一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

男女平等

2009-06-16 | よしなしごと

これも本筋からそれた感想ですが。

「働く女性の希望の星だった」厚労相、局長逮捕に落胆
(2009年6月15日15時05分 読売新聞)  

雇用均等・児童家庭局長の村木厚子容疑者(53)は「周りに敵を作らない」「無欲で信念の人」などと評判も高く、「将来の次官候補」の呼び声もあった人物。15日朝から大阪地検特捜部の捜索を受けた同省では、幹部らが「不正を行っていたなどとは信じられない」と困惑を隠さず、舛添厚労相が記者会見を開くなど動揺が収まらなかった。

これが男性だったら即座に 

次官候補=やり手=政財界との黒いつながり

という取り上げられ方をする(大蔵省のノーパンしゃぶしゃぶなどの過剰接待事件における田谷-中島ラインなどが典型)ところなのに、女性なので得をしているなぁと一瞬思ったのですが

「非常に優秀、人望厚く」=村木局長、「手段選ばず」との声も-郵便料金不正
(2009年:6月14日23時43分)  

一方、東京都内の障害者団体の男性理事は「仕事熱心だが、手段を選ばないところがあった」と明かす。この団体は法案に一貫して反対していたが、同課が与党への説明用に作ったチラシでは「賛成団体」にされたという。 
男性は「村木さんからは『名前を載せる』としか説明されなかった。偽造とは言えないが、だまし討ちだ」と憤り、「普段は柔和だが怖い一面もあった」と話した。  

これ自体は意趣返し的なコメントのようでもあり、「手段を選ばず」の見出しの根拠としてはどうよ、とも思うのですが、逮捕直後にこういう記事が出るというあたり、男女差別は(いい意味でか悪い意味でか)なくなりつつあるのかもしれません(単に官僚バッシングの勢いがまさっただけかもしれませんけど。)。  


男女平等を実現するのが厚生労働省のミッションの一つというところは皮肉なのですが、上の舛添厚生労働相の発言は、他省に比べ女性のキャリアが多い厚生労働省の職員にも配慮した発言だったのでしょうか。  


ちょっと前には元社会保険庁長官の横尾和子最高裁判事の辞任(社保庁問題の引責とは公表されてませんが)という話もありましたし、地位があがるほど風当たりが強くなるのは男女を問わずというところなのでしょう。


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「虚偽公文書作成罪」

2009-06-16 | よしなしごと

「公文書偽造罪」と「虚偽公文書作成罪」の違いという個人的な「へえ」のメモ。

厚労省局長を逮捕 証明書偽造容疑 郵便不正、政界関与解明へ
(2009年6月15日(月)15:45 産経新聞)  

障害者団体向け割引郵便制度の悪用をめぐる虚偽公文書作成事件で、「凛(りん)の会」(解散)の障害者団体証明書を偽造、郵便事業会社(旧日本郵政公社)に提出したとして、大阪地検特捜部は14日、虚偽有印公文書作成・同行使容疑で、厚生労働省障害保健福祉部企画課長だった雇用均等・児童家庭局長、村木厚子容疑者(53)を逮捕、同部係長、上村勉容疑者(39)=虚偽公文書作成容疑などで逮捕=ら3人を再逮捕した。中央省庁の現職局長の逮捕は異例。

刑法の条文はつぎのとおり

(公文書偽造等)
第155条  行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2  公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3  前二項に規定するもののほか、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

(虚偽公文書作成等)
第156条  公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。

この違いについては判例もあります。
昭和33年04月11日最高裁判所第二小法廷決定によると  

村長がその名義の内容虚偽の公文書を作成した場合は、それが専ら第三者の利をはかる等不法な意思に出でその職務権限の乱用と認められる場合であつても、刑法第一五六条の罪が成立し、同法第一五五条の罪が成立するものではない。  

つまり、権限のある公務員が虚偽の書類を作成した場合は156条の虚偽公文書作成罪になるということのようです。 

今回は所管の課長が正式な団体でないのに正式な証明書出したので虚偽公文書作成罪で逮捕されたわけです。  


となると、村木局長が争う場合、「部下から上がってきた稟議書では、この団体が正式な障害者団体でないことが分からなかった(=故意がなかった)」という主張をすることになるのでしょうか。 
本省の課長だと決裁する書類が山ほどあるのでしょうから(そういう仕事のあり方の是非は別にして)そういう主張も成り立つかもしれません。  

逆に大阪地検特捜部は  

村木課長(当時)が正式な団体でないことを知ってあえて決裁した
=背景事情を承知していた
→本省の課長が配慮する背景事情って何(政治家?)  

