くりまんじゅうの日記

世間より少し いやだいぶん遅れている
老シーラカンスです。

92歳の人形作家。

2014-05-16 | 日記

プール仲間のSちゃんの母上が 人形を作っていることは 以前聞いておりました。

その母上の作品が お菓子工房へ展示されることになり 人形を出したから見に来ん?
とSちゃんに誘われ 見せてもらいに母上の家を訪ねました。

母上は大正10年生まれ現在92歳で わが父が生きておれば同い年の酉年で プール
仲間の浜田峯子さんより 1歳年長になります。

並んだ人形の数々に いっしょに行った皆から うわすご~い!  と歓声が上がります。



人形はもっと大きいものと想像していましたが 15~20cmほどの身長で 実に細かく
細部に至るまで 道具の1つ1つも 総て手作りです。



人形の命でもある顔は この時点で もう目鼻が描かれており 人形浄瑠璃のかしらが
こんなだったなと思い出します。小道具の三味線も丁寧に作られ 出番を待っていました。



聞けば母上は なんと 74歳で人形作りを習いに 高知市の先生の門戸をたたき
自ら運転し数年通ったそうで 92歳の現在でも車を運転されます。

3日で一体仕上げるそうで その早さにも驚きましたが 人形のかしらや着る着物
小物類・かんざしなど 前準備が出来てないと とてもそんな日数で仕上がるとは
思えず 根気と忍耐が必要な手仕事です。

夜人形を作っていて 気がついたら午前3時になっちょります と明るく笑いますが
ものすごい集中力にもたまげます。
                       
歌舞伎がお好きで娘のSちゃんと東京や京都まで観に行くらしく 92歳の人形作家は
日本の伝統芸能から 動きや仕草の形を参考にするらしいです。

人形作家とは 私が勝手にそう呼んでいるだけで 売るための人形ではなく 自分の
楽しみに作っているそうです。



人形作りに使う 布のタンスがありましたが これは ほんの一部とのこと。

これは髪を結う人 結われる人で 江戸時代の髪結屋の風景でしょうか
花魁人形も華やかで かんざしの1つ1つが じつに丁寧です。



日本人形を見ていると そのむかし 姿が美しく日本人形そのものであった
三浦布美子さんが思い出されます。

スラリとした日本人形ばかりでなく 私の好きなお福人形は 実に愛嬌たっぷりで
ころりと太ったお嫁さんも これまた かわいいです。



日本人形だけでなく西洋人形も作っておられ キューピーの洋服は 細かく編んでありました。



いったいいくつあるのか 分からん程の数は 棚の上もケースの中もいっぱいです。



写真がよくないですが人形作家は字もお上手で  『八十路すぎ 毎日が 夢一杯』  と書かれていました。 

74歳で始めた人形作りをコツコツと毎日 92歳の今でも続けるとは 根気と忍耐に欠ける
自分には 大きな教えとなりました。

色白できめ細やかな肌の持ち主は とても92歳とは思えぬ若さで 海老蔵のblogを見て
東京の歌舞伎見物のついでに 海老蔵お気に入りの 代官山のTSUTAYAへも寄ったそうです。

そして大阪生まれの彼女は 小さいときから宝塚ファンで 宝塚100周年記念公演を観るため
近々1人でツアーに乗り 宝塚見物に行くと キラキラ輝くひとみで語ります。

70歳を過ぎて始めても やめんと続けたら いつかはものになる と努力を惜しむ見学者は
勇気と希望をもらって 92歳の人形作家にみおくられ 家路につきました。
                                                                                                                       
                                        

コメント (30)
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