はけっこう面白いのですが、細かいツッコミとか疑問をいくつか。

今回は食品会社が粉飾のために不良在庫を非連結の会社に「飛ばし」ているという話なのですが、在庫がどこにあろうとその保管費用を迂回していようと、売り上げ
があがっていなければ製造原価がかかっている以上在庫としては残るはずで、業績不振は売上高利益率の低下などでわかるのではないか。
もしこれをやるとすれば架空の買手(=売上を計上できる相手先)が必要なはずで、そうだとすると、飛ばし先の倉庫の火事で食品会社本体が謝罪の記者会見するのも妙な話です(会計素人なので間違っていたらご指摘ください)。

あとは、会計監査の最中も上着を脱がないってありえないんじゃない、とか、会計士からの問い合わせにアシスタントが直接対応するというのもよほどお人よしな会社じゃないの、とか細かいところはいろいろありますけど、ドラマとしてはかなり楽しめます。
会計事務所のtopと食品会社の社長と銀行の頭取の会食シーンの掛け軸の書が「喰」という字で飛ばし先の会計士の部屋の書が「誠」だというあたりのディテールのこだわりはウケました。


番組の冒頭で監査法人の報酬と企業との癒着の可能性をさらっと触れています。
株主や市場のための役割と報酬を決定するのが会社の執行側だという仕組み上の齟齬の問題はけっこう本質的なので、ここをどこまで掘り下げるのかなと期待しているのですが、次回予告編を見ると、主人公の若い会計士(正義)vs事務所の経営者(悪)という対立構造で描こうとしているようでちょっと心配ですが、全体的にはうまくまとまっているので、次回以降も期待したいと思います。
コメント
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