難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

「障害者の権利条約」の普及のために

2007年11月18日 21時57分58秒 | 権利
071117_2128~02Xツリー.JP =?US-ASCII?B?Rw==?=071117_1125~001.jpg国連障害者権利の条約について、これから早期に批准を求めて行くわけだが、この成立の過程や内容について、多くの障害者と市民が学ぶ必要がある。

その学習のための講師学習会が必要だ。
○国際条約って何?
○人権がどうやって守られるの?
○「合理的配慮」って何が合理的なの?
○費用の負担はどうなるの?
○手話と手話通訳はたくさん記述されているが要約筆記、補聴器、読話はどこにも書いてないわ?
○批准すればすぐ解決するの?
○会社の差別もなくなるの?
○他の国はいつから差別がなくなるの?
今日の講義では
・いつから国連で取り組みが始まったか
・障害者はどう関わって来たか
全難聴はどうしたか
・世界ろう運動の成果
・政府の署名と批准
・国際条約と憲法、国内法との関係
・権利条約の二つの文書
・障害者権利条約の構造
・障害者権利条約特徴
 障害者の関与
 障害者の人権
 人権擁護の包括モデルとは
 障害の医学モデルと社会モデル
 合理的配慮とは
 差別とは
 アクセシビリティ
 教育
 労働
・今後の課題


今回はろう者対象だったが、条文は出来るだけ使わないで大枠の理解が得られるように配置して説明してみた。
対象者により編成しなおすことも必要になる。


ラビット 記  



人工内耳植え込み手術5日目

2007年11月18日 08時11分06秒 | 人工内耳
071118_0744~001.jpg071118_0755~001.jpg11月18日(日)
6時半起床
洗面をする。昨夜点滴の針を抜いたのですっきりする。

7時から8時まで、近くの公園に散歩に行く。いちょう祭りが金曜から始まっている。
足がふらつくが講義資料を声を出しながら読みながら歩く。
やはり、「障害」をどうみているかと障害を持つ人が普遍的な権利を持っていることの理解が基礎だろう。

初めて、「人工内耳装用者カード」を携帯した。


ラビット 記




人工内耳植え込み手術4日目

2007年11月17日 12時40分09秒 | 人工内耳
071117_0725~001.jpg071117_0726~001.jpg11月17日(土)
手術して4日目。
朝2時に目が覚める。メールチェックして寝る。
PHSのキーを押す音がするのか分からないが、もしそうだとすると控えなければならない。

朝6時に起床。
洗面するが意外と水の音がうるさい。病室の中なので気を付ける必要がある。

血圧117から68、心拍は77、体温36.3度

当初めまいはしなかったが動きまわるに連れ少し感じる。
平衡感覚を機能させるからだろうか。

8時10分朝食
パンに切り替えた。
9時半に新聞とコーヒーを買いに出ると今日は病院がガランとして人がいない。それで休診なのがわかった。

12時半
少し遅い昼食になる。
魚のフライとシウマイ。揚げ物は初めてだ。骨は取ってある。酢の物はちゃんと酸っぱい味がする。浅蜊の味噌汁は貝のダシがきいている。

ラビット 記




高齢難聴者の法的権利

2007年11月16日 22時43分21秒 | 権利
殺意を持った疑いで取り調べを受けた高齢難聴者が取り調べの内容を理解しないまま起訴されかかったという報道にショックを受けた。

聞こえないままにあいまいに返事をして殺人犯にされかねないということだ。

もしろう者の取り調べなら手話通訳の手配があるかも知れないが、高齢難聴者の場合、書くことや適切な補聴機器の利用まで確保されないとなければならないが、聞こえを確実にしなければならないこと自体、考えられないだろう。


障害者権利条約第12条では「全ての障害者は法的能力を享有する」と法の前の平等がうたわれている
協議の中で「法的能力」とは何かが問われていた。
日本は成年後見人制度で行為能力が制限されているが、障害者側は障害者の自己決定権を尊重した「支援された自己決定」を主張していた。

条約に「支援された」は入ったが実質的にどうするか課題だ。

ラビット 記
・・・・・・・・・・・・
取り調べDVDで検察調書を却下 「自白の任意性に疑い」と大阪地裁
MSN産経ニュース

さらに被告が高齢の上、難聴で著しく理解力が劣っていることを指摘。「質問が早口で、殺意があったように被告を誤導した」として調書の任意性を否定した。
取り調べの録画・録音は東京や大阪など主要な地検で昨年7月から試行されており、東京地裁ではこれまで2件を証拠 ...
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071115/trl0711150126002-n1.htm




