今朝は更に冷え込んだ。外気温は1度だ。室温15度、湿度38%。薄い毛糸のセーターを着る。外に出てみると、今日もいい天気だ。道の草草には薄く霜が降りている。
部屋に戻り、先ずはコーヒーを淹れ、パトリック・ガロアの「Famous works for flute」のNO3を流す。押し麦ごはんと久しぶりに具沢山の朝食をゆっくり食べる。
天気予報を見ると、明日・明後日は天気が崩れるという。それなら、今日は、紅葉で有名な「白駒池」へ行こう。Kガーデンさんをお誘いして、9時30分過ぎに出発した。弁当を購入しようと途中のコンビニに入ったら、ほとんど売り切れてしまっていたが、わずかに残っている弁当があったのでほっとする。
R141からメルヘン街道に左折し、どんどん上がっていく。往きは、「八千穂高原」ルートを取ることにする。「八千穂高原」の白樺林は圧巻だが、先を急ぐことにする。途中、小海リエックスからの道と合流するところにあるレストハウス「ふるさと」で小休止。遠くに浅間山連山が見える。全天、真っ青な空で、実に清々しい。
11時頃、標高2115メートルの白駒池駐車場に到着。驚いたことに、本駐車場は満車、向かいの駐車場もほとんど満車だったが、幸運なことに、私たちが入ったとき1台の車が出てきたのでその後に入ることができた。樹齢100年を超えた、ツガ、トウヒ、シラビソの原生林の下にびっしりとさまざまな苔が生えている姿は、幻想的だ。
池まで来ると、周りは、カメラパースンで一杯だ。白駒池は標高2000メートル以上の池では日本で最大の池である。それを左回りに周遊することにする。白駒荘の前から、池の縁のドウダンツツジの紅葉を望む。
その先へ行くと、人が急に少なくなってきた。白駒荘の反対側に適当な吾妻屋があったので、そこで昼食を摂った。日陰で食べていると、身体が直ぐに冷えてきた。しばらく行くと青苔荘に着いた。ここのボート乗り場も撮影ポイントになっている。池の水面に紅葉が映って美しい。
「紅葉最盛期は、連休の頃かな」と隣の方に言うと、「連休に来ると車の大渋滞で大変なことになりますよ」とのことだ。
帰りは、小海リエックス周りの道を取る。リエックス入口の白樺と桜の紅葉が美しい。
3時過ぎに、アダージョの森に帰りついた。今日は、忙しい日だ。直ぐに服を着替えて、4時からの小渕沢のリゾナーレ音楽祭に向かう。丁度観客が集まり始めていたので、いい場所を選ぶことができた。
プログラムは、3ステージある。まず、4時からは、J.S.バッハシリーズ。「トリオソナタBWV1037」「ヴィオラ・ダ・ガンバ ソナタBWV1027」「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタBWV1017」。愛知県立大学名誉教授の服部芳子のヴァイオリン演奏はさすがだが、少し疲れたような表情と物腰がみられた。ステージの演奏は聴かせるだけではなく、見せることも大事なところなのだが。
休憩後の「ブランデンブルグ協奏曲 第5番 BWV1050」は、楽しく聴きごたえがあった。注目は、フルートの小山祐幾。2004年の高校生の時に全日本音コンで第1位、2005年には神戸国際フルートコンテストで日本人としては初めて第1位となった。慶応の理工学部を卒業した後、現在ヨーロッパで修行中だ。ややかがみこみ、次にすっと上体をあげて、演奏する独特のスタイル。低音の響き、高音の煌めきは若々しく、さすがだ。
第1ステージが終わった後、ペンション「アルビオン」ご夫婦と、R20沿いの「国界」にラーメンを食べに行く。この店看板メニュー、チャーシュー麵を注文する。それと4人でチャーハン1人前を食べよう。口に入れるととろけるチャーシューの味は絶妙、醤油のスープのコクがあって旨い。
それにチャーハン、一見すると、焦げたのかと見まがうが、よく見ると、こまごまになったチャーシューだった。これがチャーハンの味をびっくりするほど美味しくなるように仕立てている。食後、今日行った白駒池の話などをする。
アルビオンさんと一緒にリゾナーレに戻り、book cafeに入った。
第2ステージは、ショーソン「詩曲 OP25」、ラヴェル「マダガスカル先住民の歌」、フランク「ピアノ五重奏へ短調」、フランス音楽を楽しんだ。最後の五重奏は力の入った演奏だった。
第3ステージは、ホテルのロビーに移動し10時から「ナイトサロン」だ。”ワインの響き”というテーマで田辺秀樹さんが出演した。レハールのメリーウィドウの軽快で華麗な演奏から始まった。ワンコインの赤ワインをちびちび飲りながら演奏を聴く。今日出演した演奏家が普段着で気楽に演奏をしてくれるプログラム。楽しい演奏が、いつ終わるのかと不安にさせるほど続くではないか。
結局終わったのは11時半を回っていた。その後、「アルビオン」さん宅に「塩麹」をいただきに行く。こんな遅くなのに、まだ起きていて私たちが来るのを待っていてくれた、感謝感謝。アダージョの森に帰りついたのは、12時半を回っていた。これで、3日分ぐらいにはなるハードな一日が終わった。