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■繁野三郎水彩画展 (6月28日まで)

2008年06月12日 21時41分34秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 ふだんは、アマチュアの絵画が壁にならんでいることの多い「北都館」ですが、いまは、開店30年を記念して、道内水彩画壇の大御所、繁野三郎さん(1894-1986)の作品展をひらいています。

 先週限りで終わった道立近代美術館の展覧会「北海道の水彩画」で、あらためてその魅力に触れた人も少なくないことでしょう。
 ただし、同展では、出品作はほとんどが風景画でした。
 このことは、繁野三郎の真骨頂が風景画にあることを示していると思います。

 この展覧会は、北都館がもともと所蔵している7点にくわえ、借りてきた絵もふくめ、計12点を展示しています。
 月寒・八紘学園のしょうぶ園や、円山公園など、手慣れた題材の風景画ももちろんありますが、静物画や人物画はあまり見る機会がなく、興味深く拝見しました。 
 ただ、べつに北都館さんの営業を妨害するつもりはないんですが、風景画が安心して見られるのにくらべると、とくに人物を描いた作品は、風景画ほどの冴えが感じられないように思います。
 繁野三郎の絵は、天才のひらめきというよりも、職人芸の要素が濃いと思います。紅葉ならば、この色とこう置いて、筆はこう走らせ…という、長年の活動の間に確立されていった手順が厳然とあり、それは、バラの絵でも、しょうぶ園の絵でも、おなじふうであったのではないでしょうか。
 一方で人物画は、すくなくとも今回展示された絵を見る限りでは、そのような安定した手法が確立していないように見えるのです。

 出品作は次のとおり。
「アトリエのばら」F5 1968年
「編物する娘」F5 1970年
「簾舞のりんご園」P10 1979年
「羊ケ丘の水ばしょう」F8 1979年
「夏の池畔」F8 1981年
「ばら一輪」色紙
「花」F5 1980年
「盤渓(すすきほころぶ頃)」P10 1981年
「しょうぶ園(月寒)」P10 1978年
「アトリエのばら」F5 1981年
「阿寒湖畔」P10
「シャクナゲ」色紙


08年6月9日(月)-28日(土)9:00-22:00、年中無休
カフェ&ケーキ&ギャラリー北都館(西区琴似1の3 地図K)

地下鉄東西線「琴似」駅、徒歩5分
中央バス・ジェイアール北海道バス「西区役所前」から徒歩9分(手稲、桂岡、張碓、小樽方面行きはすべて停車)


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