静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

マラソン練習

2017年01月24日 14時14分03秒 | 学園紹介

さすがに焼津も寒くなりました。
が、学園生は寒さに負けず!体力づくりでマラソン練習しています。
学園の時間割にはクラブ活動の時間があります。
中学、高校のクラブとは違って生徒の親睦と、体力づくりを兼ねてスポーツをします。
ソフトボール、サッカー、雨が降ればドッチボールなどです。
そして、この時期はマラソン。
みんな、一生懸命走っています。

【体力づくり】
学園では、シーズン別に体力アップのプログラムがあります。
カッター訓練、水泳などです。
なかでもカッターは、自分のペースで漕ぐことができないので一番大変かも。
学園の宿泊棟の4階にはトレーニングルームがあります。
自分でダンベルなどを持ち込んで、毎日、誰かがトレーニングしています。

 園長のつぶやき
学園に来る生徒の多くは頭を使うより、体を使う方が得意な人です。
だいたい、漁師を目指す人はそうねんでしょうね。
体力は重要です。体も大きい方が有利です。
しかし、漁師が体力だけで通用したのは過去の話。
遠洋漁業では、体力自慢の外国人船員がいます。
沿岸漁業も、今は魚を獲るより売る方が難しい時代。
知恵を絞って、魚を売らなくてはいけません。
全員でなくても、漁師のなかにブレーンが必要です。
学園生から、そんな人が出てきて欲しいものです。

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びん玉網込み

2017年01月23日 13時09分37秒 | 実習

乗船実習のカツオ釣りをYouTubeに追加アップしました。
ぜひ、ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=esPwYgeCKyc
いつも、背後からの映像ですが、今回は横からの撮影。
これは、珍しい映像だと思いますよ。

実習船やいづに乗船しているとき、水産高校の専攻科生とびん玉網の作り方を教わりました。
せっかくなので、本物のびん玉を使って網込みとほどき方を実習しました。

全体を覆うので、玉の固定だけでなく、ガラスを保護する役割もしています。
ガラスなんで、割れますもんね。
まずは、ほどき方から。

そして、編み上げていきます。
底の部分から作ります。

現在は樹脂製のブイが主流なので、びん玉を使う機会も減りました。
簡単な編み方ですが、保護する場合に便利です。
現在でも、びん玉以外の場所で使われています。
ネットで編み方が紹介されています。
https://www.youtube.com/watch?v=V4YpX-N_qiU
https://www.youtube.com/watch?v=PjUzbz6n2VI


【びん玉】
びん玉は、名前のとおりガラス製の浮き(ブイ)です。
ブイは、明治時代まで木製だったようです。
それがガラス製に変わっていきます。
海で使っても腐らないことと、強度があるためでしょう。
私が幼少時代には、港にびん玉がたくさん置かれていました。
今は樹脂製となり、コストダウンと軽量化を果たしました。

 園長のつぶやき
就職先との面接は順調に進んでいます。
定置網に就職する生徒は、一泊二日で体験を兼ねて面接を受けてきました。
さて、面接先の社長さんから
「うちの船員を、学園で1年勉強させたい」
と言うご相談をいただきました。
もちろん、30歳以下で、入学試験を受けていただく必要はありますが学園としては歓迎です。
実際に漁船に乗っていても「現場で仕事を覚えると言っても、基本的な理論を勉強すべき」とのお考えです。
業界は、幹部となれる優秀な人材を求めていることを再確認した次第です。

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深層水施設の見学2

2017年01月20日 13時12分31秒 | 研修・見学

深層水の施設では、キンメダイ以外も見学させてもらいました。

キンメダイと並んで、研究の柱になっているが海藻です。
深層水は海藻が利用する栄養分が豊富なため、表層海水の2倍スピードで生長します。

培養中のサガラメ、ヒジキなどを見せてもらいました。

そして、地下10mにある取水ポンプです。
海面下にポンプを置くことによって、同じ太さの取水管でも多くの取水が可能になります。
地下10mのポンプ室を作るのは大変な工事ですが、この場所は埋め立て地。
まだ海だった場所にコンクリートの箱を運んできて、設置することで地面を掘ることもなく作ることができんたんですよ。

【深層水と生物飼育】
水中では、水深が10m増えると水圧が1気圧増えます。
ですから、深海は数十気圧の環境です。
キンメダイを深層水で飼うと言っても、本来の気圧はありません。
生徒からも「それで大丈夫ですか?」と質問がありました。
大丈夫です。
低い圧力に慣らす必要がありますが、ほとんどの生物がOKです。
しかし、高い水温には適応できません。
ですから、キンメダイも深層水がないと飼うのは大変です。

 園長のつぶやき
やはり、就職先との面接で伺ったお話です。
「海技士の免許持ちは欲しいが、それも良し悪しがある」
と言うこと。
学園生の場合、在学中に海技士の筆記試験しか受けられません。
就職してから3年後に乗船履歴を得て、四級、三級の口述試験を受ける必要があります。
つまり、3年間は免許なしです。
一方、海事教育機関を出てくると、卒業時に海技士免許が取得可能です。
すると「がんばって免許を取ろう」と言った意欲がなく、そのうち辞める人が多いということです。
学園で頑張っても、筆記試験しか受けられないのは残念に思っていましたが、悪い面ばかりではないですね。