人工内耳埋め込む手術3日目(2)

2007年11月16日 20時47分09秒 | 人工内耳
071116_1021~001.jpg071116_1038~001.jpg夕方医師が人工内耳に関わる文書を持って来たのが18時頃だ。


夕食も同じ頃に来た。
鳥の唐揚げ、カホチャの煮物、お澄まし。ご飯は普通の炊き方、チビッと残した。

朝と夜は点滴がある。
夜は19時くらいから一時間。
傷は少しチクチクするが痛み止めは飲まないでいる。


文書を読んでみる。保証書は、装用者用機器として、インプラントは10年間、携帯型スピーチプロセッサおよびヘッドセット(ケーブルを除く)3年間、耳掛け型スピーチプロセッサ3年間とある。
この期間をどうみれば良いのか。

ちなみに病院用機器としてプログラミングシステムと診断システムは1年間だ。

「使用上の注意」には、使用上(安全及び危険防止)の注意事項が記されている。

インプラントの基本的注意事項として「人工内耳の植え込みにあたっては、人工内耳治療に関して、その効果や特に小児における長期安全については十分に明らかでないこと、電極植え込みにより残存聴力が喪失すること」などが記されている。

これらのことは「医家向け」資料の「使用上の注意」に基本的注意事項として、患者本人及び家族、など対して、事前に十分な説明を行い同意を得ることが不可欠とある。
その後に、人工内耳植え込み後は専門の施設及びスタッフの理解と協力のもとに十分な訓練が必要と「義務」が書かれている。

これらは、何度も話を聞いて、自分でも診察の度に質問や気持ちを書いた紙を用意してコピーを渡して確認して来たことだ。
「残存聴力が喪失」というのはショックだが、これは音(空気の振動エネルギー)による感覚がなくなるという意味だ。
厚生労働省が認可した際にこの文書の一字一句も含めて承認されたのだろうが、表現を工夫した方が良いかも知れない。

この文書は一般には公開されていないかも知れない。
医家向けは再利用禁止とあり著作権とは書いてないが念のため、ここまでにする。メーカーの確認が取れたら他の部分を紹介したい。


ラビット 記 
病院から見た風景
病院入り口風景



人工内耳手術後の気持ち

2007年11月16日 18時37分08秒 | 人工内耳
071116_1313~001.jpg071116_0825~001.jpg術後3日目の心境を記しておきたい。

まだ音入れをしていないこともあるが、補聴器で左の耳から音を聞いていた経験があるので、難聴者としてのアイデンティティとしては変わらないと思う。

ろう者グループに国連障害者権利条約の話をするが、それでもろう者と対等の聴覚障害者であるし、聴覚チャンネルが増えるだけという感覚でいる。

まだ残っていた左耳の聴力を「捨て」、人工内耳に変えた難聴者は多くないと思うがひとつのケースとして、当事者の気持ちや聞こえについては公開していく必要があると思う。

聴力を「捨て」というのは心の隅に未練があるのかもしれない。
逆に補聴器よりは良い聞こえの可能性の高い人工内耳を埋め込むというやれることはやったという気持ちはある。それは期待だ。

医師と話をすると人工内耳装用者のアイデンティティはあるという。聞こえるようになった後、何時聞こえなくなるかという不安が生まれるという。

補聴器も電池がなくなったり、聴力が低下して聞こえなくなるかも知れないという不安はあるが、出生直後からの難聴なのでまた聴力の低下も長い間に進行してきたのでそれほどは不安はないかも知れない。


医師によれば右利きの人の言語野は左にあるそうで、こちらが刺激されるとどうなるか自分でも興味深い。
今は聞いたオンと口の動きで、頭の中に言葉を書いて理解しているので、これが聞いたまま頭に入るようになるのだろうか。
医師は乳児からの難聴だったので聞こえの仕組みが固まってしまっているかも知れないという。


医師から「人工内耳装用者カード」と「インプラント登録用紙」をもらった。
音は入っていないがもうCIだ。


ラビット 記



人工内耳埋め込み手術 3日目

2007年11月16日 11時28分29秒 | 人工内耳
071116_1021~001.jpg071116_1036~001.jpg11月16日
三日目の朝を迎えた。
2時に目が覚める。4時までメールする

