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■音威子府村「彫刻の館」 アジアプリントアドベンチャー(3)

2008年07月08日 21時28分21秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 村役場の隣、公民館の手前にある建物で、どちらかというと現代美術的なアプローチの国内作家が集まっている。
 ふだんは、室蘭の木彫家・高橋昭五郎さんの作品を展示している。
 べつに高橋さんの作品を期間中排除するのではなく、ちょっと寄せて、藤井忠行さん(旭川)のインスタレーションを配置するスペースをつくったように見受けられる。

 藤井さんは、道立旭川美術館が所蔵する重厚な木彫作品のイメージがあるのだけれど、今回の「The mariks as a Printed act re-」は、荒井善則さんの作品かと一瞬思うほど、異素材を巧みにくみあわせて軽快な立体をつくっている。
 随所に貼られた小さな赤い三角形のシールが全体に統一感をあたえている。

 壁面では、端聡さん(札幌)の「過去は今によって変わり、未来は今によって」が目についた。
 ちょうつがい1個で左右がつながっている、錆びた鉄製の本のオブジェなのだ。
 本のかたちをした現代美術の造形といえば、村岡三郎が1986年に東京画廊で発表した「アイアンブック」のシリーズが忘れられないが、端さんの作品も重厚さが伝わってくる。こないだのCAI02のオープニング展で発表した、漏斗のついた立体も、機知と重みの両立した佳作だった。

 梅田正則さん(帯広)「Absense 不在」は、2002年の「とかちの環境アート」展の出品作を思わせる立体。トルソのうつろな表情は、まさに「不在」という感じが漂う。

 今井宏明さん(東京)「stardust series 5」「stardust series 6」は木の葉をモティーフにしたさわやかなシルクスクリーン作品。
 松居勝敏さん(札幌)の作品を見るのは前回のアジアプリントアドベンチャー以来だが、そのときの作品と似た傾向の「Landscape」「沈黙する風景 夕張」などを出品。「平家物語」の出だしが細かい活字でびっしりと画像に重ねられている。

 上遠野敏さん(札幌)「Wind and seed,12years」は、なにかのプロジェクトの記録写真だと思うが、なにも説明がないのでわからない。
 本格的に発表される機会が楽しみだ。


08年7月1日(火)-15日(日)(火)10:00-17:00
=曜日、訂正しました

□彫刻の館 http://www.vill.otoineppu.hokkaido.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC02000&Cc=7D320215644&DM=&Tp=&IM=





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