ベルルスコーニが破廉恥罪で有罪判決を受けたイタリアで、経済危機および財政危機が間近に迫ってきているようだ。米国FEDの金融緩和政策終了の可能性を受けて世界の証券市場が売り一色になっている中、経済再建が一向に進まないイタリアの国債の値下がりがきつい。イタリア有力銀行(Mediobanka)によれば、半年以内にイタリアはEUからの金融支援が必要になるだろうと予測している。イタリアの債務残高は米国、日本に次ぎ世界第3位にあり、イタリア危機はユーロ圏危機を再度引き起こす。
例年、7-8月の夏期休暇シーズンにかけて、EU首脳を悩ませてきた欧州の金融危機だが、今年も例外にはなりそうもない。イタリアもそうであるが、とくに弱体化した(劣化した)銀行部門の整理が進んでいないことが要因である。この点では銀行の淘汰がある程度進んだ(そのために長期にわたり莫大な代償を払った)日本や、シェールガス革命がいまだ経済に好影響を与えている米国が相対的に好調に見えるかも知れない。今年後半の国際金融市場における台風の目玉は、イタリア国債償還と、迂回融資の不良債権化が顕現してくる中国の2つになりそうだ。