というところに突っ込みたいというところでしょうか。



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春日電機 会社更生申立て

2009-06-15 | あきなひ

フォローが遅れました。

会社更生開始申立てに関するお知らせ
(平成21年6月12日 春日電機株式会社)  

・・・ところが、平成20年6月になり、以前より金融機関等から反社会的勢力との関係が疑われる人物と見られていた篠原猛氏(以下「篠原氏」と言います。)が弊社代表取締役に就任して以降、弊社は取引先各銀行から次々と追加融資を断られる事態に陥り、さらに、篠原氏らにより、不正な貸付行為や、架空取引であることが強く疑われる無線クレジット決済用端末を巡る売買が実行されるなどして、弊社資金が不正に社外へ流出させられた結果、弊社の資金繰りは急速に悪化していきました。弊社は、このような反社会的勢力の関与の疑いを払拭すべく、篠原氏らに対する責任追及を行った結果、同氏は平成20年12月26日付で、弊社代表取締役及び取締役を辞任しましたが、辞任後も、弊社は依然として反社会的勢力の関与を受けているとの疑いを持たれ、金融機関から新規融資を断られる状況が続き、また、スポンサーとして支援を申し出る企業も現れない等、篠原氏退任後の経営再建は困難を極めました。  

今後につきましては、裁判所及び同裁判所により選任された保全管理人の指導監督のもと、当社が反社会的勢力に支配されているとの疑いを払拭すべく、従業員一丸となって尽力して参りたいと考えております。反社会的勢力関与の疑いを払拭できれば、今後スポンサー企業が名乗りを上げる可能性も十分見込まれます。  

春日電機は既に篠原猛、大槻洋の両氏を刑事告訴していることもあり、相当激しく非難しています。  

会社更生手続きで裁判所の監督下で反社会的勢力関与の懸念を排除しながら再生を図るというのはいい方法だと思います。
惜しむらくは篠原氏らが退任し、上場廃止が決定した直後に申し立てていれば資金の流出はより食い止められたのではないかと思うので残念です。
(僕もエントリを書いてた当時はそういう指摘ができなかったわけで、あと知恵ですけど)


<参考:春日電機についての過去のエントリ>
春日電機 (その7 完?)
春日電機 その6
春日電機 その5
春日電機 その4
春日電機 その3
春日電機
泥沼二件

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「小欲資本主義」は崩壊しないか

2009-06-15 | あきなひ

米国流の「強欲資本主義」が崩壊したなどという話がよく出ますが、日本では金持ちでない庶民のの射幸心や「藁をもつかむ」気持ちを利用して商売をする「小欲資本主義」というか「弱いものいじめ資本主義」が跋扈しているような気がしてなりません。


それに対しては射幸心を煽るのを制限しようという動きもちらほら。

FX:レバレッジ倍率、規制強化 投資家反発も--金融庁
(2009年6月12日 毎日新聞)

金融庁は、外国為替証拠金取引(FX)について、少ない証拠金で高額の取引ができる「レバレッジ」の倍率規制に乗り出した。今月29日まで一般から意見を募集し、今夏からの施行を目指す。投資家保護を目的とする規制強化だが、賛否が分かれ、保護対象になるはずの投資家から反対の声もあがっている。  

金融庁が規制に踏み切るのは、高いレバレッジ取引を提供する業者が増えているためだ。FX業者は約120社あり、半数以上が100倍以上のレバレッジを提供。600倍の取引を提供する会社もあるという。株の信用取引の証拠金倍率は約3倍、商品先物取引は10~20倍程度に規制されており、FX取引の倍率の高さが際立っている。  

このため、同庁は先月末、約1年間の猶予期間を経てFX取引のレバレッジ上限を1年間は50倍、2年目以降は25倍とする規制案を公表した。100万円の取引をする場合、取引に必要な証拠金は50倍だとわずか2万円だが、25倍だと4万円が必要。レバレッジ倍率が高いと、少額の投資で大きな取引が可能となる半面、予想と逆の相場展開になった場合、わずかな値動きでも証拠金を全額失う。さらに、追加証拠金が必要になるなど損失拡大のリスクも大きい。

金融庁のパブコメはこちら

高レバレッジのFX取引については、
①顧客保護(ロスカットルールが十分に機能せず、顧客が不測の損害を被るおそれ)
②業者のリスク管理(顧客の損失が証拠金を上回ることにより、業者の財務の健全性に影響が出るおそれ)
③過当投機の観点から問題があると考えています。

考えはきわめて真っ当だと思います(「金融庁にしては珍しく」などとは申しません)が、一攫千金を夢見る人々(でもあくまでも「夢」なんですけどね・・・)からは反論が出ると思います(たとえば雑誌「SPA」の世界)。
だから依存性のある薬物は最初から禁止しないといけない、タバコの規制は難しいというのと同じですね。

実際、一定のインフラがあれば手っ取り早く参入できるので、ネット系の会社を中心に新規参入が増えています。
中には証拠金を「呑んで」しまって倒産したりしているところもありました。
「IT企業」と言っても(もう既に死語ですかね)最近はこういう実質的には貸金業で収益を上げているところが多いようです。


