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小川研「豊かな実りのために」(北見市富里ダム) 寒い連休(14)

2021年05月20日 09時30分19秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 富里ダムの碑の右手にある、針葉樹に囲まれた土地に、さがしていた彫刻はありました。

 まわりに植えた木が育ち、道路側からは見えにくくなっていたのです。
 しかも、後ろ側の木が倒れて、彫刻の背後に回ることができなくなっていました。



 碑のほうからだと、上の画像のような角度で見えます。

 希望を感じさせる明るい、すっきりした造形といえそうです。

 小川さんは、北見でコンスタントに活動している唯一の彫刻家で、具象も抽象もこなします。





 この地に入植したのは、なんと戦後の昭和21年(1946)なんですね。
 「開拓」というとどうしても明治期を連想しがちですが、この頃になって初めて農地が開かれたところは道内あちこちにあります(神田日勝が入った鹿追の奥もそうですし、知床五湖周辺も…)。

 題字は、1987年から2期8年北見市長を務めた久島正ひさじまただしさんです。

 それにしても、この彫刻のまわりは、手入れがされているのかどうか…。木は倒れ、草がのびています。
 筆者が訪れた時季が、北見地方の行楽シーズンにはまだちょっと早かっただけなのかもしれません。
 キャンパーでにぎわう頃の前には、草が刈られ、倒木などは片付けられるのだと思いたいです。

 ただ、人の手が入らなくなると、野外彫刻といえども、あっという間に自然の中に埋もれていくのでしょう。


 5月1日は、朽ちた彫刻や、撤去された彫刻、ほとんど誰も知らない作品など、いつもとはまったく異なる彫刻巡りの日になってしまいました。
 翌5月2日の旅日記が、次の「寒い連休(15)」から始まります。


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