汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 罪

2010年01月10日 | 初期中期の詩
寒さに凍えるあなたの頬を愛撫し
ささくれた愛情に揺らめく灯に照らされては
愛が深まる一瞬に、湿潤した欲望の戦慄が走り抜ける
闇雲に快楽へと身を投じる滑稽さ
矛盾に満ちた愛欲の嵐に引き裂かれる無情な響き

その深く傷付いた透き通るあなたの掌に
寒さが辛辣に、その根を下ろすのなら
露骨な静寂の中で漂う二人の寂寞に
寛大な眼差しを求めて彷徨うあなたの眼差しは
いつになく浅はかな美しさに満ちていて
それは、月光に照らされた花の香りのように
妖艶と艶やかな涙に暮れて
私達は、これからも幻の中に暮れ惑うのだろう

身体に振掛けられた悲しみは
更なる陰鬱な陶酔の中で木霊し続ける

時間は何時になく、豊潤とした脈を打ち続け
まどろみを含んだ靄に包まれた二人の瞳は
打ち付けられたように、動かせないまま
あなたの潤んだ瞳に束縛され
そして、紅に染まった唇の
蕩けそうな香辛料の香りに誘惑され
二人は甘い口づけの憂鬱に苛まれる

淫蕩に耽った哀歌の律動は
夜の闇へと二人の存在を包み隠し
快楽の饗宴は、流れる欲望に揉まれながら
夢幻の宵は今夜も更けていくのだろう
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みやすけの詩 孤独の夜

2010年01月09日 | 初期中期の詩
凍える両の手で、塞ぎ込んだ
あなたの心を包み込めば
闇に染み込んでいく哀歌の囁き
支配が生んだ孤独な聖夜のまどろみ
空けた表情のあなたの瞳には
欲望に満ちた可憐な花の幻影が映っている
静寂に木霊し続ける快楽の余韻は
あなたとの体温の交わいに幽かな希望を見出して
揺れ動く動揺した心の葛藤に苛まれている
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みやすけの詩 滑稽な紙芝居

2010年01月08日 | 初期中期の詩

 「滑稽な芝居」

追憶の激しい嗚咽に咽びながら
崖をよじ登る事に懸命な老人に
鞭打つ雨は、心成しか在り来りな
紙芝居に思えて、幾ばくか、滑稽な
寸劇にも見えてくる

芳醇なワインを飲むような
喉に通る哀しい愛染に浸された欲望に
艶めかしい戦慄に震えながら
あなたの身体を貪り食う蛆虫は
怒涛の世界の流動にその邪悪な身体を
腐らしている

あらぬ欲望に振り回されながら
光の確かな輝きを見つめて
泡はまた湖面に浮かび上がるのだろう


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愛染→あいぜん
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みやすけの詩 曲解

2010年01月07日 | 初期中期の詩
淵をさ迷う事を余儀なくされ
屈辱の扇動の煽りが炎のように
揺らめきながら
眼に染みる煙灰に滴り落ちる涙に
更に痛めつける民衆の怨恨の力が
火炎に燃え盛る命の律動に轟いている

曲解に走る楕円曲線の艶美さに
数値に置き換えられた人々の悲しみ
愛らしい赤子の瞳の憐憫の趣は
いつの未来の嘆息に暮れているのだろうか

沸き立つように恥辱の流れは
身体中を弄る快楽の虚像に揺られて
人々の心の内をきつく縛りあげる

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憐憫→れんびん
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みやすけの詩 刻印

