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汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 酔いどれ

2010年01月23日 | 初期中期の詩
明かりを灯せば、冷ややかな動脈の鼓動が、
まるで何かに襲われようとしている子羊のように、震えている。
汗腺からは、おびただしい量の汗が吹き出し、
この夜の途が、何か異様な雰囲気に包まれた、
異質な物語を語る事を暗示しているようだった。
紅の花は、私の心の一番臆病な部位を優しく愛撫する。
膨れ上がって行く恐怖にも似た厳かな感情は、
たまに見え隠れする、妖艶な姿の悪魔の存在を、
その鋭く喉元を切っ裂くのにふさわしいナイフを忍ばせて、
憎悪にも似た、哀しみを引連れた扇動の兆しを醸し出すのである。
私は、今も惑いを隠す事は出来ないでいる。
洗礼された刻印を引連れて、鎖に繋がれた番犬のように、
途方に立ち尽くした私の未来は、一体どこで光を放っているのだろうか。
臆病にも誓いを立てる蝋燭の焔、羨望などとうに忘れ去られた
名画の孤独のように、私は、今もあなたの存在が現れるのを待っている。
何が私の心を狂わせるのだろうか。何が私の魂を凌駕するのだろうか。
哀惜に囚われた共は、容赦のない罵声を浴びさせられ、
その怖気づいた黒色の瞳を、私はナイフで丹念に抉りだすのだ。
軽はずみな言動には、気をつけた方がいい。
悪魔は何処で、お前をつけ狙っているのか分からない。
峻別を越えた憤りに隠された真実。
滞りを見せた敬虔な眼差しを持った少女の哀愁。
孤独が人を狂わせる。燦然と輝くのは果たして太陽なのだろうか。
掌をすり抜けていく悲しみ。砂のようにこぼれ落ちていく憂鬱。
サソリが額の上で踊れば、快楽を越えた愉悦の泥酔が待っている。
綻ぶ糸に染み渡って行く真実。
ほとぼりが冷めた後の、忽然とした絶望の嗜み。

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峻別→しゅんべつ
敬虔→けいけん
燦然→さんぜん
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