HOKKAIDO PHOTO FESTA (HPF)は2018年に、自動販売機を撮ったシリーズなどで知られる札幌の写真家大橋英児さんらが始めたものです。最初の年は、森山大道ヴィンテージ写真展など展示企画が多く、また、写真愛好者が自作ファイルを専門家に批評してもらう「ポートフォリオレビュー」もこの年から実施されています。
筆者が札幌に3年ぶりに戻ってきたら、東京の写真批評家やキュレーターによる講 . . . 本文を読む
先週末のことを今ごろ書いているわけですが…。
連休の2日目。
胆振管内白老町で展開されている二つのプロジェクトが最終日を迎えるため、自家用車で出かけることにしました。
ただしこの日は低気圧の接近で荒れ模様になるという天気予報が出ていたため、ほんとのことをいえば、前日の10月9日に出かけて10日に札幌市内をまわりたかったのですが、いくつかの展示が9日限りだったので、この日程にしたのです。 . . . 本文を読む
(承前。「東川の街角」から続く)
「東川賞」の受賞者展というと、7月末の写真フェスティバルで、受賞者や審査員によるパネルディスカッションを聴くのが楽しみなのですが、ここ数年は新型コロナウイルスの感染拡大により行われていないようです。
今年の受賞者は次の通り。
海外作家賞 ハ・ダオ(ベトナム)
国内作家賞 鷹野隆大
新人作家賞 笹岡啓子
特別作家賞 エレナ・トゥタッチコワ
飛彈野数右衛門賞 . . . 本文を読む
デパート広告や美術館など商業写真を手がけるプロでありつつ、クリエイティブな写真も手がける札幌の岡本和行さん。
撮る人による差の出にくい「花の写真」の世界に、全く新しい作品を送り出し、北海道新聞くらし面に写真コラム「花すがた」を長期連載したり、美術館に作品が収蔵されたりしたので、ご存じの方も多いでしょう。
今回は、それとは別のシリーズで、1990年代からひそかに取り組んできたもの。
その名 . . . 本文を読む
戦後日本を代表する写真家(1931〜2020)が、初期の1958年に個展を開いて発表し、2019年に自身の再構成により復刊した「王国」のオリジナルプリント170点を一気に紹介する展覧会。
「王国」の撮影地が、函館近傍の北斗市(当時は上磯町)当別にあるトラピスト修道院と和歌山の女子刑務所であることから、遺族が作品を寄贈し、実現した。
復刊した「王国 Domains」には収録されていない別プリン . . . 本文を読む
主宰の野呂田晋さんが、Facebookにこの展覧会のイベントページ( https://www.facebook.com/events/505074777932684/?post_id=564164785357016&acontext=%7B%22source%22%3A%2229%22%2C%22ref_notif_type%22%3A%22admin_plan_mall_activit . . . 本文を読む
(承前)
シリーズの順番が前後しますが、本日で会期末なので先にアップします。
といっても、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう蔓延防止措置が出たことを受け、町外の鑑賞者は自粛してくださいという呼びかけが出ています。
基本的には、2017年の東京、2018年の札幌・ギャラリー門馬での展覧会(その後、21年には日高管内様似町でも開催)の再構成ですが、会場が広いので点数は増えています。
. . . 本文を読む
(承前)
山崎猛さんは、会場になっている北のアルプ美術館(オホーツク管内斜里町)を開設した方で、昨年5月に亡くなりました。
同館は、山岳をめぐるエッセーや版画などを載せていた雑誌「アルプ」(1959~83)の精神を後世に伝えようと1992年にオープンしましたが、同誌ゆかりの画家・彫刻家の作品、随筆家の自筆原稿、同誌発行の中心的存在だった随筆家串田孫一の復元書斎などが展示の中心です。山崎さんが . . . 本文を読む
毎年2、3月に札幌市資料館を2週間借りて開かれている写真展も、今年でなんと17年目になりました。
ネイチャーでも絶景系でもない、肩の力の抜けたスナップが多いです。
案内状を毎年いただいています。
次の名がクレジットされています。
大友俊治/亜希子/葉澄/綾音・神田心・氏家美里・岡島貴衣・福本昌史
冒頭画像、左側は大友葉澄さんです。水族館で撮影したものでしょうか、キラキラした感じ . . . 本文を読む
(承前)
蜷川実花展の直接の紹介は前項をごらんいただくとして、この写真展を見てちょっと考えたというか思い出したことを記したいと思います。
それは
「時代の最先端」
という感覚です。
恥ずかしながら告白すると、1980年代半ばに東京に住む大学生だった自分は、お金がないなりに「最先端」をチェックしようと努力していました。
ジム・ジャームッシュの映画が新しいと聞けば有楽町の映画館に封切り . . . 本文を読む
高校生以下は無料、肖像権が絡む二つのセクション以外は撮影可という、なんとも太っ腹な写真展。
会場は六つのセクションに分かれ、それぞれの特徴がはっきりしていてメリハリがついた構成で、誰でも楽しめると思います。
(七つ目のセクションとして、3本の映像上映も行われていましたが、筆者は見ていません。3本合わせて25分なので、見てくれば良かった…)
マナーとしてほかの人がうつりこまないように撮ってき . . . 本文を読む
(承前)
非常に高品質なモノクロ(「akan」のみカラー)プリント12点の、道内の風景写真。
どうしてこんなに存在感のあるプリントなのだろうと考えながら、むかしフィルムが主体だった時代に、大判・中判カメラによる写真が、大きく引き延ばしても全体まで粒子が細かくて明瞭なものだったことを思い出しました。
前澤さんによると「ステッチ」という手法を用いているとのこと。
複数の写真(ネガ)を、フ . . . 本文を読む
(承前)
最初に引用したのが、モエレ沼公園のサイト。
次の引用が作者のステートメントで、これは同時に赤々舎から出た写真集にもおなじ文章が印刷されています(言わずもがなかもしれませんが、このステートメントの末尾の「まるで無数の惑星ように。」は文字が脱落していると思います。しかし、写真集も会場のパネルもモエレ沼公園のサイトもこのようになっています)
逆に言うと、写真集にも会場にも、これ以外の . . . 本文を読む
札幌を拠点に海外での活躍もめざましい写真家、吉田肇さんが企画し、札幌市民プラザで開く予定だったグループ展が、新型コロナウイルスの感染拡大で会場が休館してしまったため、インターネット上に場を移して開催中の展覧会。
北海道新聞5月14日夕刊「展覧会」欄によれば、札幌11人、道外2人、国外4組の計17組が参加しているとあるが、筆者の目には18組に見える。
エロカンスは「力強さ」「人に訴える力」とい . . . 本文を読む
(承前)
※新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、3月中は臨時休業とし、4月に再開する予定です
なんだか人を食ったようなタイトルがついているが、日本を代表する写真家のひとりで、北海道のアートファンにもなじみの深い森山大道氏の個展。
「北海道」シリーズなどで、美術館では何度も個展やグループ展が開かれている大道さんだが、一般のギャラリーで、作品の販売も行う個展は非常に珍しく、初めてではないかと . . . 本文を読む