今回で27回目になる恒例の小品展。
道内で活動している油彩、水彩、版画、金工、立体造形などの作り手が毎年、壁掛け型の小品を出品し、販売もしています。
写真や書の出品は例年ほとんどありません。
もちろん、道内の第一線の作家でここに登場していない人もたくさんいます。
その半面、ほとんどここでしか見る機会のなくなってしまっているベテランがいたり、ふだん団体公募展や個展などで発表しているものとまったく別タイプ作品を出している人もいて、見逃せない機会です。
(ちなみに、夏にも同様の小品展が企画されています)
道展会員の香西富士夫さんが昨年11月8日、83歳で亡くなった旨の記載が、会場にありました。
香西さんは向かい合う2人をデフォルメして描いた絵画をよく描いていました。そこには、軽妙な皮肉と、人間への信頼のようなものが、感じられました。
2019年にも琴似のカフェ北都館ギャラリーで個展を開くなど、晩年まで旺盛に制作されていました。
また「どうしん時事川柳」の常連投稿者という顔もお持ちでした。
ご冥福をお祈りします。
出品作は次の通り。
赤石操 a walk
阿智信美智 世界を巡り、空気を浄化。
阿部典英 トラくんとトラコさん
楽しいコラージュ。
あべみち子 ふわり お気に入りの風と
荒井善則 Soft Landing to Season
安栄容子 スイセン
石垣渉 日昇
水彩画。これぞ氷点下10度以下まで下がる北海道の冬だ! としみじみ画面から寒さが伝わってくる風景。木の柵、空の淡いグラデーションの色調がその感覚を増す。
石田眞理子 宴
泉修次 開運おみくじ
もう、この年末年始展の名物になりましたね。これを引かなきゃ年があかない、みたいな。
冒頭画像の通り、今年は「大吉」でした! いいことあればいいなあ。
糸井崇史 無題
今荘義男 古里
上嶋秀俊 夜明けの音
大澤康 鬼のサンタクロース
太田れいこ 初春
岡惠子 あふれる花籠
甲斐野市子
柿崎煕 曙光
香取正人 枯れた(アジサイ)紫陽花
金子直人 働き者のピアノハンマー
ジャズバーで長年使われていた古いピアノの部品に、ミュージシャンのサインを組み合わせた。
亀井由利 日章
川西勝 春風
川本ヤスヒロ 第九 第3楽章
丸藤真智子 ひとひらの
表面の白い絵の具の層をひっかいて制作した、シンプルな抽象絵画。
北山寛一 歳暮れる
街並みを俯瞰した水彩画。上の方に駅とSLが描かれていて、どこの町なのだろうと、想像に誘う。
木村富秋 若葉の詩
木村さんの絵で、人間の顔がこれほど大きく描かれているのは珍しいのでは。中間色の配置は、あいかわらず絶妙のうまさ。
工藤悦子 華
香西富士夫 朝
後藤和司 冬日
細かい線の集積による抽象画を描いてきた後藤さんにしては、いつになく叙情的な画面。冬の林のような空間に赤い日が差し、北国の空気感が満ちる。
小林大 liar
版画。トラと女がワイングラスを挟んで向かい合う。ミステリアスな感じのする場面は小林さんならでは。
小堀清純 招福
斉藤嗣火 双
坂みち代 じぃじとばぁばへ年賀状
佐久間敏夫 かたくり
櫻井マチ子 セッション
大小のクレーターがいくつもうがかれた不思議な額縁。くぼみの部分は金彩されている。女の顔を描いた絵は意外と小さい。
佐々木けいし 金族
佐藤愛子 なまえはとら
佐藤潤子 新年
波しぶきを連想させるいつもの抽象画ではなく、左側に二つの目玉、右側に6本の虎のしっぽみたいな模様を描いた。まあ、抽象画といえば抽象なのがおもしろい。
佐藤仁敬
佐藤武 孤独な宙
佐藤麗子 初陽
下沢敏也 Re-birth
陶芸。一輪の花のような形態だが、内側には釉薬がほどこされているのか、つややかさとなまめかしさを帯びる。外と内の対比が興味深い。
白鳥洋一 早春
カラーフィールドペインティングといえそうな、縦の色帯の組み合わせをメインとした抽象画。新たな展開か。
末永正子 Season
高野理栄子 Ame
高橋智子 Thanks
武石英孝 龍
田崎謙一 卵
富田知子 消えた光(2021)
内藤克人 京都行きたい!
