回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

シリア政府軍がQusairを奪回

2013年06月05日 17時52分17秒 | 日記

シリア西部の要衝Qusairをヒズボラゲリラの支援を受けたシリア政府軍が昨夜奪回した模様で、反政府軍は敗走を続けている。Qusairを支配する者はシリアの中心部を支配し、中心部を支配する者はシリア全土を支配する、と言われるほどの重要な拠点で、過去1年間、反政府軍の支配下にあったが、あっけなく退却したようだ。今回の戦闘では改めてレバノンから派遣されたヒズボラゲリラの戦闘能力の高さを示すとともに、反政府軍の脆弱さが浮き彫りとなった。すでに死者が8万人を超えたといわれるこの内戦、ロシアからの追加的な武器輸出も相まって、事態はますます混迷して来た。

先般、クリントン前米国務長官がアサド政権の余命はもはや尽きかけている、といったのとは裏腹にアサドはいまだ健在で、かつ、世界政治の縮図がここにある。100万人以上に上る難民に加え、トルコでも政情が不安定になってきてアラブの春の第3章が幕を明けたのかもしれない。その役者はイラン、レバノンそしてイラクシーア派と、中東全域に分布していて、相当にスケール大きなものだ。

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英国貴族院が同性婚を承認へ

2013年06月05日 06時59分05秒 | 日記

2対1以上と言う、予想以上の圧倒的な支持を集めて、英国貴族院が同性婚の合法化を承認した。英国保守党を二分しているこの法律にはしかし、英国国教会をはじめ、軍関係者などからも強硬な反対論が出ている。今回の貴族院の決定は一見意外な感じもあるが、パブリックスクールに見られるように英国上流階級にある根強い同性愛の伝統を考えればさして不思議ではない。このような人々にとって、同性愛者であることを隠したり、かつては同性愛行為を理由に社会的に葬られた事例が幾多もあることから、同性婚(もちろん同性愛行為そのもの)が社会的・政治的に承認されればこんな僥倖はないからである。一方で、爵位に見られるように家名・血統を重んじる英国社会では、同性婚が合法化されても必ずしもフランスや一部の欧州の国のようなことにはならないだろう。このことは、事実婚などが必ずしも一般化せず、また、性表現においても厳格な立場をとる英国は、やはり欧州大陸諸国と一線を画すことになると思われる。

このような動き、日頃、聖書にあるような家族関係(すなわち、男女の結婚を前提とする)の重要性を訴える女王や、さらには、英国中産階級を代表するいわゆる保守派として先般死去したサッチャー元首相であれば泉下で、いったいどのような反応を示すのか、興味のあるところ。

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