7時過ぎに地下まで新聞を買いに行く。手術後の初めての遠出になる。
しばらく歩いていないので脚が弱っていて息切れがする。努めて歩かないと。
髭を剃った後寝る。

8時に食事が来たが8時20分に看護師に呼ばれるまで気付かず。

8時25分食事をしていると医師が来室。
治療室で包帯を取る。
写真を撮ってもらう。髪を剃った後が目立つ。


9時30分社会福祉に関するレポートを書き始める。

10時30分病院入り口のスタバに行く。外気が冷たい。すっかり秋だ。毛糸の帽子は暖かい。
外で飲んでいると上からどんぐりが落ちてくる。部屋に戻る。


ラビット 記



人工内耳埋め込み手術 2日目

2007年11月15日 21時19分44秒 | 人工内耳
071115_1137~001.jpg071115_0812~001.jpg11月15日
4時頃、ベッドに寝ている背中が痛くて目が覚める。
ナースコールでベッドを平らにしてもらう。
トイレに行きたいというと尿管が差してあるので駄目と。
痛み止めの座薬を入れてもらった。

6時起床で起こされ血圧を測る。37.1度ある。
酸素マスクを取る。術衣からパジャマに着替える。
ベッドに体を起こしてめまいがしなければ尿管を抜いてくれるという。
めまいはないようなので抜いてもらった。

8時10分朝食が届く。
味噌汁の汁と牛乳を飲んだが、味噌のしょっぱい味が分かる。牛乳も牛乳の味がするので味覚異常はないようだ。

8時25分執刀した医師の回診。
状況を説明する
まだ体を起こしただけだがめまいは感じない。
テレビを見ていても画面が揺れたりはしない。
耳鳴りがする。頭の中をジェット機の響きのようなゴーッという音や左にキーンという耳鳴りがする
と話した。
医師の説明では、電極は1.5回転くらい入り、22極全てが聴神経に反応していることを確認したとのこと。
レントゲン写真を見せてもらう。

9時血圧を測る。体温は36.3度に下がった。

11時サンダルで立ってみる。

11時20分ヨーグルト味の清涼飲料水を飲む。カルピスの味だった。
トイレに歩いていってみた。少し視野の風景が変わるとふらつく感じだ。尿が出る時は痛い。

12時過ぎに昼食が出る。
五分粥に梅干し。クリームシチューだ。
クリームシチューはみな食べた。ちゃんと人参の味だ。梅干しも酸っぱい。

著作権法改正中間まとめに対するパブリックコメントの締め切り日なので、ちょっと長いメールを指一本で打った。
流石に疲れて少し横になる。

その後。家内に体を拭いてもらう。足浴もして気持ちが良い。

夕方テレビで、難聴問題の番組を見る。

18時夕食は全粥、鮭の焼き魚、おひたし。

18時半頃、医師の回診。

20時頃、STの回診舌の先が少し痺れていることを伝える。
手術中にくわえていたパイプのせいだとのこと。

21時消灯。
昨晩よりは体が楽だ。


ラビット 記



人工内耳の埋め込み手術 当日

2007年11月15日 20時34分42秒 | 人工内耳
071115_0840~001.jpg071113_1325~001.jpg11月14日13時
手術室に入る。
麻酔課医と耳鼻科の執刀医が来て気分はどうか聞かれる。流石に、いよいよとと思う。
段々眠くなりますと言われて、まだ眠くならない、あ、眠くなってきましたと言った後は記憶がない。

13時30分から手術が始まり、電極が入れられたのは16時30分から17時の間とのこと。
耳鼻科の大勢の医師が見学していたそうだ。


麻酔から目が覚めるとベッドにいた。何時か分からないが、19時30分に家族が帰ったのは覚えている。
夜医師が来たのも覚えている。手術はとてもうまくいったと聞いて、良かったというより第一関門は終わったというような感じだった。

20時ころ引き出しを動かそうとしてカップが落ちて割れたのでナースコールで片付けてもらう。
カップが割れたとメールしたら、早く寝るようにと返事が来た。


ラビット 記



テレビ朝日で「難聴」問題が放送

2007年11月15日 19時48分39秒 | 生活
071115_1751~001.jpg071115_1736~001.jpgテレビ朝日の「スーパーJチャンネル」で、17時過ぎから
「気づかない“難聴”70代では3人にひとり…耳の“老化”に要注意、脳に原因がある場合も」
が放送された。