2010年01月05日 | 初期中期の詩

 「刻印」

心の空隙を愛撫する冬の寒さ
冷淡にあしらわれる屈辱に耐え忍んで
交わされる杯、そして、見事に散って行った
華やかな日常の温情

無骨な人民共は華やぐ香りに身体を弄られ
そのまどろんだ破廉恥な表情に塗りたくられる
覚束ない真実に身を任せた虚栄心に踊る

恐怖は間近に迫り来る隷属の刻印に
手足を捥がれた哀れな修道者を
地獄の炎をで焼き尽くすだろう

妖艶さが欠如した賭場の羞恥は
この世界を席巻する愚民共を
更なる悦楽の嵐へと巻き込むだろう

更なる光を追い求めては
邁進していく聖者の行進もただ空しく
綻びを見せる糸屑のような哀しみに耽り
世の計らいを見尽した仙人に滴る涙の数を
今でも数えている

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捥がれた→もがれた
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みやすけの詩 真実

2010年01月04日 | 初期中期の詩
屈強な思い入れに温存する生気の潮流
苛まれた温情は、何処とない心情の揺らぎに
揺らめいていて、劣悪な純情の兆しが
この世に蔓延る露骨な声望の混濁に
色めいている

訪れる先の混沌など
覗いても窺い知れない真実のように
闇雲に露散していく滴が何か虚しく
この身体を痛め付ける

この上ない幸福の要とは
顕著に現れた精進の幻影に振り回される
振子のように、鏡に映された非対称な実像
を認識することから始まる

顕在している慣わしの存続に
唐突な変容の兆しが現れて
天に吹き荒れる砂塵に塗れた虚像
浸透していく敬虔な宗派の律動
そして、その全てを混合していく
道化の舞を待ち侘びている人民共
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みやすけの詩 臆病な奴隷

2010年01月03日 | 初期中期の詩
幻想に暮れた冬の世界の中で
蒼然と彷徨う風の孤高の調べ

精神の波間にたゆたい
露骨な恥辱に頬を赤らめたあなた

手を結び、惑う身体の行く先を探りながら
取り澄ました表情に
あなたは魅惑の接吻の手解きをする 
甘く消えていく豊潤
枯れる事を恐れる臆病な私の動揺

甘美に蕩けて行くあなたの唇に酔い痴れ
葛藤する程に湿潤していく情欲の源は
晴やかな賛美歌が暗黒に轟く様に
混沌とした羨望と共に、あなたの瀟洒な瞳に溢れ出す

凄然となる欲望
凌駕される愉悦の抑揚
意識を失う程に耽り込んだ私の脳髄は
もはや返る事のない現の幻影を
ひたすら追い掛けていた

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瀟洒→しょうしゃ
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みやすけの詩 花の都

2010年01月02日 | 初期中期の詩
冷たい風に煽られて
揺り動かされる心情に
氷のように冷たい頬に触れる哀しみ
虚け揺れるオルゴールの旋律が
いつか落としてしまった時間の小片の
陰影を映し出し、老い耄れた小悪な眼差しが
蕩けて行きそうな追憶の日向に眠る小動物を
暖かな掌で愛撫するように
優しく辺境の土地へと連れ立って逝ってしまう

喜び空しく朽ち果てる欲望が
この上ない浄土に通じる途に転がっていて
苦しみに囲い込まれた災厄に身体中を抓まれて
在りし日の幻想に夢の祭壇は
花を咲かせ、取り憑いた幻に更なる意味を付足す
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みやすけの詩 嘆願する人

2010年01月01日 | 初期中期の詩
荒れ狂う渚に取り残されて
憂鬱に沈み込んだ憤懣の裂傷に
絶えず冷ややかな膿をのさばり喰う蛆虫

劣悪さが滲み出した寂寞
労力を屈して塞ぎ込んだ悲しみ
絶え間ない鼓動に揺れる一握の希望と
掌握し合った自惚れの気持ちが
煩悶した劣情に苛まれた情緒を
咎められた憂愁に絡め捕られて
もがけばもがく程に、燦然たる悦楽の悦びが
鬱屈とした茜空に漂う過去の因縁に揺られながら
あなたの歓ぶ顔が見たくて
犯した罪の凄惨な快楽に耽りながら
灯火に揺れているあなたの姿を見つめている
時は無常に流れていくから

いつかきっと、あなたの笑顔を見てみたいから

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憤懣→ふんまん
燦然→さんぜん
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