もっとストレートな貸金業としてはカードローンやリボ払いがあります。

ニュースのページを眺めてたら

<衝撃情報>今だけ年利1%■楽天×イーバンクおまとめローン■

というリンクがあったのでクリックしてみると、こんなページが 



要するにカードローンをまとめるとキャンペーン金利が適用になりますよ、という話です。

ただ、このキャンペーン金利は8月31日までしか適用にならないので今だと2ヵ月半しか恩恵を受けられません。
申し込みと審査の期間を考えると2ヶ月を切るかもしれません。

おそらくカードローン各社は同じ信用情報機関を使っているので現在の適用金利や貸付額の各社あわせての総額も与信可能な額におさまっているはずなので、そういう優良顧客をキャンペーン金利で乗り換えさせて低リスクで「横取り」しようという戦略なのでしょう。
でも「優良顧客」といってもあくまでもカード会社にとってなので、つまりは比較的高金利の借入をしても返済が見込まれる人ということで、本当に財務体質が優良(健全)な人ならカードローンは借りないわけですよね。

その後の「通常金利」はどうなるかというと 商品概要説明書 によれば

ご利用限度額       お借入利率
50万円以上100万円未満 15.0%~17.8%
~200万円未満          9.6%~14.8%
~300万円未満          6.9%~14.8%
~400万円未満          4.9%~12.5%
~500万円未満          4.9%~8.9%
500万円以上            4.9%~7.8%

と、優遇期間の後も「お得」とはいえないようです。
(これも実際は金利の低い高額借入の方が上に書いてあります)


個人的にはにお金については「煽り」が冷静な判断を失わせやすいので、食品の産地偽装以上により厳しく見たほうがいいように思うのですが、この程度は問題ないようです。

レバレッジや金利などは計算して見ればわかる話なので情報の非対象性はなく、「投資・借金は自己責任」ということなのでしょうか。


「強欲資本主義」が崩壊して信用不安が起きましたが、「小欲資本主義」が崩壊すると社会不安が起きそうで心配です。


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気がついたら鳩山大臣が更迭されていた先週でした

2009-06-14 | まつりごと

日本郵政の問題は、なんかよくわからないうちに鳩山大臣が辞任してしまっていたのですが、結局郵政民営化をはじめとする構造改革支持派と反対派のせめぎあいだったという整理がされているようで。

首相、当初は「西川交代」…竹中・小泉コンビが封じ込め
(2009年6月13日01時49分 読売新聞)

でも、結局鳩山大臣は何をやりたかったのかというのは最後までわからなかった。
個人的に西川・宮内が気に入らんというのがあったとしても、やり方が下手だったように思う。
確かにこの両人はたたけばホコリが、という人たちではあるけど、かんぽの宿が正しい突破口だったのかどうか、東京中央郵便局の建替えとか障害者郵便問題は主務大臣にも跳ね返ってくるんじゃないかとか。

「盟友」麻生首相が本音では構造改革反対なところをサポートしようとしたのかもしれないけど、ここまで対立してどううするつもりだったのかな。
物怖じせず、自分の言い分が通ると思うところが育ちのよさのなせる業ということだったのか。

今年2月、首相官邸の執務室。首相は鳩山邦夫総務相と会い、日本郵政の6月の株主総会で西川社長を含む取締役を一新するよう指示した。「ポスト西川」の候補として、NTTの和田紀夫会長、生田正治・元日本郵政公社総裁、西室泰三・東京証券取引所会長らの名を記したリストも手渡し、水面下の調整をゆだねた。

こんな完全な政治銘柄になったら誰も引き受けませんて。

生田氏は何を今さらってな感じだろうし、和田氏や西室氏だって出身母体のNTTや東芝は日本郵政グループと山ほど取引があるだろうから。  

まともな人は梯子を誰が支えてくれているかすらわからない状態で登らないだろうし、ここで引き受けるとしたら「阿呆と煙は高いとこに登りたがる」タイプの人ぐらいではないかと。


あ、そう考えればけっこう候補者はいるかも・・・

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従業員性善説・性悪説

2009-06-13 | あきなひ

味の素社員らに不正取引容疑=子会社化公表前、カルピス株購入-利益数十万円
(2009年6月12日(金)12:04 時事通信)  

味の素社員は社内の業務連絡で子会社化を知り、妻の名義で購入。カルピス社員の妻は夫から情報を聞き、知人名義の借名口座で買い付けたという。夫は取引を知らなかったとされる。  

公表前の重要事実を社内に業務連絡で流してしまった味の素の情報管理体制自体に問題があると思います。  

同じことはカブドットコム証券のインサイダー事件でもありました(これについては既にtoshiさんが指摘されています。)。
監視担当インサイダー 証券元社員ら課徴金勧告
(2009年6月6日(土)08:05 産経新聞)  

