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原田ミドー「エゾオオカミ」「水の流れ 風の流れ」 2021年12月4日その11

2022年01月19日 07時30分23秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 オホーツク管内美幌町で開かれた「子どものための美幌国際芸術祭」で公開制作され、町内のせせらぎ公園に1998~2000年設置された軟石の彫刻についての記事の4本目。
 

 原田ミドーさんは江別の彫刻家。
 モザイクタイルアートも得意で、札幌の旧千歳線サイクリングロードには、壁面の装飾を手がけたトンネルもあります。

 「エゾオオカミ」は1999年に美幌に滞在し、制作した一対の作。

 遠くから見るとわかりづらいですが、近づくと、オオカミの精悍な表情がはっきりと浮かび上がってきます。
 雄と雌のペアのようです。

 エゾオオカミは、かつて道内に棲息していましたが、明治期に入って開拓の波に急速に追われ、絶滅してしまった動物です。
 北大植物園にはく製がありますが、あまり資料も残っていないようです。


 一方、「水の流れ 風の流れ」は、翌2000年に美幌で手がけたものです。

 当時の北海道新聞(2000年9月6日網走美幌版)によると、高さ2.4メートル、幅2メートル。
「原田さんは「水や風といった見えない有機的なものを形に置き換えた。子どもから大人まで、アーチをくぐり、触ることで、彫刻の世界を感じ取ってもらえれば」と話している。」
と、記事にあります。

 江別市セラミックアートセンターの前にある「風の門」(2001)は、おそらく彼の作品で最も知られている代表作のひとつでしょうが、その前年の作ということになります。
 両者は、フォルムにどこか共通点があるように感じます。

 
 なお、北海道デジタル彫刻美術館には、前者は、作者不詳の「狼 2点」と記されています。
 後者に至っては、全く記載がありません。

 「水の流れ 風の流れ」は、現地に足を運べば、むしろ「犬」「ベンチ」など近くにある他の作品よりもはるかに目につきやすい堂々たる大作です。
 この公園の一角にある7点のうちで、最もすぐに気がつくとしか思えず、北海道デジタル彫刻美術館がこれを黙殺している理由は、見当がつきません。

 1999年秋から2000年春にかけて同会会員が赴いて写真を撮影した後は、だれも追加調査をしていないのかもしれませんが。




□MIDO HARADA http://www.haradamido.com/index.html

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