汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 イデア

2010年01月28日 | 初期中期の詩

 「イデア」

切り裂く様な痛みが全身を走り抜け
血が溢れ出る身体を見つめては
虚しい歓びが蛆虫のように全身を這いまわる

くだらない宿命に振り回され
遠のいていく意識の波間に浮かんでいるのは
いつしか訪れる事を切望する
本来の自分としての美しいイデアの形

情緒は朽ち果てていく楼閣のように
哀願する眼差しは途方もない理屈を追い求めて
波打ち際で泣いている少女の肩を抱きながら
涙に暮れるあなたの横顔をいつまでも見つめていたい

古が生んだ哀しみの連鎖は
慈しみさえ忘却に果てさせ
徒労に走る清純な青年を眺めて思うのは
混濁していく液体の狂気にも似た
己の邪悪な蟠りの臭気
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