9月のNHKに続いて、こうした「難聴問題」の番組が放送されたのは大変良いことだ。
番組では、年齢別に高い周波数の音がどこまで聞こえるか、2000ヘルツ以下のオーケストラや会話がどのように聞こえるかをデモしていた。
放送の特徴を生かした番組だった。
残念なのは字幕放送ではなかったことだ。
字幕放送付きで再放送を求めよう。


巣鴨だと思うが高齢者の聞こえに問題がある人がインタビューに答えていたが、かなり多い。
適切な対応がなされていない社会を何とかしないといけない。


入院している病院にも高齢者が多く、看護師たちの大きな声が聞こえてくる。


ラビット 記



人工内耳を埋め込む手術は終りました

2007年11月15日 05時19分16秒 | 人工内耳
071112_0838~001.jpg2007年11月14日午後1時30分から、人工内耳の埋め込む手術が終りました。

手術台で横になった時ライトの数が7個と4個が1つづつとか数えていました。

麻酔医がマスク越しに話されるので、「マスクで言われていることが分かりません、看護師さんか誰かがもう一度口が分かるように話して下さい」とお願いした。


ラビット 記



ナースコールと字幕放送のテレビ

2007年11月14日 07時29分15秒 | バリアフリー
071114_0713~001.jpg071113_1035~001.jpg今日は手術の日だ。
朝5時から、ワープロを叩いている。週末に障害者の権利条約について初めて講義をする
入院前に仕上げたかったが出来なかった。
世界の障害者運動が総力をあげて成果を注ぎ込んだので、その考えを理解し、整理するだけで大変だ。
多面的な意義を持つ権利条約をどう分かりやすく説明するかに悩んだ。

ここは障害者のあらゆる差別を許さないことを打ち出した人権条約であることを説明しよう。


テレビに字幕が付くのは当たり前だが病院やホテルなどだけは例外だった。

この字幕放送テレビアダプタはもう製造していないが「アイドラゴン」を付ければ見られる。


ラビット 記



今日の人工内耳の説明で

2007年11月13日 21時41分50秒 | 人工内耳
071113_1308~001.jpg071113_1325~001.jpg病室に入ったあと、医師が人工内耳の術前説明に来た。承諾書に署名するためだ。

改めて説明を聞くと初めて分かったこともあった。

人工内耳のアンプ部分全体を頭蓋骨にはめ込むのかと思っていたが、直径18ミリ、厚さ3ミリ位の部分がはまるように削るだけこととか、MRIの検査が必要な時はインプラントから磁石だけ手術で取り出せばMRIは受けられるとか、蝸牛の電極を入れる穴を開けるが中のリンパ液が漏れないように、頭の中の脂肪とフィブリゲン糊で塞ぐと
か余り聞かないことばかりだった。

こうした情報の入手内容や量の差は患者ごとに異なるだろう。
おそらくインターネットを使えない高齢者はかなり情報が制限されるし、説明の際に要約筆記を頼まない場合も多いので聞こえているようで聞こえていない。

私も肝心のことを聞き漏らしている。


ラビット 記



病室のテレビで字幕放送

2007年11月13日 20時11分48秒 | バリアフリー
071110_1504~001.jpg071113_1523~001.jpg今日は入院の日だ。朝10時過ぎに病室に入り、看護師にいろいろ説明を受けていた。

字幕を作る人がいるとか何かの話でテレビの字幕の話になった。

実は、字幕を見るアダプタんを持って来たので手術後にお願いしようかと思っていたというとどうぞどうぞという。

早速、設置して見た。回診してきた教授もおっ字幕だねという。


聞こえない人が入院したら、字幕放送を見られるようにしてほしい。


ラビット 記



人工内耳をする意味

2007年11月13日 07時29分00秒 | 人工内耳

蝸牛CT断面ハ真.jpg
人工内耳をする意味は、補聴器、読話、手話に人工内耳を加えてより幅広いコミュニケーションチャンネルを持つということ、聴覚改善により「聴者の世界」を中途失聴・難聴者、ろう者に伝えたいということだ。もちろん、その逆のためでもある。

聞こえることが良いという価値観を、聞こえなくても自分が確立できる社会を構築するために、この体験がいかせることを確信している。

乳児の頃からの難聴であり、社会や交友関係を自覚した時には、難聴であることがコミュニケーションでも意識の上でも大きな壁になっていた。
初めて行く外国のように、聞こえる世界が少しの不安があるが、楽しみでもある。

ラビット 記

写真はCTによる左耳の蝸牛の断面写真。真ん中の白いカタツムリ上のが蝸牛。その断面は上下の2層構造になっている。
ここに電極が入る。