カブドットコム証券によると、3月のTOBでは、全社員が閲覧できるパソコンにパスワードを設定しないまま情報が入ったファイルが置かれていた。また、11月のケースでは、社長名で約80人の全社員あてにメールが送られていた。同社では「外部への説明を統一性を持って行えるように考えて発信した」と説明している。  

従業員性悪説に立つというのは経営全体のあり方として適当かどうかとも思いますが、不必要な誘惑につながるようなことはしないほうがいいということですね。


カルピスの件は、夫が妻に伝えたのがきっかけということですが、この手の話は家族にも言うなと釘を刺しておくと家族に「何で最近帰宅が遅いんだ」などと妙な疑いをかけられるというデメリットもあります。
まあ、このへんについては日頃の行いと家族の信頼関係の問題ですが、これを悪用して「詳しくはいえないが極秘の案件で」などと遊び歩いている輩もいるとか・・・
 

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代書屋

2009-06-12 | あきなひ

GMの破たん処理で「悪材料出尽くし」とかいう話もありますが、まだまだ先は長いという話もあります。
わたし自身は金融マーケットの動向については語る能力がないので、片隅でトラブっている話を。


CMBS(商業不動産担保証券)という証券化商品がありますが、米国でこの処理がはかどっていないという話です。

CMBSはそれぞれ利払いの優先順位によっていくつかの「トランシェ」に分かれています。
この証券のもとになっているローンの利払いが行き詰った場合に、抵当権を行使するか、ローンの償還期限延長かなどについて投資家が協議して決定することになるのですが、契約上は劣後するトランシェを持つ投資家にも投票権があります。
このため、今回のように資産価値が急落した局面では、劣後する部分の投資家は抵当権を行使して売却すると明らかに自分の取り分はゼロになるので償還期限延長をして相場回復を待つ(祈る)という「問題先送り」の行動をとり、早期に売却して資金回収を図りたい優先部分の投資家と合意が形成できないという仕組み上の問題があるので、なかなか処理が進まないんだとか。


で、米国の弁護士になんでこんなことになったの、と聞いたところこんな回答が
(以下私の超訳)  

正直言って、劣後するトランシェがみんな全損するような不動産価格の下落は想定していなかったんだ。こういう状況では本来劣後トランシェの連中は投票権を失うべきで、そうじゃないと失うもののない連中は相場回復という望みにすがって期間延長に投票する結果、優先部分のトランシェまで毀損することになってしまうよね。

これは弁護士がいけない、というよりはこの投票メカニズムを考えたビジネスサイドが相場がクラッシュするようなリスクを想定していなかった、またはこのメカニズムの部分にリスクがあると考えずに弁護士にドラフトを任せたのがいけなかったんだと思います。 
万が一の時に金をスルのは弁護士ではなく自分たちなのですから。

この辺アメリカ人のインベストメント・バンカーの交渉への集中力というか執着心というのは(かかっている報酬の大きさもあるのでしょうが)ものすごいものがあるので、こういう部分を見逃していたというのは意外ではあります。
ただ、証券化商品が大量に供給される(そして商品を組成するそばから売れていく)中では、仕組みの部分はデフォルト化してしまって誰も問題意識を持たなくなっていたのかもしれません。
(でも、少なくともそれをレビューすべき格付け機関くらいは気づいていてもよかったとは思いますが)  

起きてしまったことは仕方がないので、将来に向けての反省としては、弁護士は依頼人の依頼事項を契約書に反映することはできるけど依頼者以上の問題意識を持ってチェックしてくれるとは限らない、ということでしょうか。  

やはり自分のお金は他人任せにせず自分で守らないといけないということですね。


逆に弁護士の立場からすれば、依頼者がトンチンカンだとどうしようもないし、後で文句を言われても困るよ、ということでしょう(要領が悪い依頼者のほうがタイムチャージを稼げていいというような人はさておき)。

そのいい例がこれですね。
(あ、決して弁護士センセイを代書屋扱いしているわけではないので念のため。)

代書屋 桂春団冶(1/2)

代書屋 桂春団(2/2)



<おまけ>

弁護士氏は

ちなみにアメリカでは不動産担保ローンが5つくらいCMBSベースのCDOに入っていて結果的に数十人の利害の異なる投資家が発言権を持っているという"sliced and diced"な状態に比べれば、日本のCMBS(構造的には同じメカニズム)はそこまで細切れじゃないのが不幸中の幸いだよね。

