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■守分美佳展 (2022年3月8~13日、札幌)

2022年03月13日 11時09分16秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌の守分美佳さんの個展が札幌駅北口のギャラリーエッセでひらかれています。

 1995年ごろから毎年欠かさず開いてきた個展を、昨年初めてお休みしました。
 本人はあまりくわしく語りませんが、会場としてきたギャラリーミヤシタのオーナー宮下明子さんが死去したことや、新型コロナウイルスの感染拡大など、さまざまな要因があって、制作から少しはなれた時期があったようです(ギャラリーミヤシタは、近くクローズします)。

 しかし、ふたたび絵筆を執り
「やっぱり自分は描きたいんだなあと思いました」
としみじみ話す守分もりわけさん。
 ミヤシタの1階と2階をあわせたよりもまだ広いギャラリーエッセを借り、これまでほとんど取り組んでこなかった縦長の作品も並べるなど、これまでにない新展開をみせています。

 題がまったくついていないことや、砂をまぜてマチエール(画肌)にくふうを凝らしているのは、従来と同じ。
 支持体はベニヤ板で、冒頭画像の3点がもっとも大きく、縦180センチ、横70センチ。市販の板を少し切り、細長くしています。
 見てのとおり、間隔を離して並んでいる3点ですが絵柄がつながっています。
 これはこの3点だけでなく、横長の大きめの3点、小さな正方形の9点、縦長で少し小さめの4点が、ひとつの壁に展示され、いずれもとなりの画面とつながっているように見えます。
(ほかにサムホールよりも小さいのが7点あり、計26点)

 
 
 
 おもにアクリルガッシュで、クレパスなど多様な画材を併用しています。
 「濃い青緑の絵の具を使いたかった」
と話す守分さんですが、それ以外にもさまざまな色の不定形のかたまりが明滅するようにうかんでいます。かつてのような輪郭線は姿をひそめ、色斑と色班の境目もあいまいになっています。
 横長の中央の作品で、下のほうに明るいピンク色が顔を出しています。
 珍しいな~と思っていたら「はじめて使った」とのこと。

 完成予想図は特になく、即興的に色を重ねていくのが守分さんの手法です。
 描いているうちに、記憶の断片があたまの中に出てくることも多いとのこと。
 しかし、できあがった画面は、現実を反映しない、純粋な美しい世界になっています。

 「好きなことをやればいいんだな」
ということをあらためて感じたという守分さんの表情は、晴れ晴れとしているようでした。


2022年3月8日(火)~13日(日)午前11時~午後7時(最終日~5時)
ギャラリーエッセ(札幌市北区北9西3 ル・ノール北9条 esse.co.jp/gallery/ )


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【告知】守分美佳展 (2012年)
守分美佳展(2009年)
守分美佳展(2008年)
守分美佳展(2007年)
守分美佳展(2003年)



・地下鉄南北線「北12条駅」から約400メートル、徒歩5分
・同「さっぽろ駅」から約610メートル、徒歩8分

・JR札幌駅北口の出口から約340メートル、徒歩5分
・地下鉄東豊線「北13条東駅」から約1キロ、徒歩13分(※混雑が苦手な人向け)

※モスバーガーの北側の並びです


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