永井美智子 初日の出
長澤裕子 豊饒の月
中島義博 12月のキモチ
中田やよひ いっぷく
中野邦昭 春を待つ
中吉功 福寿草
南雲久美子 今年も静かなお正月でしょう!
西田陽二 鍵とオイル瓶
珍しい静物画。緻密な写実と、画面全体に漂う高貴な香りは変わらず。これは説明になっていないけど「画格の高さ」としか言いようがない。
野口秀子 カレンダーガール
野崎嘉男 初春を祝う
たこ、トランプ、こま、鏡もちなど、いかにも正月のイメージ写真を36個等間隔に並べたコラージュ作品。野崎さんは1970~80年代の北海道を代表する抽象画家だが、この10年ほどは、さいとうギャラリーの企画展以外で新作を見る機会がほとんどない。
林 亨 心を浮かべて(おもいのもり)
林弘堯 お正月
半透明のアクリル板の奥に、緑に光る細かい紙片などをちりばめたコラージュ。林弘尭さんは北見のアートシーンを半世紀以上にわたってけん引してきた大ベテランだが、作品は若々しい。
林田理栄子 騎馬図
福島靖代 愛しきもの
黒を背景に、手から飛び立とうとする小さなチョウ。
ホンマヒロコ ゆくとしくるとし くるくるどし '22
前川アキ In my life
水高和彦 Composition 22
水戸麻記子 虎ニ翼
宮地明人 大晦日
村本千洲子 昭和のお正月
村本さんも全道展とは全く異なる画風の絵を毎年出してくる。小さな画面に10人もの人がひしめいているが、今年は、左側でひとり働くお母さんばかりが目に入り「ああ、昭和のお正月というのは、男は酒を飲み、子どもは遊びほうけ、女が動き回っていたのだな」と思ってしまった。
毛内康二 土塊
縄文土器のような立体絵画。
毛内やすはる clay structure
山内敦子 お正月
山本洋子 出番ガキマシタ
吉川勝久 高く II
吉田敏子 芽生え
渡辺貞之 占い
渡会純价 朝のリンゴ
渡会さんは北海道を代表するベテラン版画家だが、これは油絵っぽい。
2人ほど作品名をメモし忘れている作家さんがいます。ごめんなさい。
昨年の出品者のうち、内海眞治、中橋るみ子、鳴海伸一、羽山雅愉の4氏の作品がありませんでした。
2021年12月21日(火) ~ 2022年1月9日(日)午前10時30分~午後6時半(1月2日は6時まで、最終日5時まで)
※12月27・29・30・31日、1月1・3日休廊
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)
過去の関連記事へのリンク
■香西富士夫個展(2009、画像なし)
香西富士夫個展 (2003)
【告知】ゆく年くる年 '20 ー '21 展(以下すべて画像なし)
■ゆく年くる年'18ー'19展
■企画展「ゆく年くる年 '17-'18」
■15→16展
■14→15展
■13→14展
■08→09展
■企画展「07→08」
■06→07展
■05→06展
■03→04展
■02→03展
■2001→02展
■00-01展
道内で活動している油彩、水彩、版画、金工、立体造形などの作り手が毎年、壁掛け型の小品を出品し、販売もしています。
写真や書の出品は例年ほとんどありません。
もちろん、道内の第一線の作家でここに登場していない人もたくさんいます。
その半面、ほとんどここでしか見る機会のなくなってしまっているベテランがいたり、ふだん団体公募展や個展などで発表しているものとまったく別タイプ作品を出している人もいて、見逃せない機会です。