と言ってます。
でも、米国の証券化商品に突っ込んでいる日本の機関投資家も多いでしょうから、あんまりうれしくもないですよね。

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『なぜ世界は不況に陥ったのか』

2009-06-11 | 乱読日記

副題に「集中講義・金融危機と経済学」とあるように池尾和人慶應大学教授と池田信夫氏(肩書きは上武大学教授ですがブロガーなり評論家としての方が有名?)の今回の金融危機を経済学のベースで語ろうという対談型式の本です。

前半部の投資銀行がどう変質していったかというあたりはちょっとはしょってる感じもありますが、現在の金融危機を経済学の切り口できちんと整理していて、私は経済学の体系的な知識もなく最新の事情に詳しいわけでもないですが、すんなり頭に入ってきます。


もっとも

(池田)
 一般の人々の理解はそこから一周ぐらい遅れていて、まずIS-LMみたいな大学のときに習った図式がずっと頭にあって、政府が総需要を刺激したら需給ギャップがなくなると単純に考える人が多い。実はあの図式は、価格が一定だという前提があるのです。価格が動くとすると、賃金を下げたら労働需要が増えて失業はなくなるはずです。それがなくならないのは、賃金や価格の硬直性があるからです。
 だから大学で習うマクロ経済学は、ミクロと矛盾したことを教えています。ミクロでは価格はフレキシブルに動くのに、マクロでは価格が動かない経済学を教えている。大学院以上でやっている経済学と、学部で教えている経済学との間に大きな違いがあって、一般の人はいまだにマクロとミクロを別々のロジックで考えることに大きな問題があるということに気づかない。
 専門家の中ではそういう矛盾のない論理体系になっているのに、官僚とかメディア(政治家はもっとひどい)の中には、いまだに古いケインズ的な図式が残っています。

などと池田氏得意の上から目線の発言も出ますが、「一般の人々その1」としてはそういうもんか、というしかありません(苦笑)
ただ、全般的にはわかりやすく整理されていて、現在の議論の混乱しているポイントなどもきちんと指摘してくれています。

(池尾)
本来の意味でのインフレーション・ターゲティングという金融政策の運営枠組みの話と、かつて我が国で主張されたインフレ目標「政策」というのは、似て非なるものなので、はっきりと区別しなければならない。

(池尾)
水準の問題と振れの問題を区別すべきだということです。経済状況が悪いといっても、本来の水準そのものが低下しているのか、本来の水準はもうちょっと高いのだけれども、振れの問題として下振れしてそういう状態になっているのかで意味がまったく違います。

などなど。

まあ、このようにわかりやすい指摘は池尾教授の発言に多いようには感じました。


プロローグに本書を「『半教半学』の福沢精神に基づいて、池田信夫さんと私(池尾)が、いずれが教授役いずれが聞き役という区別なく互いに議論しあうという形・・・」と表現していますが、池尾教授の方が福沢先生だったんでしょうね。

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新型インフルエンザ豪州で拡大

2009-06-10 | よしなしごと

日本では一段落した感のある新型インフルエンザですが、オーストラリアでは「パンデミック」寸前まで大流行し始めているようです。

Australia flu 'may tip pandemic'
(08:39 GMT, Wednesday, 10 June 2009 BBC News)

The World Health Organization has said that a sharp increase in swine flu cases in Australia may push it to finally announce a flu pandemic. It would be the first such pandemic announced in four decades. More than 1,200 people have contracted the virus in Australia, a four-fold increase in a week.

1週間で感染者が300人が1200人と4倍になったようです。
特にビクトリア州と州都メルボルンでは1000人以上の感染者がいるとか。

やはり冬場になると猛威をふるうようですね(ビクトリア州は一番南なので寒いというのも影響しているのでしょうか?)
メルボルンは人口400万人弱の大都市とはいえ、日本のように公共交通機関が発達していて通勤ラッシュがすごい、というようなところではないでしょうから、やはり感染力はあなどれないですね。
日本も冬場になるとまたあ大流行するかもしれません。


ところで、ワールドカップ予選のオーストラリア戦はアウェイですが、どの都市で開催されるのでしょうか。サポーター向けの観戦ツアーが企画されると思いますが、今回も現地で宿泊や観光などをしない「弾丸ツアー」で行ってきて、できるだけ日本に持ち込まないようにしていただければと。

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休眠宗教法人ビジネス

2009-06-10 | あきなひ

ラブホ休憩料を「お布施」に 宗教法人14億円所得隠し
(2009年6月9日(火)03:00 朝日新聞) 

長野県など中部地方を中心にラブホテルを経営する宗教法人が関東信越国税局から約14億円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。ホテルの休憩料などの収入は本来、課税対象だが、国税局はこの宗教法人が休憩料の一部を非課税のお布施と偽っていたなどと認定した模様だ。

asahi.comにはホテルの中の写真もあります。 
「受付で宿泊代金を払い、部屋に入った。室内でも「喜捨」を募る張り紙と、お金を入れる朱塗りの小皿が置かれていた」(やっぱり男女のカップルで入ったんでしょうね)とか「朱塗りの小皿には3円が入っていた。ホテルはかなり古かったが、従業員は気さくで親切だった」(それは関係ないだろ)というコメントもついていて、妙にはしゃいでいる感じが伝わって来るのはご愛敬。  


