原書で読む世界は、赤毛のアン第4巻を読みおえた後、学生の頃読んだシャーロックホームズを読むことにした。
梅田の紀伊国屋書店の原書コーナーへ行くと、シャーロックホームズの原書が2巻販売されていた。1巻が1000ページもある分厚い本だ。これが何と736円と安い。赤毛のアン第1巻が300ページで740円だったことと比べると、いかに安いかがわかる。本の値段も実にいい加減なものである。
値段が安いので気分を良くして、有名な”A Study of Scarlet”「緋色の研究」から読み始めて驚いた。コナン・ドイルが1886年に著した最初の作品なのだが、思った以上に難しい語彙が多く、赤毛のアンのようにはいかないのだ。読みが進まないこと、はなはだしい。読み終わるのに、かれこれ2ヶ月かかった。後の方になってやっと、そういえば読んだことあるかな、と思い出してきた。犯人の御者が逮捕されるところである。しかし、改めて読んでみると、筋の展開にかなり無理がある、特定の宗教(モルモン教)を批判している、「緋色の研究」という表題の意味が分からない、などの問題点がある。
明治維新の頃の作品なので、語彙の難しさや筋の展開などはやむをえないか。
続いて2作目の”The Sign of Four”を読み始めたが、これもなかなか難解であり、スピードが乗ってこないのは、同じだ。