きのう2018年9月20日の北海道新聞に、画家の高橋英生さんが自宅兼アトリエとしていた稚内市郊外の「あとりえ華」が、10月21日限りで閉まるという記事が載っていた。
昨年8月に英生さんが亡くなり、妻の孝子さんが
「1人では英生さんの思いを伝えきれない。良い状態のうちに終わりにしたい」
と決断したと、その記事にはあった。札幌に住む90代の母親のもとに戻るとのことだ。
あとりえ華は、英生さん以外にもいろいろな人の展覧会を開き、稚内の文化拠点のひとつだった。冬場以外は喫茶店としても営業していた。
実は筆者は「あとりえ華」に一度も行ったことがない。
北海道内の人ならわかってもらえると思うが、稚内は遠いのだ。
閉店前に行かねばと思い、時刻表を開いた。
これはひどい。
「あとりえ華」は、JR宗谷線「勇知駅」から約3.7キロ、徒歩47分。
筆者はこれぐらいなら、歩く。
ところが、この区間の宗谷線は1日に特急が3本、普通列車は下り3本、上り4本しか走っていない。
朝一番の特急で札幌から稚内方面に向かったとする。
札幌発7時半で、豊富駅着11時59分。
この時点で、その日豊富から勇知を経て稚内に向かう列車3本のうち2本はすでに発車しているので、最終列車の18時58分に乗り継ぐしかない。
勇知には19時21分着。
もちろんこの時点で、あとりえ華はすでに閉まっている。
ちなみに稚内市内や枝幸方面は宗谷バスの路線がいくつもあるが、この付近には路線は走っていない(昔はあったようだ)。
なお、上りは、勇知発が5:44、10:54、18:31、20:38。
次の列車が7時間半後というのもすごい。
18:31発は、帰りの便としては悪くないと思うかもしれないが、すでにこの時間は、最終の特急である宗谷が出た後なので、この列車に乗ったとしても、その日のうちに札幌に戻ることはできないのだ(豊富や天塩中川や名寄や旭川で特急に乗り継ごうとしても、その日はもう特急が1本も無い)。
ちなみに、特急停車駅の豊富や南稚内からあとりえ華までは、いずれも20キロ余りで、さすがに徒歩は現実的ではない。
札幌・稚内間には都市間高速バスもあるが、勇知には止まらないようだ。
つまり、結論としては、旭川かどこかで前泊しないと、札幌からその日のうちに公共交通機関で「あとりえ華」へ行って帰ってくることは不可能なのだ。
JR宗谷線というと幹線のイメージだが、現実には、特急列車はともかく、普通列車は高校生の通学以外の用途がはなから考えられておらず、観光や仕事にはまったく使えない時間設定になっている。
行くとしたら、自家用車で行くか、稚内でレンタカーを借りる以外の選択肢が存在しないのである。
しかし、自家用車で行っても、片道およそ360キロ、9時間近くかかるんだよなあ。
(追記。高速道路がかなり北まで延びているので、もう少し早く着くかもしれないが)
□あとりえ華 http://blog.livedoor.jp/hanadono/
関連記事へのリンク
高橋英生さん死去(画家、稚内)
■高橋英生 水彩画展-自然と生きる- (2015)
高橋英生さんの半生記(北海道新聞「私のなかの歴史」)がおもしろすぎる件について
■高橋英生水彩画展 (2009)
以下、いずれも画像なし
■高橋英生油彩画展(2007年)
■03年の個展
■02年10月の個展
■02年6月の個展(旭川)
■01年の個展
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閉店前に行かねばと思い、時刻表を開いた。
これはひどい。
「あとりえ華」は、JR宗谷線「勇知駅」から約3.7キロ、徒歩47分。
筆者はこれぐらいなら、歩く。
ところが、この区間の宗谷線は1日に特急が3本、普通列車は下り3本、上り4本しか走っていない。
朝一番の特急で札幌から稚内方面に向かったとする。
札幌発7時半で、豊富駅着11時59分。
この時点で、その日豊富から勇知を経て稚内に向かう列車3本のうち2本はすでに発車しているので、最終列車の18時58分に乗り継ぐしかない。
勇知には19時21分着。
もちろんこの時点で、あとりえ華はすでに閉まっている。
ちなみに稚内市内や枝幸方面は宗谷バスの路線がいくつもあるが、この付近には路線は走っていない(昔はあったようだ)。
なお、上りは、勇知発が5:44、10:54、18:31、20:38。
次の列車が7時間半後というのもすごい。
18:31発は、帰りの便としては悪くないと思うかもしれないが、すでにこの時間は、最終の特急である宗谷が出た後なので、この列車に乗ったとしても、その日のうちに札幌に戻ることはできないのだ(豊富や天塩中川や名寄や旭川で特急に乗り継ごうとしても、その日はもう特急が1本も無い)。
ちなみに、特急停車駅の豊富や南稚内からあとりえ華までは、いずれも20キロ余りで、さすがに徒歩は現実的ではない。
札幌・稚内間には都市間高速バスもあるが、勇知には止まらないようだ。
つまり、結論としては、旭川かどこかで前泊しないと、札幌からその日のうちに公共交通機関で「あとりえ華」へ行って帰ってくることは不可能なのだ。
JR宗谷線というと幹線のイメージだが、現実には、特急列車はともかく、普通列車は高校生の通学以外の用途がはなから考えられておらず、観光や仕事にはまったく使えない時間設定になっている。
行くとしたら、自家用車で行くか、稚内でレンタカーを借りる以外の選択肢が存在しないのである。
しかし、自家用車で行っても、片道およそ360キロ、9時間近くかかるんだよなあ。
(追記。高速道路がかなり北まで延びているので、もう少し早く着くかもしれないが)
□あとりえ華 http://blog.livedoor.jp/hanadono/
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