一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

「御用」のウナギ

2008-06-27 | よしなしごと

最初一ノ宮漁協の偽装と混同していたのですが、ここにきて続けて発覚したんですね。
土用の丑の日が近くなり、卸売市場に数が出回り始めたところで農水省もチェックを厳しくしているのでしょうか。

マルハニチロの子会社のほうはこんな話も。

暴力団周辺者も関与 ウナギ偽装 ラベルに架空会社 2商社へ手数料4000万円
(2008年6月27日 01:16 産経新聞)

関係者によると、中谷社長ら幹部は、手法について、徳島県の暴力団周辺関係者に相談。偽装ラベルを張って、かば焼きを箱詰めする四国の業者も紹介してもらい、その業者に“偽装表示”を委託。その料金や謝礼などとして、魚秀から周辺関係者側に流れた資金は数千万円以上とみられる。



こんな構図のようです。

まあ、普通の印刷会社にニセのラベルを発注しても小さい印刷会社でも枚数も枚数ですし「ヤバイ」と思って受けてくれないですわね。
今回「偽装工作の下請け」であって取引(偽装)を仲介したわけではないんですね。
暴力団が全体を仕組んでいたら、犯罪収益移転防止法の「特定取引」にいきなり「ウナギ」なんてのが追加されたりして(笑)
(まあ、この法律は国際テロ防止からみなのでいきなりそんなことにはならないでしょうが)

閑話休題

しかし、偽装をめぐって両社の立場は真っ向から対立する。魚秀が「偽装は神港と相談して決めた」とするのに対し、神港側は「偽装は5月27日に魚秀側から明かされるまで知らなかった」と主張する。  
この5月27日には、神港魚類の担当課長(40)が中谷社長から、中国茶の袋に入った1000万円を受け取っているが、この資金についても、両社が農水省に示した認識は異なる。「偽装に協力してくれた謝礼」という立場の魚秀に対して、神港は「5月27日に偽装を明かされたことについての口止め料」との見解だ。1000万円は「産地偽装が事件になったときの証拠品」と考え、保管していたという。

偽装を知ったらまず証拠品を押さえるよりも出荷停止とか公表をするのが先ではないかと思うのですが。

両社は出荷先を近畿以西に限っていた。農水省関係者は「架空会社が発覚しないよう東海地方や首都圏を避けた可能性もある。(中略)」と話した。

とかなかなか微妙な感じです。

また、間に入った商社の商慣習も素人にはわかりにくいです。

魚秀が本当の製造者と発覚しないよう、7億7000万円はまず都内の商社に振り込ませ、その商社はさらに別の商社に資金を振り込んだ。その上で、魚秀は商社に資金を銀行から引き出させ、中谷社長や別の役員に手渡しさせた。手渡しは4回に分け、架空会社の製造を装うため、一色フード名で領収書を発行する徹底ぶりだった。

商社の役員は「商品のウナギは見たこともなかった。業界大手の神港魚類と取引できると喜んだ。契約関係や過去の経緯から販売しにくい相手に、関係ない会社を経由させて魚を売るという行為は業界では珍しくない。手数料も高かったし、引き受けた」と話す。

間に入って口銭を抜くかわりに売主だか仲介者としての責任も負うわけで、「見たこともない商品を扱う」というのはリスクが高いと思うのですが、そういう業界の慣行があるとすると、間に大きな問屋とか商社が入っていても産地表示などほとんど信憑性がないということになってしまいますね。

神港魚類の調査委員会には親会社のマルハニチロホールディングスも関与するそうですが、魚秀の偽装を知らなかったとした場合に(間の商社が神港に持ち込んだ話ではないようですので)あえて魚秀が2つも商社を介在させる取引をなぜ受けたのかというあたりが焦点になりそうです。


ところであまり突っ込んでいる人はいないのですが、僕は魚秀の「中谷彰宏」社長っていうところにひっかかったのですが(写真はこちら

有名な(だった?)ほうの中谷彰宏さんは相変わらずいっぱい本を書いているんでしょうか。

コメント
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