(ちなみに、夏にも同様の小品展が企画されています)
道展会員の香西富士夫さんが昨年11月8日、83歳で亡くなった旨の記載が、会場にありました。
香西さんは向かい合う2人をデフォルメして描いた絵画をよく描いていました。そこには、軽妙な皮肉と、人間への信頼のようなものが、感じられました。
2019年にも琴似のカフェ北都館ギャラリーで個展を開くなど、晩年まで旺盛に制作されていました。
また「どうしん時事川柳」の常連投稿者という顔もお持ちでした。
ご冥福をお祈りします。
出品作は次の通り。
赤石操 a walk
阿智信美智 世界を巡り、空気を浄化。
阿部典英 トラくんとトラコさん
楽しいコラージュ。
あべみち子 ふわり お気に入りの風と
荒井善則 Soft Landing to Season
安栄容子 スイセン
石垣渉 日昇
水彩画。これぞ氷点下10度以下まで下がる北海道の冬だ! としみじみ画面から寒さが伝わってくる風景。木の柵、空の淡いグラデーションの色調がその感覚を増す。
石田眞理子 宴
泉修次 開運おみくじ
もう、この年末年始展の名物になりましたね。これを引かなきゃ年があかない、みたいな。
冒頭画像の通り、今年は「大吉」でした! いいことあればいいなあ。
糸井崇史 無題
今荘義男 古里
上嶋秀俊 夜明けの音
大澤康 鬼のサンタクロース
太田れいこ 初春
岡惠子 あふれる花籠
甲斐野市子
柿崎煕 曙光
香取正人 枯れた(アジサイ)紫陽花
金子直人 働き者のピアノハンマー
ジャズバーで長年使われていた古いピアノの部品に、ミュージシャンのサインを組み合わせた。
亀井由利 日章
川西勝 春風
川本ヤスヒロ 第九 第3楽章
丸藤真智子 ひとひらの
表面の白い絵の具の層をひっかいて制作した、シンプルな抽象絵画。
北山寛一 歳暮れる
街並みを俯瞰した水彩画。上の方に駅とSLが描かれていて、どこの町なのだろうと、想像に誘う。
木村富秋 若葉の詩
木村さんの絵で、人間の顔がこれほど大きく描かれているのは珍しいのでは。中間色の配置は、あいかわらず絶妙のうまさ。
工藤悦子 華
香西富士夫 朝
後藤和司 冬日
細かい線の集積による抽象画を描いてきた後藤さんにしては、いつになく叙情的な画面。冬の林のような空間に赤い日が差し、北国の空気感が満ちる。
小林大 liar
版画。トラと女がワイングラスを挟んで向かい合う。ミステリアスな感じのする場面は小林さんならでは。
小堀清純 招福
斉藤嗣火 双
坂みち代 じぃじとばぁばへ年賀状
佐久間敏夫 かたくり
櫻井マチ子 セッション
大小のクレーターがいくつもうがかれた不思議な額縁。くぼみの部分は金彩されている。女の顔を描いた絵は意外と小さい。
佐々木けいし 金族
佐藤愛子 なまえはとら
佐藤潤子 新年
波しぶきを連想させるいつもの抽象画ではなく、左側に二つの目玉、右側に6本の虎のしっぽみたいな模様を描いた。まあ、抽象画といえば抽象なのがおもしろい。
佐藤仁敬
佐藤武 孤独な宙
佐藤麗子 初陽
下沢敏也 Re-birth
陶芸。一輪の花のような形態だが、内側には釉薬がほどこされているのか、つややかさとなまめかしさを帯びる。外と内の対比が興味深い。
白鳥洋一 早春
カラーフィールドペインティングといえそうな、縦の色帯の組み合わせをメインとした抽象画。新たな展開か。
末永正子 Season
高野理栄子 Ame
高橋智子 Thanks
武石英孝 龍
田崎謙一 卵
富田知子 消えた光(2021)
内藤克人 京都行きたい!
