資格10-30
思考習慣 11-6
思考転換 11-11
自己主張11-17
質問
質問「頭の元気は質問から」
●質問する人がずらり
はじめてアメリカの心理学会に行った時の光景を思い出しました。
発表が終わり、質問の時間になると、質問したい人が会場の1本のマイクの前にずらりと並ぶのです。ひるがえって、日本の学会。司会者が、「質問ありませんか」と会場に聞く。出ないので仕方なく(時間調整のため)司会者がお義理の質問をして終わりです。
ついでに質問をめぐってのもう一つのエピソード。
入学試験の面談で、いつも締めくくりに、「何か質問はありませんか」と質問するようにしています。しかし、質問してくる受験生は、およそ2割弱程度。言うまでもなく(内緒ですが)質問してくれれば、コミュニケーション力ありとの判断で、ポイントが高くなります。
という話をブログにアップしたら、いや、高校入試でも同じことをしていますが、反応は同じですというコメントをいただきました。こうなると、もう義務教育レベルからということになるのでしょうか。
あるいは、教育の問題というより、もっと根深く、日本の質問文化かもしれませんね。
また、質問は相手あってのものですから、それなりのマナーがあります。
そちらのほうに気を取られると、ついつい質問するのがおっくうになります。どのように質問するのが、相手にとってよいことなのか、あるいはその場で最適なのかといった質問のマナーについては、関連するビジネス書がたくさんありますので、そちらのほうに譲ります。
いずれにしても、本稿では、頭を元気にするという観点から、質問を考えてみたいと思います。
●質問する心理
質問するのはなぜでしょうか。
わからないことがあるからですね。当たり前です。
わからないとは、では、どういうことでしょうか。
自分の頭の中にある知識に結びつける(取り込む)ことができない情報があるからです。空中に浮いている風船を捕まえることができないような状態ですね。そして、ここが大事なのですが、そういう状態であることを認識できることが必要です。さらに、どのようにすれば風船を捕まえることができるかが予測できないと、どうにもなりません。
つまり、それは、今ここで質問すればわかるのか、あとであの本のあそこあたりを見ればわかるのか、あるいは、あの人に聞けばわかるのかの予測ができないとどうにもなりません。
「わからないという自覚」
「どうすればわかるようになるのかの予測」
ができることですね。これは、かなり、高度な頭の働きになります。メタ認知と呼びます。
質問することは、メタ認知の活動の一つなのです。だからこそ、頭の真正な元気にとって大事なのです。
その前に、メノンのパラドックス(逆説)を紹介しておきます。
「わからないことは何がわからないのかわからないのだからわかることはできない。わかっていることは、わかっているのだから、あらためてわかる必要はない。」
●頭を元気にする質問のコツ
①なまいきな聞き方をする
まずは、相手の話をあっさりそのまま素直に受け止める習慣を捨てることです。いわば「なまいきな聞き方」を習慣づけることです。
日本の学校の教室では、「先生の話をよく聞くこと」があまりに厳しく指導されすぎているように思います。言外に、「疑問を持つな、教えることを信じなさい」という暗黙のメッセージが隠されているかのようです。それを捨てるのです。
「なまいきな聞き方」とは、決して攻撃的になれ、ということではありません。相手を不快な気持ちにさせよ、ではありません。
・なんだか新鮮味がないなー(評価)
・そうはいうけどねー(反論)
・そこのところ、ちょっとわかりにくいなー(評価)
・自分の知っていることとちょっと違うなー(反論)
などなどの思いを抱きながら、相手の話を効く習慣をつけるのです。
②口に出す出さないは2の次
質問することは、結構、ストレスになります。相手がありますし、周りの状況もあります。それが気になり、質問を口にしないということがあります。
頭を元気にするという観点からは、挙手をして質問するかしないかは、どうでもよいことです。大事なのは、①なのです。
「質問を口にしないー>「すなおになんでも受け入れる」ではなく
「質問を口にしないー>「でも、評価、反論は頭の中で絶えずしている」となって欲しいです。
これによって、頭の中の既有の知識に新しい情報が追加され、それが新たな知識の構造化につながります。
ポジティブ心理術トレーニング@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
質問についてのここでの話のなかで、著者に質問したいことがあれば、大小とりまぜて挙げてみてください。
例 メノンのパラドックは誰が言っていることですか?