宗教法人といえば、昔話になりますが日産自動車が閉鎖した村山工場跡地を真如苑に売却した2001年頃、当時金を持っているのは外国投資家と宗教法人(ハゲタカとボウズというのは単に偶然の一致でしょう)くらいだということもあってか、怪しげな宗教法人の投資話というのが出回っていた時期がありました。 

そんなとき、どうにも胡散臭い話が勤務先に持ち込まれました。
そういうのは役員の個人的な知り合いみたいなところから持ち込まれるんで処理が面倒なんですよね。
通り一遍の理由をつけて断ってもよかったのですが、宗教法人の所在が久留里線の先の方にあり、ちょうど季節もよかったので、亀山湖にハイキングがてらに「本山」たる朽ち果てたプレハブ小屋と看板を見に行きました。
仏教系でも「総本山」「大本山」「本山」の使い分けは宗派によって違うとか(けっこういい加減なところもあるとか)知ったのもその頃です。
  
今更ながらですが、日産自動車と真如苑は(その是非はさておき)よく取引までたどり着いたものだと思います。  


実際現在でも休眠状態の宗教法人(「不活動宗教法人」などと言われているようです。)が悪用されることは多いようです。

休眠宗教法人の悪用後絶たず 収益事業に優遇税率
(2009年6月9日6時8分 朝日新聞)  

文部科学省によると、宗教法人は06年末現在で18万2868ある。後継者難、信者減少など様々な理由で休眠状態になり、その後、高値で売買される「商品」になるケースがあるようだ。  

関心を集める理由として、信教の自由が保障され、行政の干渉は抑制的▽社会的信用が高い▽税制のメリット――がある。  

オウム真理教事件の影響などで、95年の改正宗教法人法では、法人に財務書類などの提出義務を課し、複数県にまたがる場合は国の所管に移した。近年は休眠法人に合併や解散を求めており、現在その数は5千弱と減少傾向にある。だが、関係者が死亡していたり「放置しても問題ない」と協力が得られなかったりして、休眠法人の整理は簡単ではないという。  

宗教法人法では、休眠状態になった、またはなりそうな宗教法人がまじめに自発的に解散しようとした場合、信者その他の利害関係人に対する意見申述の公告(44条)、任意解散の認証の申請(45条)、清算人の選任(49条)と清算事務(49条の2~50条)とかなり面倒くさく、それならほったらかしにしておけ、ということになってしまいそうです。  

一方で、同法では都道府県知事は不活動宗教法人に解散を命じることができることになっています。(下線筆者)

(解散命令)
第八十一条  裁判所は、宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる。
一  法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。
二  第二条に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと又は一年以上にわたつてその目的のための行為をしないこと。
三  当該宗教法人が第二条第一号に掲げる宗教団体である場合には、礼拝の施設が滅失し、やむを得ない事由がないのにその滅失後二年以上にわたつてその施設を備えないこと。
四  一年以上にわたつて代表役員及びその代務者を欠いていること。
五  第十四条第一項又は第三十九条第一項の規定による認証に関する認証書を交付した日から一年を経過している場合において、当該宗教法人について第十四条第一項第一号又は第三十九条第一項第三号に掲げる要件を欠いていることが判明したこと。  

また、上の記事にもあるように、法25条では「財産目録等の作成、備付け、閲覧及び提出」が義務付けられています(ただ、この義務に違反しても罰金にしかならず、宗教法人としての認証が効力を失うというような効果はありません。)。  

実際、文部科学省(文化庁)も
宗教法人からの書類の写しの提出に関する留意事項について(平成10年3月3日 各都道府県宗教法人事務担当課長宛 文化庁文化部宗務課長通知)で  

当該法人が不活動法人でないかどうかの実態把握に努め、不活動法人であることが判明した場合は、適切な不活動法人対策を講じる。
(提出されるべき書類が適正に提出されていおらず、)不活動法人であると認められる場合には、過料の措置はとらず、適切な不活動法人対策を講じるものとする。

など、不活動宗教法人の整理に努めているようです(通達が「掛け声」や「アリバイ作り」でなければ、ですが。)。  

しかし、

(宗教上の特性及び慣習の尊重)
第八十四条  国及び公共団体の機関は、宗教法人に対する公租公課に関係がある法令を制定し、若しくは改廃し、又はその賦課徴収に関し境内建物、境内地その他の宗教法人の財産の範囲を決定し、若しくは宗教法人について調査をする場合その他宗教法人に関して法令の規定による正当の権限に基く調査、検査その他の行為をする場合においては、宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意しなければならない。