永井美智子 初日の出
長澤裕子 豊饒の月
中島義博 12月のキモチ
中田やよひ いっぷく
中野邦昭 春を待つ
中吉功 福寿草
南雲久美子 今年も静かなお正月でしょう!
西田陽二 鍵とオイル瓶
珍しい静物画。緻密な写実と、画面全体に漂う高貴な香りは変わらず。これは説明になっていないけど「画格の高さ」としか言いようがない。
野口秀子 カレンダーガール
野崎嘉男 初春を祝う
たこ、トランプ、こま、鏡もちなど、いかにも正月のイメージ写真を36個等間隔に並べたコラージュ作品。野崎さんは1970~80年代の北海道を代表する抽象画家だが、この10年ほどは、さいとうギャラリーの企画展以外で新作を見る機会がほとんどない。
林 亨 心を浮かべて(おもいのもり)
林弘堯 お正月
半透明のアクリル板の奥に、緑に光る細かい紙片などをちりばめたコラージュ。林弘尭さんは北見のアートシーンを半世紀以上にわたってけん引してきた大ベテランだが、作品は若々しい。
林田理栄子 騎馬図
福島靖代 愛しきもの
黒を背景に、手から飛び立とうとする小さなチョウ。
ホンマヒロコ ゆくとしくるとし くるくるどし '22
前川アキ In my life
水高和彦 Composition 22
水戸麻記子 虎ニ翼
宮地明人 大晦日
村本千洲子 昭和のお正月
村本さんも全道展とは全く異なる画風の絵を毎年出してくる。小さな画面に10人もの人がひしめいているが、今年は、左側でひとり働くお母さんばかりが目に入り「ああ、昭和のお正月というのは、男は酒を飲み、子どもは遊びほうけ、女が動き回っていたのだな」と思ってしまった。
毛内康二 土塊
縄文土器のような立体絵画。
毛内やすはる clay structure
山内敦子 お正月
山本洋子 出番ガキマシタ
吉川勝久 高く II
吉田敏子 芽生え
渡辺貞之 占い
渡会純价 朝のリンゴ
渡会さんは北海道を代表するベテラン版画家だが、これは油絵っぽい。
2人ほど作品名をメモし忘れている作家さんがいます。ごめんなさい。
昨年の出品者のうち、内海眞治、中橋るみ子、鳴海伸一、羽山雅愉の4氏の作品がありませんでした。
2021年12月21日(火) ~ 2022年1月9日(日)午前10時30分~午後6時半(1月2日は6時まで、最終日5時まで)
※12月27・29・30・31日、1月1・3日休廊
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)
過去の関連記事へのリンク
■香西富士夫個展(2009、画像なし)
香西富士夫個展 (2003)
【告知】ゆく年くる年 '20 ー '21 展(以下すべて画像なし)
■ゆく年くる年'18ー'19展
■企画展「ゆく年くる年 '17-'18」
■15→16展
■14→15展
■13→14展
■08→09展
■企画展「07→08」
■06→07展
■05→06展
■03→04展
■02→03展
■2001→02展
■00-01展
https://blog.goo.ne.jp/h-art_2005/e/a69bd2b67c56cb1152241d95b27371d3
14年に間違えて3本引いてしまったときを除くと、大吉を引いたのは2006~07年以来なので、大吉率はそれほど高くないと思っていました。SHさんほど、引きが良くないのかも
わりと、通常の画風と異なる絵を出すことが多いですよね。今年はお正月らしくて楽しかったです。
秋の個展たのしみにしています。
おみくじは私も大吉でした。
大吉率が高すぎるんじゃないかと思って、自分の記録を見ましたが、過去には中吉、吉も結構出ていました。
まあ、凶はあまりないのかもしれません。