朝の散歩は山道を通るため 山に自生している山芋がたくさんあります。
多くは高い木にまきつき 葉はきれいに色づいています。
これを見ると 山に住んでいたころを思い出します。
山芋名人のおじさんは 毎年 葉っぱが色づくのを楽しみにしておりました。
まず 場所が掘りやすい傾斜であること 芋の生育状態が良い赤土系の土地であること
とどこでも良いわけではなく 名人にはこだわりがあるのです。
たいていが1人での作業ですので この時期 狩猟の解禁時期と重なるため 鉄砲撃ちに
イノシシと間違われての事故を防ぐため ラジオを持っていくこと。
彼は 若いころより山芋を掘っていたため 当時 高級品の携帯ラジオは買えず
昔は 大声で歌を唄いながら作業をした と言っておりました。
芋の曲がり具合に添い 長時間かけて掘り取られた山芋は 折れないように添え木をして
丁寧にひもをかけ これで作業は完了となります。
たまに「土佐のさと」などで曲がりくねった長い山芋に 丁寧に添え木をしたものが
売られており 数千円とびっくりする値段がついているのは 長時間かかった人件費と思われます。
山芋名人のおじさんは 今年の作業を終えると 木の上の葉っぱを見て
ツルをたどり 根元にポケットに入れてきた麦の種をまきます。
山芋はやがて葉を落とし真冬をむかえ ツルは枯れ落ち 地上からは姿を消し
その年は暮れていきます。
やがて早春のころ 目印の麦は芽吹き まだ周辺が枯色の山の中で そこだけ青々と
みずみずしく育っています。
この目印を見て おじさんはまた山芋を掘ります。
こうして 人と自然の歳時記はすぎていきました。
こんな風物詩のような光景は 今では滅多に見ることができなくなりました。
明け方の東の空に大きく 明けの明星が見られます。
五台山上にかがやく この金星を撮りたく 数日前から撮っておりましたが
トンボが言うには デジカメでは無理とのこと。
明け方の写真ですが 下弦の月と金星が う~ん 望んだ映像の半分も撮れんねぇ。