(承前)
以前も書いたけれど、札幌以外の地方都市でどのような展覧会がひらかれ、どんなギャラリーがあるのかを知るのは、美術館を別にすれば案外むつかしい。
釧路・根室については、北海道新聞の毎週金曜の夕刊釧路版と夕刊根室版に「四季彩」というコーナーがあり、多いときで40もの展覧会日程が載っている。でも、他の地方でこれを見るのは困難だ。
最近出た「くしろアートマップ」に、「釧路画廊」というのが掲載されている。
ネットで検索してもほとんどヒットしない。でも、道立芸術館で編集したマップに載っているくらいだから、ちゃんとしたところなんだろう。そう思って足を運んでみることにした。
市役所にほど近い「三ツ輪ビル」というオフィスビルの3階にある。
札幌で言えば、ギャラリー大通美術館のある大五ビルほど古めかしくないが、札幌経済センターぐらいの「昭和の薫り」漂う建物だ。
釧路画廊自体は、札幌の北3条に以前あった「エルム画廊」や、南3条の「北海道画廊」のような販売主体の画廊に分類できそうだ。
大きく二つのスペースにわかれ、左側には、釧路ゆかりの洋画家増田誠の絵がならび、右側にはいろいろな画家の絵が展示されている。
増田誠(1920-89年)は山梨県の都留市生まれ。
旧制都留中などをへて、終戦後は、一時十勝管内清水町に入植したあと、釧路で看板業を営みながら、上野山清貢に師事。一線美術展の会員として活動した。
57年、パリに渡り、30年余り住んで「サロンドートンヌ」会員として、パリ在住の日本人画家の中心のひとりとして活躍。パリに生きる人々の姿や風景を、詩情豊かに描きだした。
都留には、増田誠美術館があるという。
(以上、ネットで検索した情報から抜粋)
釧路市立美術館や道立帯広美術館でも作品を所蔵しているはず。
釧路画廊にあった増田の作品は
「グルニャンクール蚤の市」
「オンフルール」
「カルト」
「大道芸人」
「キヨスク(キャン・デ・ド・ラ・ビー)」
「ヴィオロン弾き」
「パリ中央市場」
「カルト」
「グルニャンクールの蚤の市」
「パリの屋根」
「紙に油彩(5)」
の10点。
とりわけ「カルト」は、たばこをくゆらせながら緑色のトランプを手に遊ぶ白髪の男の感じがなんともいい。卓上には赤ワインのグラス。そして、カールスバーグのロゴ入り灰皿が置かれ、ゆったりした雰囲気が気持ちよい。
「パリ中央市場」など100号大の作品も多く、見ごたえがあった。
右のスペースには、中央にソファが置かれ、なんと、40代ぐらいの男性が横になって居眠りしていた。
画廊の主人にしては服装がラフだ。
よその人が上がり込んで一寝入りしているのだろうか。
ちょっとビビったが、筆者が絵を見ていても、いっこうに起きあがる気配がない。
この画廊でもうひとつふしぎだったのは、バックヤードに通じるドアがどこにも見あたらないことだ。
どんな画廊にも、事務室に通じるドアがあって、奥ではオーナーが作業をしていたり壁に掛けきれない作品が置いてあったりするものだ。
展示していない絵は、いったいどこに保管しているのだろう?
絵を買いたい人はだれに言えばいいのだろう?
こちらのスペースにあったのは、坂本直行が4点、ほかにカシニョール、原精一、佐々木栄松など、売り絵が中心だった。
(6月26日、画像をさしかえました)
※増田誠の情報のソース
http://www.y-shinpou.co.jp/MUSEUM/masudamakoto.html
http://www.fujisan-net.jp/RENSAI/013_10.htm
以前も書いたけれど、札幌以外の地方都市でどのような展覧会がひらかれ、どんなギャラリーがあるのかを知るのは、美術館を別にすれば案外むつかしい。
釧路・根室については、北海道新聞の毎週金曜の夕刊釧路版と夕刊根室版に「四季彩」というコーナーがあり、多いときで40もの展覧会日程が載っている。でも、他の地方でこれを見るのは困難だ。
最近出た「くしろアートマップ」に、「釧路画廊」というのが掲載されている。
ネットで検索してもほとんどヒットしない。でも、道立芸術館で編集したマップに載っているくらいだから、ちゃんとしたところなんだろう。そう思って足を運んでみることにした。
市役所にほど近い「三ツ輪ビル」というオフィスビルの3階にある。
札幌で言えば、ギャラリー大通美術館のある大五ビルほど古めかしくないが、札幌経済センターぐらいの「昭和の薫り」漂う建物だ。
釧路画廊自体は、札幌の北3条に以前あった「エルム画廊」や、南3条の「北海道画廊」のような販売主体の画廊に分類できそうだ。
大きく二つのスペースにわかれ、左側には、釧路ゆかりの洋画家増田誠の絵がならび、右側にはいろいろな画家の絵が展示されている。
増田誠(1920-89年)は山梨県の都留市生まれ。
旧制都留中などをへて、終戦後は、一時十勝管内清水町に入植したあと、釧路で看板業を営みながら、上野山清貢に師事。一線美術展の会員として活動した。
57年、パリに渡り、30年余り住んで「サロンドートンヌ」会員として、パリ在住の日本人画家の中心のひとりとして活躍。パリに生きる人々の姿や風景を、詩情豊かに描きだした。
都留には、増田誠美術館があるという。
(以上、ネットで検索した情報から抜粋)
釧路市立美術館や道立帯広美術館でも作品を所蔵しているはず。
釧路画廊にあった増田の作品は
「グルニャンクール蚤の市」
「オンフルール」
「カルト」
「大道芸人」
「キヨスク(キャン・デ・ド・ラ・ビー)」
「ヴィオロン弾き」
「パリ中央市場」
「カルト」
「グルニャンクールの蚤の市」
「パリの屋根」
「紙に油彩(5)」
の10点。
とりわけ「カルト」は、たばこをくゆらせながら緑色のトランプを手に遊ぶ白髪の男の感じがなんともいい。卓上には赤ワインのグラス。そして、カールスバーグのロゴ入り灰皿が置かれ、ゆったりした雰囲気が気持ちよい。
「パリ中央市場」など100号大の作品も多く、見ごたえがあった。
右のスペースには、中央にソファが置かれ、なんと、40代ぐらいの男性が横になって居眠りしていた。
画廊の主人にしては服装がラフだ。
よその人が上がり込んで一寝入りしているのだろうか。
ちょっとビビったが、筆者が絵を見ていても、いっこうに起きあがる気配がない。
この画廊でもうひとつふしぎだったのは、バックヤードに通じるドアがどこにも見あたらないことだ。
どんな画廊にも、事務室に通じるドアがあって、奥ではオーナーが作業をしていたり壁に掛けきれない作品が置いてあったりするものだ。
展示していない絵は、いったいどこに保管しているのだろう?
絵を買いたい人はだれに言えばいいのだろう?
こちらのスペースにあったのは、坂本直行が4点、ほかにカシニョール、原精一、佐々木栄松など、売り絵が中心だった。
(6月26日、画像をさしかえました)
※増田誠の情報のソース
http://www.y-shinpou.co.jp/MUSEUM/masudamakoto.html
http://www.fujisan-net.jp/RENSAI/013_10.htm