心理的外傷とは
PTSDの「T」にあたるのが、トラウマである。これまたやや一般にはなじみのない心理学用語であったのだが、今では、カタカナで通用するほど、一般的になっている。
出自は1世紀も前のフロイトの精神分析である。この世に生まれ落ちてからこのかた、誰もが何度もの心へのダメージを受ける。そして、それが陰に陽に後々の心の働きや発達に影響を及ぼす。これがトラウマ(心理的外傷)である。精神分析療法では、無意識の世界に閉じこめられているこのトラウマが何かをつきとめ、それを本人の自覚的コントロールのもとで解放することをねらう。
心のダメージを受けても、それがすべてトラウマになるわけではない。顔に怪我をしても、いつしか消えてしまうものと、いつまでも傷痕として残るものとがあるのと同じである。それを分けるものが何かはわからない。PTSDのように、命を脅かすような恐怖体験は、間違いなくトラウマとして残る。多分、その時に経験する感情の強さと、その時のその人の生活の中での重要度が、トラウマになるかならないかを決めているのではないかと思う。
{安全・安心の心理学」より
PTSDの「T」にあたるのが、トラウマである。これまたやや一般にはなじみのない心理学用語であったのだが、今では、カタカナで通用するほど、一般的になっている。
出自は1世紀も前のフロイトの精神分析である。この世に生まれ落ちてからこのかた、誰もが何度もの心へのダメージを受ける。そして、それが陰に陽に後々の心の働きや発達に影響を及ぼす。これがトラウマ(心理的外傷)である。精神分析療法では、無意識の世界に閉じこめられているこのトラウマが何かをつきとめ、それを本人の自覚的コントロールのもとで解放することをねらう。
心のダメージを受けても、それがすべてトラウマになるわけではない。顔に怪我をしても、いつしか消えてしまうものと、いつまでも傷痕として残るものとがあるのと同じである。それを分けるものが何かはわからない。PTSDのように、命を脅かすような恐怖体験は、間違いなくトラウマとして残る。多分、その時に経験する感情の強さと、その時のその人の生活の中での重要度が、トラウマになるかならないかを決めているのではないかと思う。
{安全・安心の心理学」より