汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 最果て

2009年12月18日 | 初期中期の詩
眼も眩むような幻を見た
吹雪の夜に漂う泣き声は
私の朦朧とした心の痛点を擽る
楠に刻み込まれた過去の因縁
弄られる程に厭らしい悲鳴は
雪の愛撫する頬に紅一点と爽やかな涙を滴らせる
闇雲が与えた屈辱
己が息詰まる想いで登りつめた幸福
何もかもが憂鬱だった
何もかもが孤独に見えた
慇懃に勤めあげた過去の至福に
魔物は息を詰まる程の快楽を味わうのだ
露骨な精神論の蔓延る世界の一端で
いつものように行倒れていく人々の残骸に眼を光らせて
フクロウはその倒錯した瞳を凝らしては
通りがかりの旅人を容赦なく道連れにしていく
そして、暗い道のりの中で泣いている
あなたのような華奢な身体を見つめている

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擽る→くすぐる
楠→くすのき
慇懃→いんぎん
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