回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

シリア反政府軍への武器供与に対して英国で強い異論

2013年06月17日 08時07分42秒 | 日記

次期英国首相候補にも擬せられているボリス・ジョンソンロンドン市長がキャメロン首相がオバマ大統領に追随してシリア反政府軍に対して武器を供与しようとしていることに公然と正面から強く反対している。ジョンソンの意見は、全面的な停戦と交渉以外にはこの問題は解決せず、武器供与は結局はアル・カイーダに対する武器の供与となって、テロの脅威が増す。さらには、武器供与は一層の英国のこの問題への介入を意味する、というもの。シリア内戦にこれ以上海外から武器が供与されれば戦闘のエスカレート以外あり得ない、と言うのは説得力のある意見だ。

シリア反政府軍による政府軍兵士の虐殺や、内部分裂、更には化学兵器の使用まで、反政府軍の乱脈さは宗教界はじめ英国の各界から非難の声が上がっている。どう贔屓目に見ても、反政府軍が善玉とは言いにくい。また、アサド政権を単純に悪玉、として片づけることもできない。米国が武器供与の理由になったアサドによる化学兵器の使用もどこまでが確かなのか、イラク開戦時の経験からも米国政府の言う事を盲信するほど国際社会は幼稚ではないし、また、事態は単純ではない。

G8で日本はシリア反政府勢力に人道支援を行うことを表明するという事だが、膝元の英国で反政府勢力に対するこれだけの不信が溜まっていることから、人道などというきれいごとだけで済むものではなさそうだ。

米国の武器供与を正面から反対しているロシアプーチン、孤立しかかってきた英国キャメロン、消極的ながら泥沼に足を入れ始めた米国オバマとの間で、安倍がどのような立ち振る舞いをするか、ここは日本安倍の外交能力が問われている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする