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■齋藤利明人形展 <ビスクドール人形> (3月20日まで)

2007年03月19日 05時03分57秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 何の気なしに見ていた人形ですが、作るのがこんなにたいへんだとは知りませんでした。

 齋藤さんは、東京藝大の卒業。いまは札幌市立大の教授で、デザインなどを教えています。ただし、ビスクドールづくりも、授業と関係ないわけではないとのこと。

          

 「ガラクタを集めるのが好きで」
と齋藤さん。背景は、手近の骨董品を利用して自作しています。
 ちなみに、関節球体人形なので、ひじやひざなどは曲げることができます。

          
 これが、人形の各部分です。
 「ビスク」ですから、焼成した磁器でできています。
 それぞれの部分は、石膏型で作ります。
 たとえば、頭部は5つの形を、手は、なんと9つの形を使い、合体させて作ります。
 手は数センチしかありません。しかし、接合部がまったくわからないほど、きれいに仕上がっています。
 土は焼けば収縮します(齋藤さんによると87%ぐらいだそうです)。ちょっとでもそれぞれの大きさがずれたりすれば、スムーズなかたちの頭や手にはならないはずです。細かい手わざに、脱帽です。

 以前は3カ月かかったこともあったそうですが、いまでは、胴体部分を複数つくるなどすれば、1体が2週間ほどで出来上がるとか。
 もちろん、顔(頭部)は、1体1体すべて異なります。
 面長、鼻の高い女性、丸顔の女性など、微妙な個性が表現されています。

 「精巧の美」に、打たれた筆者でした。
 

15日(木)-20日(月)(火) 10:00-18:00(最終日-16:30)
マリヤクラフトギャラリー(中央区北1西3 地図A) 


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