今週末の米中首脳会議にミッシェル・オバマが子供の学校を理由に欠席することが発表され、中国側が感情論を爆発させている。中国側としては世襲政治家の習近平よりも美貌で人気の高い軍隊歌手で人民解放軍少将だった彭 麗媛夫人を前面に出すことにより、強面を和らげ米国世論に訴えようとしていただけに不満を隠せないということだ。
しかし、実務的な外交交渉の場で夫人が大きな役割を果たすことはそもそも邪道であり、国家を代表しているのは大統領その人ひとりである。さらに、ミッシェルの欠席を中国側が言いつのればつのるほど、共産党の権力闘争の結果でしかない世襲の中国主席の正統性の欠如が明確になる。もちろん、ミッシェルの欠席をオバマが了解していないはずはない。むしろ、オバマ大統領の意思としてミッシェルの欠席が決まったと考えるのが至極当然である。膨張主義にひた走り、国家によるサイバー攻撃を臆面もなく続ける中国が夫人同伴を外交儀礼などと持ち出すことは茶番、笑止千万以外の何物でもない。