(解釈規定)
第八十五条  この法律のいかなる規定も、文部科学大臣、都道府県知事及び裁判所に対し、宗教団体における信仰、規律、慣習等宗教上の事項についていかなる形においても調停し、若しくは干渉する権限を与え、又は宗教上の役職員の任免その他の進退を勧告し、誘導し、若しくはこれに干渉する権限を与えるものと解釈してはならない。

第八十六条  この法律のいかなる規定も、宗教団体が公共の福祉に反した行為をした場合において他の法令の規定が適用されることを妨げるものと解釈してはならない。

という憲法の信教の自由を前提にした規定があるため、86条があるとはいえ行政も積極的には動きにくいのかもしれません。

宗教法人が脱税に使われる分には税務署のチェックが働きますが、詐欺などを防ぐためには休眠宗教法人を退出させるメカニズムを強化することが必要かもしれませんね。

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言わなかったという事実以上に「大したこと」があるのでは?

2009-06-09 | よしなしごと

台北行き日航機座席で出火 焦げた簡易ライター見つかる
(2009年6月8日(月)10:13 共同通信)  

関西空港を6日午後に離陸し運航中の台北行き日航653便ボーイング767(乗客乗員44人)で客室の座席の一部が燃え、台北空港に緊急着陸していたことが8日、分かった。着陸後に座席を取り外したところ、背もたれとひじ掛けのすき間から焦げた簡易ライターが見つかった。機内は全面禁煙で、出火は異例。日航は「国土交通省には届けたが、けが人もなく大したことではない」として公表しなかった。  

新聞などでは「大したことではない」として公表しなかったことが問題にされているようですが、本件は違法行為の隠蔽でもなく、また注意喚起をしないと同じ原因で重篤な問題を生じる危険があるとも思えないので「公表しない」という判断自体はさほどおかしくはないと思います。

  • メールやブログが普及したためかマスコミにも情報が入りやすい世の中になっている
  • 「重要な事実を公表しない」という企業批判の切り口が流行っている
  • 「重要性」は報道する側の主観で決まる
  • マスコミの「特ダネ」指向

ということが合わさって、「入手した情報が未公表であれば、それだけで手っ取り早くニュースになる」というような状況が出てきているように思います。  

確かに内部通報制度やマスコミ等への外部通報は企業の不正に対して一定の抑止効果はあると思いますが、マスコミが安直なニュース作りに飛びつくことで企業を神経過敏にさせてもあまりいいことはないと思います。
最近適時開示の中に「なんでこんなしょうもないことを」というのが散見されるのも神経過敏の副作用なのではないかと。  


上の事故も、そもそも機内持ち込みができないはずのライターがどうやって持ち込まれたかの方が問題で、事故を中途半端な状態で公表するより、空港の手荷物検査体制や機内清掃の時の確認などに不備がないかをまず確認すべきではないでしょうか。  

その意味では日航のコメントも脇が甘いというか周到さに欠けるのは確かです。
一方、記事も「公表しなかったことを暴いたぞ」で終わってしまい突っ込みが足りないので、まあ、どっちもどっちとは言えます。

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『ひゃくはち』

2009-06-08 | キネマ
これもなかなか出色。

ちょっと前まで大キャンペーン中だった『Rookies』(コミックしか読んでないけど)の対極にある、普通の部活やってる高校生を等身大に描いた作品です。

甲子園の常連校の野球部でレギュラーを目指す2人の高校生が主人公で、その意味では「普通」とは多少違いますが、上のレベルの高校野球の現場って実際にこういう感じなんだろうな、というリアリティがあります。

そして、迷う、調子に乗る、色気づく、嫉妬する、意地になる、大人ぶる、という男子高校生の迷走(暴走?)を主役の二人が好演しています。
他のエキストラも野球のプレイが様になっています(テロップを見ると「協力」として帝京大学野球部が出てましたので、本物の野球部員?)

妙にチャラけたりせず、過剰に熱くなったりもせず、スーパーマンや魔球も登場せず、説教くさくもなく、それだけにかえってストレートに「青春」している映画です。


最後のクライマックスも「やられた」と思いました。



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『クライマーズ・ハイ』

2009-06-07 | キネマ
エール・フランスの事故があったからというわけではなく、前から気になっていたので。

原作者の横山秀夫が上毛新聞の記者の時に遭遇した日航機墜落事故の経験をモチーフにして(参照)地方新聞社の記者の組織や家族との葛藤を描いた映画です。

主人公や脇役が生き生きとして(昭和っぽい顔の役者を集めてます)いて、また墜落現場の状況なども予算の制約があるであろうなかでカット割りや脚本でうまく処理していてリアリティを失っていません。


