北海道美術ネット別館

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■西郊の杜 作家三人展 小笠原み蔵、植田莫、屋中秋谷 (2016年11月1日~26日、札幌)

2016年11月25日 23時17分33秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 
 札幌市の西区・手稲区に住む70歳前後の創り手3人の展覧会。
 存在感たっぷりのゴリラなどの木彫で知られる小笠原み蔵さん、木の持っている質感を生かした自然な器を作る屋中秋谷しゅうこくさん、天竺木綿に染料を刷毛染めし筆描きを加えるという、友禅と水墨をあわせた技法で味のある絵を描く植田莫さん。
 知り合いどうしということも手伝っているのでしょうが、単に3人の作品を並べただけではない、コラボレーション的な工夫が随所に見られるのが楽しいです。

 冒頭画像、手前は屋中さんの「随想の調べ」「風舞」など。




 それが一番よく現れているのが、会場いちばん奥の、ジャズのコーナー。
 植田さんの「JAZZ」(同題2点)の前に、小笠原さんの「ジャズ №94」「シンガー 赤いドレス」などの木彫が並びます。
 もともと小笠原さんはジャズをテーマにしたグループ展を、仲間に声を掛けて開いたこともあるほど。

 このほか、植田さんと小笠原さんは、「夜更け―」「酒ほろ酔い」など、お酒をテーマにした一角でも、「夢二風」など女を題材にした作品でも、示し合わせたような展示をしています。




 植田さんの真骨頂とも言える「山頭火句抄絵」シリーズ。
 漂泊の俳人を紅葉や夕暮れなど美しい風景の中に配し、句を添えた一連の作品は、「ここではないどこかへ」行きたいとあこがれる現代人の思いを投影させているといえそうです。

「ぬくうて
 あるけば
 椿ぼたぼた」

「雪ふる
 ひとり
 ひとりゆく」

「乞ひあふて
 道がつづいて
 曼珠沙華」

 伊藤整『鳴海仙吉』のなかの「出家遁世の志」を思い出します。

 こちらの木彫は、サリーをまとった女性像など。

 屋中さんの器。
「リバーシブル」という作品が2点あり、裏返しにしても使えます。

 ケヤキ、センなど、材料による色の違いなども楽しめます。


2016年11月1日(火)~26日(土)午前11時~午後6時、日祝休み
ギャラリー北のモンパルナス(札幌市西区二十四軒4の3)


□小笠原み蔵の世界 http://www8.plala.or.jp/grain/

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http://www.ryokusha.com/
□屋中さんのブログ http://syukoku.jugem.jp/

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□植田莫の世界 http://baku.cc/


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第2回作品展 安藤豊と屋中秋谷・植田莫 蛍のひかり・夢あそび/屋中秋谷・厚子+植田莫・洋子作品展 夢の途中・旅の途中…」(2006年)




・地下鉄東西線「琴似駅」5番出口から約390メートル、徒歩5分
・同「二十四軒駅」から約790メートル、徒歩10分
・JR琴似駅から約900メートル、徒歩12分

・ジェイアール北海道バス「山の手1の1」から約890メートル、徒歩10分
(札幌駅バスターミナル、北1西4から、手稲方面行きに乗車。快速、都市間高速バスは通過)

※カフェ北都館ギャラリーから180メートル、徒歩1分


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