「5月1日の各紙を読む」でふれたニューヨークでの競売だが、ピカソの、いすにすわるドラ・マールと黒猫を描いた1914年の絵はなんと9552万ドルで落札されたという。これは、やはりピカソの「パイプを持つ少年」の1億420万ドルに次ぐ史上2位の記録とか。
ゴッホの「アルルの女・ジヌー夫人」は4034万ドル。マティスの「背中を見せて眠る裸婦」(1927年)は1849万6000ドル(手数料など込み)。
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「近代日本文学の最大の批評家」とされている小林秀雄が、モネやピカソなどを正面から論じた評論であり、新潮文庫でも長く版を重ねているので、名著だろうと思っている人もいるだろう。しかし、この本は、少なくても美術界では、ほとんど相手にされていないふしがある。
筆者が読んできた美術関連の本(といってもたかだか200冊とか300冊だが)や雑誌で、この本に言及したり、引用していたりしたものは皆無といってよい . . . 本文を読む