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深層水施設の見学1

2017年01月19日 13時53分25秒 | 研修・見学

この数年で、大人気になった魚の筆頭がキンメダイです。
同じ大きさのマダイに対して、3倍くらいの値段がついていることも珍しくありません。
逆に、マダイは人工種苗の放流や、養殖によって価格が安定した魚の筆頭です。
資源が心配されるキンメダイ。静岡県では種苗生産研究に取り組んでいます。

キンメダイと言えば、深海魚。
水産技術研究所の深層水施設では水深約400mと言う、キンメダイの生息水深とほぼ同じ海底から取水を行っています。
キンメダイを飼うのに最適な水です。

今年の生徒で、キンメダイ漁船に就職予定の生徒がいます。
その生徒の希望もあって、深層水施設で飼われているキンメダイを見学させてもらうことにしました。

深層水科の後藤科長が説明してくれました。

最初は「深層水とは、どういうものか?」との説明です。

その後、深層水を使う飼育棟に移動し、実際に冷たい深層水に触ります。
「きれいだから、手がべとつかない」
そうです。

入り口近くに飼われていたのは、大きなマダイ。研究用です。

その奥に、遮光カーテンで囲まれた一角があり、キンメダイを飼育しています。
暗い場所で飼われているため、目で見るのもやっとです。
わずかな光の赤いLED照明で飼育しています。

特別に高感度カメラで写真を撮ってももらいました。
餌のイカとサンマの切り身をしっかり食べていました。

【キンメダイの漁法】
キンメダイの漁法は主に2種類です。
沿岸のキンメダイは、普通に釣り糸をおろして釣りあげます。ただし、釣り糸には複数の針がついています。5~10トンの漁船で日帰り操業で、地キンメ漁とも呼ばれます。
伊豆諸島海域などでは、もっと大きな船で7~10日の操業を行います。地キンメに対して、こちらは沖キンメと呼びます。底建てはえ縄と言って、はえ縄を海底から数m浮かすやり方です。
地キンメは伊東、稲取、下田、南伊豆など伊豆の各地で水揚げされます。
沖キンメは下田港に水揚げされます。
生徒の就職先は、沖キンメを獲る底建てはえ縄漁船になります。

 園長のつぶやき
生徒の就職先との面接で
「乗船履歴を満たしたら海技士資格を取るように」
と言われることがあります。
それだけ、資格を持つ人が少ない現状があるのですが、
もう一方で、
「資格を取って、船長などの役職を担えるようになって欲しい」
と言う期待の表れでもあります。
学園の生徒も、勉強が苦手の人が少なくありません。
しかし、このような期待をされて会社に就職することを理解して欲しいと思います。

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小型船舶操縦士実技講習2日目

2017年01月18日 16時00分50秒 | 実習

二日掛けて行う実技講習の続きです。。
この日も生徒にカメラを渡して撮影を頼みました。

風もなく、穏やかな天気で実習艇も港外まで行ったそうです。

でも、気温は低くくて、最初は顔を覆って始めたようです。

学園の生徒は、船の用語も,係留ロープのやり方も分かっているのでスムーズです。
講習をお願いしている日本船舶職員養成協会の先生方にも
「大変優秀」
とのお言葉をいただきました。

【漁船の大きさによる分類】
漁船登録は漁船法により分類されます。。
・1級船(100トン以上の海水動力漁船)
・2級船(5トン以上100トン未満の海水動力漁船)
・3級船(5トン未満の海水動力漁船)
・4級船(5トン以上の海水無動力漁船)
・5級船(5トン未満の海水無動力漁船)
・6級船(淡水動力漁船)
・7級船(淡水無動力漁船)
そして、漁船登録番号が付けられます。この番号は、漁船の側面などに大きく書かれています。
例えば、実習船やいづも
SO1-1270
と書かれています。前2文字のアルファベットは所属都道府県で静岡県のSOです。

静岡県登録の100トン以上の船であることが番号を見れば分かります。
漁船場合、沿岸漁業の船は多くが20トン未満です。
これは、登録後の検査などの違いあって、20トン未満だと維持経費が節約できるためです。
原付バイクと、車検がある自動二輪車の違いみたいな感じです。
このような理由で、沿岸漁業では小型船舶操縦士の免許があれば、ほとんどの船で操船できます。

 園長のつぶやき
今週は、毎日のように生徒が就職先と面接を行っています。
さすがに、生徒は緊張した顔で臨んでいます。
県内の船主さんの多くは
「漁業経験がないなら、学園で1年、学んできなさい」
と話をされます。
さらに、学園の先生方が適性を考えて就職先を決めているので
ほとんどの面接は問題なく終わります。
しかし、今日は学園としても新規の就職先に面接を行いました。
会社側が我々の生徒をどう評価するのか?
こんな場合は、私としてもちょっと心配です。

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