予告編を見て、日航機事故の取材をめぐって一匹狼の記者が正義感を振り回して頑張っちゃう話(織田裕二が主役をやるような)という印象を受けたのでTsutayaの半額セールまで待っていたのですが、なかなかしっかりした映画で、もう少し早く観ておけばよかったと後悔。
(でも、予告編は僕にとってはいまいちな印象でしたね。なんで堤真一というキャスティングなんだろう、というのも本編を見てはじめて納得した次第)


期待が低かった分評価が高い、というのもあるのでしょうが、DVDを借りてきて観るにはお勧めです。
あえて難を言えば、映画館で観るとすると新聞社での編集の議論のところなどところどころに挿入される手持ちカメラの画像が上手くつながってないのでより唐突感があったかなと。
あと、エピローグはちょっと緩いかな・・・


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『この道は母へとつづく 』

2009-06-06 | キネマ
邦題は昭和風のタイトルですが、ロシアの映画で原題は「ITALIANETZ」、多分「イタリア人」という意味だと思います。

ロシアの孤児院にいるワーニャは孤児院に養子を探しに訪れたイタリア人夫婦に気に入られてイタリアに行くことになったのですが(それで孤児仲間に「イタリア人」とあだ名をつけられる)、ふとしたことから自分の経歴を記したファイルを手に入れて実の母親を探しに孤児院を脱走する・・・という話です。
(その意味ではどちらのタイトルも内容を反映してはいます。)

登場する人物がすべて、いい人も悪い人も人間としての欲望・感情に忠実で、それぞれの背景事情が感情や行動に直接反映して「自分むき出し」のあたりが、ロシア文学っぽいというかドストエフスキー的です。
ハリウッド映画だと善悪がはっきりしてたり結局悪い人はいない風ですし、ヨーロッパだと監督の人間観で一ひねりしているのが多いのですが。


とにかく主人公の子役が上手です。
そして立派にぐれながら妙な自治状態にある孤児院の年長の子供たちや、周りをとりまく(大概がろくでなしの)大人たちも生き生きと描かれています。


そして結末もロシア文学的です。
お涙頂戴でも、斜に構えてもいないだけに胸に響きます。



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トイレの電球

2009-06-05 | よしなしごと

昨日のエントリのばちがあたったわけではないでしょうが、トイレの電球が切れてしまいました。
あいにく交換用のスペアがなく、また暗闇で用をたすわけにもいかないので、別の場所の電球を外して一時しのぎ。


ただ、ホントに替えがなかった場合どうするか、と考えた場合、大も小も座ってするのであれば、手探りで便器の位置さえ分かれば、どうにかできないことはありません。
昨日のアンケート結果によれば4割の人は特に違和感なくできそうです。

ただこの場合問題は、「大」のときの拭き取りです。
これについてもネピアは本職だけあってこんな質問をしています。(参照

Q4.「大」を済ませた後の拭き取りについてお聞きします。
あなたは”最後のひと拭き”をどう決めていますか?

A 完全に拭く
B 次はつかないだろうと思うところまで拭く
C 拭く回数を決めている
D その他

結果はこちら







やはり女性の方が気を使っています。

Cの人はいいのですが、AとBの人は暗闇で確認ができません。

やはり、トイレの照明は最低限必要なんでしょうか?
それとも「完全な拭き取り」は必要最低限ではなく過剰な行為なのでしょうか?
そして、たとえば「匂いを嗅ぐ」というようなコンティンジェンシー・プランは有効でしょうか?


いや、何をくだらないことを長々考えたかというというと、最近の新型インフルエンザの流行で、企業のBCP(Business Continuity Plan 事業継続計画)の再検証が求められたから。
強毒型のH5N1型が流行した場合、業務に最低限必要な要員のみ出勤するなどの対応をとることになると思いますが、この「最低限必要」の線引きとか出社を命じる場合の安全確保など、具体論になると難しい判断になるなあという話が出ています。
(公共交通機関やインフラを扱っている会社は震災対策などが充実していると思いますが、普通の営業会社だと、普段は「俺がいないと」などと言ってる人ほど休んだりするとか、「俺がいないと」という人だけ集まっても機能しないとかいう冗談みたいなことが起きるかもしれません。)


そして僕の仕事自体が便所の電球みたいなもので、「的は外さないように」「完全に拭けたか確認する」ことの手伝いだったりします。
なので、BCP的には、強毒性のインフルエンザがパンデミック状況になり通勤自体のリスクが高まった場合を考えると、仕事はメールと電話でどうにかなるのかなぁ、と。

「トイレットペーパは座って左側の壁にあるよ」とか「まあ、この際完全に拭けたかについてはこだわらなくていいじゃない」とか伝えることはできますから(笑)。

ということで、まあ僕は「最低限必要」な要員ではないから家にいたほうがいいのかな、などと思ったりしています(笑)。


なんかまとまりがありませんが、今日はこの辺で。

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